講座ブログ

実作通信講座に新講座を開設します!

実作通信講座ビギナーズ 10月開講

まったく初めて児童文学や童話を書く人のための講座を準備しています。

児童文学ってどんなものかって、丁寧に解説したテキスト付きです。

課題をひとつひとつやっていけば、より深く創作のしかたがわかることになっています。

課題は5つ

・「敬体」(です、ます体)を「常体」に直してみよう。

・「人」ではない、「何か」で場面を書いてみよう。

・物語の続きを書いてみよう。

・「三題ばなし」を書いてみよう。

・オリジナル作品を書いてみよう。(原稿用紙10枚)

 

たとえば、物語の続きを書いてみよう、という課題だと、テキストに物語が途中までのっているので、その続きを書くというものです。

課題は講師に送ると、添削されたものが送りかえされます。講師はプロの作家。

スタッフではなく、プロの作家が目をとおし、添削してくれる通信講座は、なかなかありませんよ。

テキストをつくってくれたのは、牧野節子さん。

このテキストがとてもよくできていて、わたしもやってみたくなりました。

また、一年間の受講期間中であれば、いつ課題をだしていいというのも、うれしいところです。

いそがしい時期ってありますよね。

そういうときははずして、じっくり考えてとりくめます。

この講座、なにも初心者だけが向いているわけではありません。ちょっと書いてるけど、壁にぶつかった人、新しい発想にいきづまった人、自分の書き方でいいのか、確認したい人にもおすすめ。

もちろん、

ちょっとためしてみたいってそのくらいの軽い気持ちでの参加も大歓迎。

まだ、ちょっと先の10月開講ですが、申し込みは受け付けています。

申し込みたい人は、事務局まで、メール、または、電話でどうぞ!

 

 

 

2021/07/11

第49期 日本児童文学学校・感想

2回目の児童文学学校   さいとうえつこ

児童文学学校の参加は2回目で、今回はリモートで参加しています。前回最後の会が、参加できなかったのと、東京まで行かなくても、リモート参加できること。“リモートだと交通費が浮いてお得やん”これは地方の私にとって、“ラッキー!”と参加しました。

前回は東京についたときからドキドキ。教室の熱気に、ワクワク。自分がその場にいるだけでなにかをやったように感じていました。絵本は読んでいましたが、他の児童書は知らなかったので、とりあえずその場で売られている本を買って読みました。

今回は、講師の方の書かれた本を図書館で借りてきて読んでいます。先に読んでいるので、「ああ、あの話だな。はじめはそんな話だったのだ」と言われていることがわかりやすいです。

前回終わったらすぐ帰っていたのが、後の食事をしながらの話がおもしろいとわかり、途中からできるだけ参加しました。講義でわかったと思っていても、自分が腑に落ちないとなかなか自分のものにはなりません。それが後の食事会だったのでしょう。その中で、親しくなった仲間もいて、それが今の自分の励みにもなっています。それがないのは残念ですが、今回質問や雑談タイムをとってくださっています。自分ではうまく言葉にならない時、質問に出たのを見て「ああ、それわかる」と思うことがあります。何度も聞いているようでも、どこで腑に落ちるか、何が自分のものになるかわかりません。

今までは、思いついたことを、書けたことが嬉しかったのですが、自分の作品を講評していただく中で、相手にどう見えているのか、どう伝わっているのか少しは引いて見えてきました。

本やドラマも見る立場だったのが、作る立場になって見ていることがあります。今までとは違った楽しみ方ができるのは、大きな変化だと思っています。

2021/07/09

おめでとうございます!

児童文学学校の扉の向こうに いまたあきこ

 

 はじめまして。このたび、デビュー作「きっと、大丈夫」を文研出版さんから出版していただいた、いまたあきこです。「いつか自分の本を出したい」という長年の夢が叶ったのは、ひとえに日本児童文学者協会の講座を受講したおかげです。

私は幼い頃から書くことが好きで、作家になるのが夢でした。ずっと憧れはあったものの、なかなか一歩を踏み出せずにいたのですが、あるとき児童文学学校のことを知り、思い切って第42期児童文学学校に申し込みました。講座は毎回が刺激的でした。児童文学の第一線でご活躍されている先生方のお話に聞き入り、受講生たちの作品を読み込み、自分の意見を伝える。しかも講座の後には憧れの先生方と一緒に喫茶店で談笑できる(!)。今思えば、この貴重な経験のすべてが、物語を紡ぐ上で大切なことばかりでした。文学学校修了後、42期の同志で同人「よつば」を立ち上げました。現在も2カ月に1度、合評会を行っています。同じ志を持った仲間に出会えたという点でも、文学学校に参加して本当に良かったです。

