講座ブログ

秋の一日講座 感想③

秋の一日講座に参加して いどきえり

 

9月27日、高田馬場の日本児童教育専門学校で行われた『取材・書き直しのコツ、教えます!』に参加しました。

人に会うのは久しぶり~と、少々緊張しながら駅を出ると、そこで知り合いにバッタリ! 雑談をしながら一緒にお教室に向かいました。久しぶりの雑談です!

先ず、講師の森川成美さんの話に耳を傾けながら、メモを取ります。

『マレスケの虹』を中心に、2度もハワイまで取材に行かれたときの様子を、写真や図を交えて、詳しく教えてくださいました。

その中で、私が一番印象に残っていることのは「空気感」という言葉です。現地に取材に行かないと「空気感がない」ものになり、それはもちろんだめです。現地に取材に行って「空気感ばっちりのはず」と思っても、詳しすぎたり、解説的だったり……。なるほど、と思いながら、話に聞き入りました。

その次は、くもん出版編集部の和田惣也さんのお話です。若手の編集者さんです!

ここでは、「書き直し」ということについて考えさせられました。どうして、書き直しをするのか。それは「作品」を「商品」にする必要があるからです。言い換えれば、「原稿」を「本」にする作業なのです。作品として、よりおもしろいものにするために、議論するわけです。そして、和田さんが今までに編集を手掛けられた作品を具体的に挙げて、説明してくださいました。ここでも、なるほど、と思いながら話に聞き入りました。

その後は、森川さん、和田さん、赤羽じゅんこさんによるトークショーです。

予め渡されていた「質問カード」の質問に答える形で、トークが進みました。皆さん本当に本音のトークで、教室中が笑いの渦に包まれたり、うなずいたり、目からうろこのお話があったり……、普段、聞けないこともいっぱい聞けて、盛り上がりました。

私は、最後に拙作『フン虫に夢中』を紹介させていただく機会にも恵まれ、感謝の気持ちでいっぱいでした。

コロナ禍ではありますが、参加者同士の距離も十分に保たれていて、充実した一日になりました。ご準備くださった協会の方々、ありがとうございました。

また、一日講座、参加したいです!!

2020/10/09

秋の一日講座 感想②

会えてよかった、行ってよかった 松井ラフ

 

 執筆はもともと孤独な作業で、ただでさえ時々誰かと創作について話したくなるのに、コロナ禍で人と会うこと自体が難しくなってしまった昨今。そんな中、対面で行うという当講座の案内に、内容はもちろんのこと、皆さまにお会いできることが嬉しくて、喜び勇んで申し込みました。

 講師の森川さんとは「河童の会」という勉強会でご一緒していた仲間で、そこで『マレスケの虹』『さよ 十二歳の刺客』の原型となる御作品も拝読していたのですが、今回の講座で、それぞれの御作品が出版に至るまでの道のり、取材のお話も聞けて、とても興味深かったです。「役に立つか立たないか、書くか書かないかに拘わらず、取材とは何でもすること」という言葉が印象的でした。

 くもん出版の和田さまからは、編集者さまのお考え、お気持ちなどが伺えてよかったです。

受講生の質問をもとにしたトークショーでは、司会の赤羽先生、講師のおふたりからの回答だけでなく、受講生として会場におられた作家の方々からのお話も聞けて有意義でした。

 そして何より、皆さまのお顔を実際に見ることができ、ご挨拶やお話ができたことで元気をもらえました。

 会場入り口には手指消毒液が用意され、窓やドアは換気のため開放、座席はソーシャルディスタンスがとれる配置で、森川さんはマスクにフェイスガード。東京都の感染者数増加で開催が危ぶまれた時もあったということですが、感染防止にご配慮いただき、実施して下さったことに感謝申し上げます。

 

2020/10/07

秋の一日講座・報告

秋の一日講座レポート 新井爽月

「主人公になりきるために取材からヒントを得る」

 

 コロナ禍の状況下で行うことができた今年度初の秋の一日講座。

 定員20名を上回る申し込みをいただけたことも大変嬉しかったですが、無事に講座を開催できたことが何よりも有難かったです。

どう取材したら良いのかという点については、書き手ならば一度は必ず悩み迷う課題の一つであると思います。

 今回の講師役を務めて下さった森川成美さんは、ノンフィクション及びフィクション共に念密な取材を経て作品を書き上げた経験を幾つもの資料を踏まえ、大変丁寧に解説して下さいました。

 

 特に『マレスケの虹』という作品を書き上げるために二度に渡りハワイに向かい、現地の空気感や肌感覚、物語の舞台となる時代背景について等、意欲的に取材をなさっていたことがとても印象的でした。

