講座ブログ

2022年09月

第50期 最優秀作品、決まりました!

9月25日は、第50期日本児童文学学校の最後でした。

今回は、村上しいこさんと、あすなろ書房の山浦編集長ともりだくさんの講義でした。

まず、村上しいこさんの話は、すぐに引きこまれました。語り口がおもしろいのですが、深い。創作のなんたるかが、端々に語られていて(さりげなくです。感じ取ってください)聞き入ってしまいました。けっしておしえこむという感じてなく、楽しそうに様々なエピソードを話してくれるのですが、その中にちゃんと作家らしさがあふれています。

また、創作で気をつけている十箇条なんてのもおしえてくれたんですよ。

なんて、親切!でも、これを聞いたからって、すぐに書けるようにならないってのも、また、創作ですよね。

でも、みなさん、必死でメモしていました。スタッフたちも!

最後、時間が押してしまって、用意してきたことすべて話しきってもらえなかったことが残念。ほんと、村上しいこさんにも申しわけなかったと思っています。

村上しいこさんといえば、講談社児童文学新人賞の選考が終わったばかりだったようで、そんな忙しい中、時間をさいていただいたこと、感謝したいです。

 

そのあと、あすなろ書房の山浦編集長登場です。

事務局まできていただいて、わたし、赤羽じゅんこがインタビューする形で話していただきました。

よい本とはの、原点になるような話から、児童文学の現状までわかる講座になりました。山浦編集長、かざりのない、真摯な言葉ではなされたのが印象にのこりました。

よい本と売れる本とはちがうのか? みたいな、本来なら編集長さんなら答えにくい問いまでぶつけてしまいました。

建前でなく、山浦編集長らしい返答をしてくれました。あすなろ書房の魅力がここにあると感じました。

昨今は、テクニック論がもてはやされる中、最後に、本のよさを確認できるような講座ができて、ほんとうによかったと思っています。

 

そのあと、修了式もおこないました。

今回、最優秀作品に選ばれたのは、ペンネーム 月野曜さんの『うまれ変わり会議』でした。

また、優秀作品は、錦織秀佳さんの『石と意志』でした。

おふたりとも、おめでとうございます。

最優秀に選ばれた作品は、機関誌日本児童文学3,4月号に掲載します。

 

 

そして第50期のみなさん、おつかれさまでした。創作グループができたとうのが、希望です。心から応援したいと思います。

また、口うるさい部長にめげることなくついてきてくださったスタッフにも感謝です。

さて、赤羽はこれで事業部の部長は任期満了、後藤みわこさんにバトンタッチします。とはいえ部員として残ります。うるさくしないよう、気をつけます。

これからも事業部はさまざまな企画をしていきますので、どうかよろしくお願いします。

 

また、村上しいこさん、山浦編集長の話が聞きたい方は、有料ですが見逃し配信があります。

日本児童文学事務局まで(有料ですが)確認してください。

 

 

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2022/09/27

村上しいこさん、登場!

第50期の日本児童文学学校も残り一回になりました。

最後の9月25日は、人気作家の村上しいこさんが登場して、『魅力ある物語づくり』について話してくれます。この講座に、村上しいこさんは、初登場。

ふだんから村上しいこさんの講演はおもしろいと評判です。忙しい村上しいこさん、何度かたのみ、ひきうけてくれました。

とにかくおもしろいし、実力派。それに子どもの気持ちによりそった作品を書かれます。

幼年からヤングアダルトまで幅広く書かれていて、そのどれもがおもしろいって、かなりすごいことですよ。

今年の夏も『みんなのためいき図鑑』が課題図書になりました。ためいきを調べるって、その発想も斬新ですよね。そんなおもしろさがどこからくるのか、講義が楽しみです。

また、古民家に住んでいるという生活スタイルも、SNSで発信して人気のようです。

 

また、二時間目、村上しいこさんの次は、今回、編集者さんが登場します。あすなろ書房の山浦さんです。

魅力的で読み応えのある文学作品をだしている、小さいけど個性的なあすなろ書房。山浦さんが考える魅力的な本はなにか、赤羽じゅんこがインタビュアーになってきいていきます。

みなさんがほんとうに聞きたいことをたずねていこうと思うので、こちらも注目してください。今まであまりなかった編集者さんとの対談ですから。

 

