第50期 日本児童文学学校 感想⑬
学びは自分を新鮮にする 戸丸俊文
「退職後何をやるか」
考え始めたのはその時を迎える2年前でした。
ずっと模索し、やっと見つけたのが「児童文学を書く」ことでした。
その時に、日本児童文学学校の存在を知りました。
退職して4月からの講座はWEB講座でしたが、講師の先生のお話を直接聞けたり、質問できたりと毎回が楽しみでなりませんでした。
また、他の受講生の作品を読ませていただき、私には到底思い浮かばない発想やキャラクターがいくつも登場してきました。「初めて書きました」とおっしゃっている方の作品を読んで、その文章力に驚愕し「この方、天才かも……」と思うことも度々ありました。
今の自分の課題は、講座で講師の先生がおっしゃっていた言葉、「自分だから書けるもの」を探すことです。
66歳で退職の日を迎えた自分を振り返ってみると、それなりに喜怒哀楽を感じる出来事に遭遇してきました。その中から、常識や社会通念を創り出してきました。
それらは、私の価値観や社会観等を形成する基礎となってはいるのですが、これからを生きる子どもたちの人生にすべて役立つのかというと疑問符が出てきます。
子どもたちを、同じ時代で一緒に生きる同胞として捉え、彼らが生きていくための支えになるような作品を提供できるようになるためには、時として自分の中にある概念をひっくり返して見つめ直す必要があるようです。
それを教条的ではなく、日常の何気ない出来事や登場するキャラクターの言動から子どもたちが自然と感じ取れるような作品に仕上げていきたい。
それが、この講座を受講している中で、私が強く感じるようになったことです。
できるなら私の作品を読んで、子どもたちがワクワクドキドキできたり、ウンウンそうだよとうなずいてくれたりしたら嬉しいなあと思っています。
難関ですが挑戦しがいがあります。
どうも「児童文学を書く」ということを退職後の道として選んだことは間違っていなかったようです。