 なぜ取材をするのかという疑問について森川さんは、主人公になりきるために余白があるとなりきることが難しく入り込むことができないという主旨の発言をされていましたが、この「余白」についても大変細かな点まで調べられ、実際にご自身で体験&体感なさっていたことに驚きを覚えました。

『マレスケの虹』において、一番ご苦労なさったのはハワイ島の移民一世として渡られた1910年代の時代背景についてだったそうです。

 移民に関する歴史資料館などで資料を紐解いてもその年代にピタリとはまる資料に出会えず「それなら現地に行くしかない」と決意なさった経緯をお聞きすることができました。

 

 取材をする大事さは誰しも理解ができますが、取材をしたことで作品そのものが説明的になりすぎてしまう懸念や、膨大な量の取材の中から何を取捨選択するかという匙加減の難しさなども非常に興味深く、参考になる意見を伺うことができました。

 

 第二部ではくもん出版編集の和田さんが書き直しと取材のコツについて、編集者というお立場を踏まえお話して下さいました。

 

 当然のことながら「書きたい・伝えたい」という思いが作品には必要だけれど、本になる作品に求めるのは書きたいという思いだけではなく、誰に伝えたいのか、どんな作品(本)にしたいのかという、より広い視点が重要になるという意見に受講者の方々も深く頷いていたのが印象的でした。

 

その後、第三部でのトークショー及び質疑応答についても、取材で見聞きした情報や実際に体験した肌感覚をどこまで作品に生かし、必要のない部分は思い切ってカットするかという点についてそれぞれの思いを聞くことができ、大変参考になりました。

 

 取材をする!となるとついつい身構えてしまいがちですが、普段からアンテナを張り巡らせ、できる時にできることを体験しておくことや、好奇心をもって見聞きしておくことが結果として作品に生かせることに繋がると、理解が深まりました。

 

 足を運んで下さった受講生の方々、そして講師を務めて下さった森川さん、和田さん、本当にありがとうございました。

 ぜひまた次の機会も対面での講座を開催できる日を楽しみにしております。

 

 

2020/10/04

秋の一日講座 感想

ひと言も聞き逃せない講座 水沢せり

 
 まだまだ書き上げるだけで必死な身ですが、取材ってどうやるんだろうと気になっていました。
 そんな時、ツイッターで「取材・書き直しのコツ、教えます!」という講座があると知りました。
 
 取材というと、ドラマで見かける「メモを片手にお話を聞く」くらいしかイメージがありませんでした。ですがお話を伺って、そんな簡単なものじゃないんですね。
 
 現地に行って、主人公が経験しただろう、景色、音、匂い、温度を知ることで、自分の中に主人公が色づき、肉づき、息づく。
 それは、新たに出会った友人を、知るようなものなのかもしれません。友人が、親友になるほどに、知ろうと行動する。プロの情熱とバイタリティは、想像以上のものでした。
 
 だからといって、情熱を傾ければ傾けただけ、いい作品になるわけではないんですね。
 話の聞き方にしろ、執筆するにしろ、一定の距離を保つことが必要なこと。
 こだわりに引っぱられてもいけないし、取材したことを、書きすぎてもいけないという、書く姿勢についても、お話がありました。
 
 そしてなにより大切なこと。
 ノンフィクションに限らず、どんな作品を、どんな切り口で、だれに向けて書くのか。
 本当に自分が書きたいことはなにか。伝えたいことはなにか。
 
 編集者さんが、同人で書いている方は、人に読んでもらう意識が、薄いとおっしゃっていました。その通りで、「これは面白そう」が暴走して、収拾がつかなくなってしまうことがよくあります。
 取材を通じての気づきなど、全く知らない世界のことも勉強になりましたが、「だれに向けて書いているのか」が、きちんと意識出来ていなかったことに気づかせてもらって、ありがたかったです。
 
 講座の内容を全部理解できる日は、まだ先だと思いますが。
 今はまだ気づかない山ほどのプレゼントを、いつか全て開けたら嬉しいなと思っています。
 今日は、ためになる時間を、ありがとうございました。
2020/10/02

秋の一日講座、終わりました!