その後、第62期と63期の創作教室に参加しました。このとき講師を務められた高橋秀雄先生、松本聰美先生、安東みきえ先生、中野幸隆先生には大変お世話になりました。創作教室は色々な意味で本当にすごい講座でした。実力も熱意もある強者たちに囲まれての合評。しかも1カ月に2回の講座なので、書く量も読む量も(1人60枚まで提出できるので……)“半端ない”です。このときの、とにかく書いて、読んで、先生や受講生たちの鋭い意見を胸に刻み(ときにズーンと落ち込み)、受講生たちの個性豊かな作品について考えぬいた経験が、視野を広げ、書く力を伸ばしてくれたのだと思います。創作教室修了後は通信添削講座を受講しました。松本聰美先生にご指導いただきながら、自分の作品ととことん向き合うことのできた貴重な1年になりました。

その後もこつこつと創作を続け、児童文学賞の公募で初めて最終選考に残ったり、「5分ごとにひらく恐怖のとびら百物語」(文溪堂)の公募では入選することもできました。また、高橋秀雄先生のご助力もあって、文研出版さんへ作品を持ち込むこともできました。それから4年ほどかかりましたが、ご担当編集者さまが根気よく、あたたかく導いてくださり、ついに出版することができました。ご助言をもとに原稿を何度も書き直したこと、憧れの黒須高嶺さんが挿絵を引き受けてくださったこと、挿絵のラフ画を見せていただいたこと、表紙や目次のデザインが決まっていく様子。ひとつひとつの過程が本当に楽しくて、ものすごく勉強になりました。たくさんの方のご尽力によって完成した本を手にしたとき、「ついにここまできたんだ」という満足感と、嬉しさと、まだまだ信じられないような気持ちで胸がいっぱいになりました。

日本児童文学者協会の講座を受け、たくさんの人たちとの出会いがあったからこそ、夢を叶えることができました。あのとき、日本児童文学学校のとびらをたたいて本当によかった。心からそう思います。

2021/07/06

第49期 日本児童文学学校・感想

きっかけを逃すな    渡辺啓明

かつて私は人形劇団で役者として舞台に立っていた。美術家が作り上げた人形の表情を読み取り、その人生を感じ取り、私は脚本からとらえたキャラクターをその人形に注入していく。人間であれ、動物ほか何であれ、相手との関係から作り上げていった。そう偉そうに言っても私は演出家からダメ出しが多かった。その都度、落ち込み、それでもめげてたまるかと立ち向かっていった。上っ面の表現では観客に伝わらないし、自分の思い込みで独りよがりの演技ほどつまらないものはない。

 私の作品「片目の雪だるま」もそのような色合いが強かったようだ。講評した赤羽先生は、昭和っぽい世界で現代におかれている子どもの状況のとらえ方が薄いし、鼻血がドバーという表現が刺激的なので柔らかく描くようにということだった。先生は現代の子どもならどう読み、どう感じるかという視点に立って、私の作品を分析している。だけど、先生が述べた内容を反芻し自分に問いかけてみるが、まだ自分なりの方向性が見えてこない。先生の講評と自分の世界とせめぎ合いが続いている。自分の世界が遠ざかるような書き直しはしたくない。ただ先生の講評によって、自分の作品を俯瞰してみるきっかけになった。自分の思い込みで独りよがりになっていないかどうかを探り、読み手の子どもに伝わるように作品をもっと掘り下げていかなければならないことを学ばせていただいた。

 

2021/06/24

おめでとうございます!

月刊絵本の出版に寄せて なみもとあや

はじめまして。なみもとあやと申します。

この度、福音館書店の「月刊絵本こどものとも年中向き」より『てんとうむしくんとかたつむりくん』(2021年6月号)が出版されました。画家のどいかやさんが、繊細でうつくしい絵を描いてくださって、また福音館書店の編集担当者の方にも大変お世話になり、ようやく出版されました。

思いかえせば、わたしが最初に童話を書いたのは、5歳ごろ。おぼえたてのひらがなで、おりがみの裏に、ネコやウサギ、クマなど動物が出てくるおはなしを書いては、母親がホチキス止めして本のようにしてくれました。

 