村上しいこさん、あすなろ書房の山浦さん、どちらの講義もビジターで一回だけの参加もできますので、事務局に問い合わせてください。

 

そのあとは、修了式があります。これは、受講生のみ参加です。

みなさんの提出作品、心をこめてスタッフが読みました。その上、最優秀作品、優秀作品を話しあって決めたのを、発表します。

話し合いは、かなり紛糾しましたよ。ここには書けませんか・・・・・・。

今回が、部長として最後の仕事になりますから、なんか感慨深いです。   

9月25日 日曜日、よろしくお願いします。 (赤羽じゅんこ)

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2022/09/16

第50期 日本児童文学学校 感想⑰

童話賞で一攫千金!? 小塩美里

 

「受賞したら賞金で好きなものを買おう!」これは、私が運営する学校以外の学び場「フリースクール」に通う子どもたちと私の合い言葉です。フリースクール以外でライターの仕事もしていることから、週に1度、作文の時間を設けることにしました。読書感想文や日記は、学校を思い出してしまうこともあって続きません。子どもたちも私も楽しい時間を過ごせるのは、なんといっても童話づくりです。それは、童話のなかでは冒険ができるから。普段、不安が強くて知らない場所に行けない子も、育児と仕事に疲れて休日にウッカリ寝て過ごしてしまう私も、童話の中では主人公になって魔法を使ったり、知らない国に行ったりできます。誰かの夢のなかにだって入り込めちゃうこともできる童話の楽しさが、子どもたちの心を引きつけました。それに童話を書いていると、我が子たちに幼い頃、寝かしつけに即興でつくったお話を喜んで聞かせていたことを思い出すようになりました。日に日に「もっと上手に書いてみたい」気持ちが大きくなり、思い切って童話講座に申し込みました。

 

講座の後半には、受講者作品の講評があります。まさか自分の作品が、事前に受講者の皆さんに配られるとは知らなかった私。講評の日までドキドキが止まりませんでした。そんな不安な思いは良い意味で裏切られ、受講者の皆さんと先生からの愛あるコメントで胸がいっぱいになりました。そして勉強になることばかり!!!振り返ってみれば、ほかの方の作品を読む機会はあまりありません。講座でたくさんの方と出会い、多くの作品に触れる機会に恵まれることは、とてもありがたい経験でした。

 

講座では、童話づくりのために勉強になるお話がたくさんありました。でも、これから受講を考えている方には、なによりも先生方の童話にかける熱意に直接触れてもらいたい。忙しくなると、童話づくりをすることから遠ざかってしまうこともあります。そんな時、講座で先生方のお話を聞くたびに、童話づくりのある毎日はとても幸せであると気づかされ「今日からまた頑張ろう」と思えました。最初はよこしまな思いから始めた童話づくり。今では受賞にかかわらず、これからもずっと続けていきたい大切なものになっています。

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2022/09/13

第50期 日本児童文学学校 感想⑯

作品を書く力   北里 浩 

 

児童文学講座受講は2度めだ。前回は38期。続けて創作教室にも通った。創作教室の3月最終日は東日本大震災のため5月に延期となった。

私が児童文学講座と創作教室で提出できたのは2作品。毎回出せず、もっと通いたかったが、旅費や休みが足りずに難しかった。

その後も九州で開かれる講座の合評会にいくつかの作品を書いた。

今回受講を決めたのはオンラインだったからというのが一番大きいが、もうひとつは作品を書くきっかけにしたかったというのがある。

よりよい作品を書こうと読書は続けてきた。童話の書き方的な本、参考書など読んできて、ふと気づいたら1年11ヶ月書いていなかった。

児童文学講座、創作教室参加からすでに10年以上経過した。僕の周りでも、いろいろなことがあったが、振り返ってみればあっという間だった。

えっ、もうこんなに経っちゃったのって感じ。

講座に登壇される先生方は今まさに書いておられる現役の方々で、これからも書き続けられる意志を持たれている方だからこそ、それぞれの言葉には説得力があった。

先生方のそんな熱意と、講座に参加され作品創作に興味がある点で同じ方を向く、いわば仲間の皆にも刺激を受け、引きずられるかたちで久しぶりに講座終了のための提出作品を書き、今回、児童文学講座関連での3作品目を提出することができた。