27日、秋の一日講座が無事、終わりました。

講師のおふたり、森川成美さん、和田惣也さんは、準備からとてもがんばってくれ、内容の濃いものになったと思います。

今回はズバリ目でも楽しめる講座でした。たくさんの拍手と、来てよかったという声をいただきました。

ああー、やはり対面の講座もいいですね。ひさしぶりに人と会ったという方もいました。

感染には気をつけ、定員の半分の人数、三人掛けのつくえに、ふたり以上はすわらないという形でマスクをしておこないました。

部員が消毒、換気など気をつけてくれました。

部員の報告、参加者の感想など、集まりしだい、アップしていきます。

また、今回の講座は動画の撮影をしました。森川成美さんの協力のもと、動画を有料配布する予定です。

内容は森川成美さんの講演とおまけ特典としてのトークショーの一部で1時間半くらいになります。

準備がととのいしだい、このブログでも告知するので、こちらもよろしくお願いします。

2020/09/29

リモートがっぴょう会の感想③

リモートがっぴょう会に参加して こまつねこ

 

 「Cisco webex?」

 日本児童文学者協会からのメールが届いて、わたしはそのウェブ会議ツールの名を唱えた。シスコ・ウェべックス? かの有名なZoomは使ったことがあるけれども、Cisco webex なんて知らない…わたし、リモートできるのかしらん…一抹の不安が頭を過った。

 けれども、それは杞憂だった。事業部の方々にご案内頂いた通り、Cisco wevexは簡単に繋がった。がっぴょう会当日、わたしは自分の顔が、他の参加者全員と共にPCに映るのを見た。赤羽じゅんこ先生が仰る。

「では初めは、こまつさんの作品ですね」

 そう。事前に送られてきた担当表とスケジュールで、各作品の順番はすでに決まっている。一番初めに合評されるのは、わたしの作品。そして、合評するのは各作品ごとに違う3人の生徒+先生だ。厳しいご意見を伺いながらも、皆さん事前にかなり読みこんでこられたことが解る。1作品の持ち時間は10分。合評する生徒は事前に自分の持ち時間(3分が1人、1分が2人)を伝えられているので、その時間内に自分の意見を述べなければならない。皆さん、メモをご用意されていて、時間内に的確な批評をされる。次は先生のご意見と作者への質問タイムが5分。きゃあ耳が口がお腹が痛いよう、と思ったのも束の間、「時間でーす」の声がかかり、わたしの作品の合評は終了した。

 でも、これからが試練の時。今度はわたしが他の方々の作品を批評しなければならない。事前に読み原稿を用意し、スマホのストップウォッチで時間を計っていたので、制限時間はクリアできた。そんなに間抜けなことも言わなかった…はずだ。そして、どんどんと残りの9人の作品が批評されてゆき…。10人の参加者全員の合評を終え、リモートがっぴょう会は無事終了した。トラブルも特になくスムーズに進んだのは、事業部の方々の入念なご準備のおかげだ。がっぴょう会が終わった後、遅まきながらCisco webexをググってみると、世界で一番使われているWeb会議ツール、とある。なんだ、そっかあ。さすが日本児童文学者協会。世界一のツール、入念なご準備、そして素晴らしいスタッフの方々のもと、わたしはがっぴょう会を堪能させて頂いたのである。本当に、貴重な機会に感謝しかない。時代はCisco webex、合評やるならリモートですよ、うん。

 

                         

2020/09/23

秋の1日講座 満員となりました

27日の秋の一日講座

「取材・書き直しのコツ、教えます!」は、感染防止のため、となりの人との距離をとり、人数を少なめに募集しましたので、満員となり、今はキャンセル待ちとなります。

今後、もっと大きな会場をさがすなど、みなさまに見てもらえるように気をつけます。

また、この講座は、うまくいくと、録画して配信することも考えています。有料となりますが、準備がととのいましたら、連絡します。

                                                     (赤羽)

2020/09/22

リモートがっぴょう会の感想③

初挑戦!リモートがっぴょう会 藤村メイ子

 私は、昨年47期児童文学学校、その後70期創作教室に通い、創作の手習いを始めたところです。内田麟太郎先生、赤羽じゅんこ先生、最上一平先生など私が尊敬してやまない方々とお会いできただけでも幸せなのに、気さくに飲み会やお茶会にも同席させていただき、貴重な時間でした。しかし、このコロナで、創作教室も延期中止となり、途方に暮れていました。

そんな時、文学学校のお仲間の一人が「リモート合評会」のことを知らせてくれ、私ごときがいいのかな?と思いながらも「恥をかいてなんぼ」とチャレンジしてみることにしました。やはり、私のレポートは稚拙で読み込みも浅く反省の連続でしたが、皆さんの力作やリポートにうなり続け、よい作品は、こうして切磋琢磨して磨かれるんだなぁと実感できた時間でした。

