68、学習交流会にご参加を!(2022,5,5)
【ゴールデンウィークです】
・連休、いかがお過ごしでしょうか。僕のようにフリーで時間を過ごしている人間にとっても、なんとなくいつもより休み気分になれる気がします。 一昨日、3日ですが、早く済ませたい仕事があったので神楽坂の事務所に行きました。途中、川越の図書館に本を返しに寄ったのですが、川越も神楽坂も、言わば観光地ということもあり、結構な人出でした。連休は、例年上野公園で児童書のフェアがあり、今年3年ぶりの開催となり、昨日協会もブースを出しました。僕は失礼しましたが、とても盛況だったようです。
・この期間は、僕にとってはなぜか「誕生日ラッシュ」の時期で、昨日の4日がカミさん、1日が孫(2歳になりました)、10日がその孫の母親(つまり娘)の誕生日という具合で、一年の内で多分もっともケーキを食べる時期(笑)でもあります。また、連休期間にはほぼ必ず千葉に野球を見に行くことにしていて、今年は7日に行きますが、3年ぶりにビールを飲める観戦になります。
【学習交流会のこと】
・さて、この連休の期間中に届いていると思いますが(いま郵便物が前より遅れていて、ご遠方の方は連休明けになるかもしれませんが)、総会の案内をお送りしました。ここ2年、総会はリモート、そして前日の学習交流会、文学賞贈呈式は開けませんでした。今年はさすがにパーティーは無理ですが、前日の学習交流会は開催し、その後で文学賞の贈呈、表彰の場も設けます。前日の総会も含めて、リアル参加とリモート参加両方OKの、ハイブリッド開催になります。条件のある方は会場においでいただければと思いますが、ご遠方の方はもちろん、外に出づらいという方も、ぜひこの機会に、リモート参加にチャレンジしてみてください。(初めてで、やり方がよく分からないという方は、遠慮なく事務局にお尋ねください。)
・今年の学習交流会のテーマは、「いま、「主権者としての子ども」を見つめて」ということで、校則の問題を取り上げました。講師の内田良さんは、荻上チキさん等と共に、こうした管理教育の問題について中心的に発信してこられた方で、僕もとても楽しみにしています。
最近読んだ本に『プリズン・サークル』(坂上香著、岩波書店)というのがあり、これは(僕もまったく知らなかったのですが)若い受刑者の更生を主目的とした「社会復帰促進センター」(PFI刑務所)という施設が国内に四カ所あり、これに取材したノンフィクションです。著者は本と同タイトルの映画も作っていて、あるいはご覧になった方もいるかもしれません。元々はアメリカの取り組みを参考にし、建物の作りや受刑者の管理のしかたも通常の刑務所とはかなり違っているのですが、一方で日本の刑務所の体質を反映している面も隠せません。
・著者は映画を作るため、3年にわたって取材、撮影したのですが、印象的だった箇所に、食事の場面がありました。食事中は一切の会話が許されていないのですが、これを見た方が「娘の学校とそっくり! 小学校でも黙食をやってるんですよ」という感想を漏らされたのだそうです。これに続いて「元小学校教師で教育研究者の霜村三二は、このように沈黙を強要する教育について、全国の現役教員二百名を対象に調査を行い」と、その結果を紹介しています。
日本の学校の在り方は(詰襟の制服が象徴するように)軍隊の方式が元になっている、という話もありますが、「校則」というはっきりした形になっていることだけでなく、子どもたちを強制し、管理していくという発想が、根本のところにあるように思えてなりません。 なお、上記の霜村三二さんは、実は協会の元事務局員で、僕が入会したころ(50年近く前ですが)事務局にいて、その後教員に転じた方です。いつか、この霜村さんにも話をしていただきたいなと思っています。
そんなことで、わたしたちの作品を受けとめる日本の子どもたちが、彼らの時間の大半を占める学校という場で、どんな思いでいるのか、改めて見つめ直す機会になければと願っています。リアルでも、リモートでも、ぜひご参加ください。もちろん総会の方もですが、こちらはご出席されない場合は、必ず委任状をお願いします。