それぞれの人生にそれぞれの事情があり、生きるためにしなければならないことは他にもたくさんある。それにしては人生はどう考えても短い。与えられた時間のなかで、いかに作品を書き上げていくか、それもその人の作品を書く力に含まれるのかもしれない。

数年来、構想している作品がある。与えられた時間が尽きる前になんとしても完成させたいと思っている。

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2022/09/10

第50期 日本児童文学学校 感想⑮

子育て中に見つけた新しいしあわせ 谷口香織

 

この講座に申し込んだのは、息子が1歳になった頃。育休期間の半分が過ぎ、復職前に久々に何かに打ち込んでみたい、と思ったのがきっかけです。どうせやるのであればかわいい盛りの息子の成長とリンクするようなものはないかな…と考えたときに、幼少時代は絵本の虫だったことを思い出しました。不思議なことに、大人になって読んだ本よりも、子どもの頃に読んだ本のほうが、読んだ時のワクワクドキドキ感や学びもあわせて記憶に残っている気もして、そんな作品が書けたらいいな、と思いこの講座にたどり着きました。

 

講義では、先生方が作家になるまでの経緯や、作品を書く際に大切にされていること、研鑽のために続けていらっしゃることなど、すぐに参考にしたい貴重なお話が伺えます。さらに「こんなことまで?!」という突っ込んだ質問まで答えていただける、先生方の熱意にも感激してしまいます。

 

また、他の方の講評作品や感想の中では、自分にはない視点や発想、表現にたくさん出会うことができ、毎回とても勉強になります。それだけに、8月に講評を受ける立場としては、5か月間気が気ではありませんでした(笑)。ですが、当日は温かいご感想に胸がいっぱいになり、先生には、何をどうしたら良いのかモヤっとしていたところを、あまりにも的確でわかりやすいアドバイスをいただけて、こんな自分でも、続けていけばもっと良いものが書けるかも…と思えるような、夢のような時間でした。

 

オンラインでも、コミュニケーションを多くとっていただける講座の中で、先生方や受講生の方々の人となりを垣間見れた気持ちになることもあり、あと一回で終わってしまうことをさみしく思います。そんな中、同期の方の呼びかけで、「50期の会」なる同期会が発足しました!今後もこんな風に楽しく切磋琢磨できる環境の中で、いつか自分の作品で息子を笑顔にさせられたら…と願いつつ、しあわせな時間はまだまだ続きそうです。

 

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2022/09/07

第50期 日本児童文学学校 感想⑮

日本児童文学学校を受講して 君成田弘志

 私が児童文学、物語作りに取り組むようになったのにはきっかけがありました。

 私は以前、道路で転んで、膝関節を骨折し、以後正座ができなくなりました。歩くのは杖を使っています。自転車も乗れません。ただ、車は運転しています。

 そんな中、元気だった妻が脳梗塞を患い、大きな手術を受け、以後回復しましたが、障害が残り、車いす生活になりました。生活は私の介護が必要になり、一日中私がそばにいることが必要になりました。私が自由になれるのは妻が介護サービスを受けている時だけです。

 そんな生活を十数年続けましたが、昨年9月に妻は、全く突然、先立ってしまいました。ショックと多忙で3か月ほどは、あっという間でしたが、落ち着いてくると、ある変化に気がつきました。

 それは朝、目が覚めた時に、はっきりと夢を思い出すことでした。夢は行動を開始すると忘れてしまうことが多いのですが、一人になったせいかはっきりと覚えているのです。それを同居の息子に話すと、読書家の彼は夏目漱石の「夢十夜」を持ってきました。それを読んで、私は自分の「夢日記」をかいてみようと思い、妻の死後100日目から開始しました。それまでも普通の日記は短いもので書いていましたが、その上に書くことにしました。夢は変幻自在です。思ってもみなかったことも出てきます。私は面白くなっていました。

 そんな時、市報を見ていると、赤羽じゅん子先生の「ものがたり講座」開催のお知らせが目に入りました。

 私は興味を持ち、年齢等の条件はないのかと問い合わせましたが、ないとのことで(当時81才)申し込むことができました。

 講座を受講し、企画書・設計図等の物語作りの基本を教わり、なんとか原稿用紙10枚の物語を完成させることができました。受講者の作品集ができ、一冊になった本の中に自分の作品があるのを見ると、とてもうれしくなりました。