 赤羽先生の一人一人の作品に対しての厳しく暖かいアドバイス、事務局の方々の手厚い準備に、緊張と勉強の初体験となりました。本当にありがとうございました。

個性あふれる皆さんの作品に触れ、私も自分の持ち味を生かして、現代の子ども達に寄り添える作品が書けるよう、頑張る力をいただきました。

 

2020/09/22

リモートがっぴょう会の感想②

リモートがっぴょう会に参加して   松ふじ子

 

 児童文学を書きたいと思って挑戦していたが、家族の病気に翻弄され、八年のブランクがあった。昨年の秋から、八年のブランクを経て、また児童文学を書く気力が生まれたのは、自分の体調不良からというのも変な話だが、まぁそういうことだ。一度はもう児童文学を書くことはあきらめようと思い、やめる宣言までした。体調不良が、逆に家に居ることとなり、また書こうという気持ちに繋がっている。家族の病気が以前よりは良くなっていることも、そのきっかけだった。

ブランクの前は創作教室や合評会に進んで参加し、そのために毎日毎日書いていた。

創作を再開してみたものの、合評会などに参加しないと書く気力が削がれ、目標がない。同人誌では書けない少し長い作品も書きたい。評価してもらったら、公募にも挑戦できるかな? そんな思いをしていた中で、リモートがっぴょう会のツイートが流れてきて、勇んで申込するに至った。一度フライング申し込みしてしまい、事務局から諫められる始末。改めて申込日にきちんと申し込んだ。

十人の参加者さんは皆さんお上手な方々が多いと、接続確認会での赤羽先生の言葉。事前にリモートの顔合わせがあり、中には既に本を出されている方もいらっしゃるとのこと。その時、私は提出作品を数枚しか書いていなかった。接続確認会でスイッチが入った。

無事締切日に作品を提出し、その後他の方の作品を読む。私なりの評価を書きながら、私がその物語を書くとしたらどんな点に注意するだろうかを念頭に置く。他の方からも学ばせていただいた。

リモートはむしろ移動時間もなく、同じ時間を共有でき、参加しやすい。少しくらいの体調悪化や席をはずすことも事前に伝えておけば心苦しくない。時間配分はタイムキーパー担当の開さんが超的確に進めてくださった。一つの作品にかける時間は十分。短いが濃厚ながっぴょう会で、赤羽先生の的確な指摘とアイデアの提案は、突っ走り気味に書いていた作品をさらに深みあるものに仕上げるエッセンスになった。

おかげさまで、優秀作品の一つに選んでいただき、書くテンションがグッと上がった。

リモートがっぴょう会で改めて思ったが、やっぱり書くことが楽しい。苦しいけれど心から楽しい。離れていても皆さんの顔が見える中で合評するのは、対面と遜色ない。素晴らしい!

ずっとずっと挑戦する自分でいられる場所を再確認できた。

 

ご尽力いただいた事務局、ならびに赤羽先生、開さん、本当にありがとうございます。今回の参加で、また一歩前に進む意欲がわきました。

2020/09/17

お試しリモートがっぴょう会 感想

リモートがっぴょう会に参加して 志津 栄子

 

 児童文学者協会の機関誌に「リモートがっぴょう会」のお知らせを見つけたとき、わっ、待ってました! これよ、これ!と、心が躍りました。

 7月30日の20時、ドキドキしながらポチッ。申し込みをしたのです。

 

 思えば、去年の今頃は、神楽坂の創作教室に通っていたのです。このⅠ年、いえ半年の間に、世の中のすべてがガラリと変わってしまいました。

 合評会や女子会どころか、里帰りも施設にいる母に会うことさえかなわないのです。当たり前に思っていたことができなくなり、あらためて、会って語り合うことはなんて素敵なんだろうと気づかされました。

 

 今回のリモートがっぴょう会では、事前に接続の確認をする会をつくっていただき、安心して参加することができました。

 みなさまの作品がメールで届き、プリントアウトすると、ずっしりと重くて濃い内容のものばかりでした。せっかくの機会、私もステップアップしたいと、じっくり読み込んで準備しました。

 当日は、いい意味での緊張感があり、最後まてで集中して取り組むことができました。

 ふだんは雲の上のそのまた上にいらっしゃると感じていた、赤羽じゅんこ先生でしたが、先生のお顔が画面に映し出された瞬間、わっ、またお会いできた!と、嬉しくてたまりませんでした。

 私の作品を読んでご指導いただいたこと、みなさまからのご意見は、本当にありがたく受け止めました。このような機会をつくっていただき、感謝、感謝です。

 

 大げさかもしれませんが、書き続けている限り、私は前を向いていられるんだと心強く感じました。

 貴重な時間となりました。ありがとうございました。

2020/09/16