 その後、先へ進むための、今受けている講座を教えていただき、今日に至っています。

 今まで作った作品は「ねずみの国への旅」「平和へのメッセージ」「雪の中から救え」「空を飛べ 海を走れ」の四つです。そして今、作成中のものは「思い出の卒業記念ウオーキング」と「名選手との交流」です。この二つは、自分の人生の想い出をもとにした創作です。

 またアイデアボックスの中には、もう何枚もたまっています。これらは児童向けの創作作品になると思います。

 この講座をきっかけにできた同期の会の発足もうれしい限りです。同期の皆さんと切磋琢磨できることは、何よりも良いことだと思います。

 今は、このほかの生活も併せて時間が足りないくらいです。充実した残りの人生のために頑張ってまいります。

 皆様、よろしくお願いいたします。

 

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2022/09/03

第50期 日本児童文学学校 感想⑭

旅路はちいさな一歩から  田中 敬二郎

 

すべての旅のはじまりには、ちいさな一歩が伴いますが、その一歩がどんな道へ続いているのかは、歩き続けてみないとわからないものです。

 

わたしのちいさな一歩は、偶然が紡ぎ合ったものでした。子どもの頃から、古い童話や民話に興味があり、大人になるにつれて、上橋菜穂子さんの「守り人」シリーズが好きでよく読んでいました。また、大人になってから読む児童文学は、大人になっていく過程で忘れてしまったことを思い出させてくれるものであり、どこか児童文学に憧れを抱いていました。

一方、大学で近代文学を勉強していたことから、心の片隅でなにか物語を作りたいなという気持ちがありました。

日本児童文学学校のことを知ったのは、そんなもやもやとしていた時期です。ちょうど大学に通っていた際に、協会の現理事長である藤田のぼるさんの講義があり、そこで学校のことを知りました。そして、わたし自身なにか物語を作れたらいいなと考え、受講へといたります。

 

学校で教えてくださる先生は、どなたも第一線で活躍されている方々ばかり。どのような一歩で児童文学作家になられたのか。書くことの大変さや、その大変さをどう乗り越えてきたのか。そして、自分の中にある物語の種を咲かせるために、先達の本を読み、物語に必要なことを調べ、子どもたちのために、物語を書き続けていく。先生方のお話はどれも貴重で、終始その熱意に圧倒されながら講義を受けていました。

 

学校の後半では、受講生の皆さんがそれぞれ書いた作品について、先生方や受講生の皆さんと一緒に感想や意見を交わします。受講生の皆さんの作品は、どれも面白く、バラエティーに富んでおり、わたしが考えつかないような作品ばかりでした。そして、作品のこういうところが面白かった、どうすればもっと魅力的になるのかなど、先生方も受講生の皆さんも、真剣にその作品の感想や意見を交わしているのが印象的でした。こうした機会が得られるのはとても幸運なことだと思います。

 

わたしの作品が講評されたのは、だいぶ後でしたので、不安との戦いでした。結果として、辻貴司先生や受講生の皆さんに面白いと評価していただきました。自分がうんうんと苦しみながら書いた作品について、真摯に意見や感想を言っていただき、さらには面白いと言っていただくのは、ありがたく、たいへん嬉しいことだと実感しました。

 

この学校は、わたしのちいさな一歩を踏み出すきっかけを作ってくれた学校でした。このちいさな一歩がこの先、どんな道へ続いていくのかわかりませんが、これからも歩き続けていきたいと思います。

 

第50期 日本児童文学学校もあと一回で終了となります。今期は、積極的な方が多く、終了後もグループをつくり、書いて行こうという流れもあるようです。

すばらしいですよね。オンラインの講座でも、こういうこともできるんだなっと、スタッフは感激しております。

そして、今日9月1日は、受講生の提出作品の〆切り日です。10枚までの作品を提出していただき、最優秀、優秀作品を選びます。最優秀作品は、機関誌『日本児童文学』にも掲載します。みなさまの力作、お待ちしています。〆切り厳守で、お願いしますね。 赤羽

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2022/09/01