小学生のころは、いたってふつうの女の子でしたが、宿題の自習勉強ノートに漢字や計算の練習をせず、勉強と称して物語ばかり書いていました。担任の先生に「将来は小説家になったら?」なんて言われたこともありました。

 

自分の書いたおはなしが初めて世に出たのは、福音館書店の育児誌「母の友」に掲載された『あくびだま』(2007年8月号)でした。はらっぱでネコがあくびをしたら、しゃぼん玉のような「あくびだま」が口から出て、ふわりふわりと飛んで、ウサギ、カエル、カバと順番にあくびがうつっていく、というおはなしでした。5歳のころに遊んで書いていたものの延長のようですね(笑)。

 

 子どものころから好きだった福音館書店の絵本は、長男の誕生とともに「こどものとも」と「母の友」の定期購読を始めました。次男、長女と育てる中で、両誌は私の心の支えでもあり、社会に開かれた小さな窓でもありました。

 

 

その後、「母の友」には10年にわたって合計6作のおはなしを掲載していただき、今回とうとう「月刊絵本こどものとも年中向き」として出版された次第です。

『てんとうむしくんとかたつむりくん』の物語のテーマは、「ちがいを認め合う」ということ。晴れの日が好きなてんとうむしくんと、雨の日が好きなかたつむりくん。どうすればいっしょに遊ぶことができるでしょう?

おたがいの「ちがい」を知り、相手のことばに耳を傾けながら対話をすること、だからこそ広がる世界。そういうものをテーマにしています。

単行本として出版されたわけではありませんので、デビューと言えるのかどうかは分かりません。でも、この状況下で、多くのガマンを強いられている子どもたちの心に、少しでも明るい世界をとどけたい。てんとうむしくんとかたつむりくんといっしょに、物語の中を旅してもらえるとうれしいな。そう願う毎日です。

 

 

なみもとあやさんは、第49期 日本児童文学学校をオンライン受講されています。

2021/06/10

おめでとうございます!

落選続きの僕がデビューするまで 南田幹太        

 この四月、佼成出版社から『ぼくの師匠はスーパーロボット』でデビューした南田幹太です。五月には、二作目の『Surf Boys 伝説になった12歳の夏』をPHP研究所から出すこともできました。

 僕は児童文学学校の44期生です。今、49期ですので5年前の今頃、高田馬場の日本児童教育専門学校に月に一度、通っていたことになります。

 僕の児童文学歴を簡単に紹介すると、書き始めたのは2014年からです。44期は2016年ですので、その間の二年間、様々な児童文学賞に出品しては、落ち続けました。

 2016年は少しばかり幸運が続きました。福島正実記念SF童話賞で最終候補に残りました。北日本児童文学賞では、優秀賞を受賞しました。以前、書いて同人誌に発表していた「どんま」という作品が、中央大学付属中学の入試問題に採用されました。

 児童文学学校の授業は実践的であり、先生方からは多くの教えを受けました。この調子ならば、すぐにデビューできると思わなかったといえば、嘘になります。

 ところがそこからが長かったのです。相変わらず多くの文学賞に応募を続けていましたし、さらに出版社への持ち込みも始めました。ところが賞は落ち続け、持ち込みは不採用のみ。正直、腐りそうになりました。そんなとき励みになったのは、児童文学学校で出会った仲間たちです。

 先ほど同人誌の話題に触れましたが、入っていたのは大人向け小説の同人誌でした。できれば児童文学の仲間も欲しいと思っていたのですが、そのときの事業部長であり、児童文学学校の講師でもあった中野幸隆先生にその旨を相談すると、ご本人が所属する「牛の会」という同人に入らないかと誘ってくれたのです。それがきっかけで牛の会に入り、その後の僕の執筆活動の、心強いバックアップとなりました。

 それからは牛の会の皆さんから、アドバイスや叱咤激励を受けながら、2019年の日本児童文学者協会長編児童文学新人賞で佳作を受賞することができました。しかし佳作では書籍化されず、その後も暗中模索は続いたのですが。

 そしてようやく今年、持ち込みをしていた佼成出版社とPHP研究所から、二冊の本を出版できるところまでこぎ着けました。デビューまでに応募した文学賞と、持ち込みの数の合計は、ゆうに50は下らないように思います。

 そんな僕にとって、児童文学学校から受けた恩恵は計り知れないものがあります。もし入学していなかったら、きっと諦めて、児童文学から逃げ出していたのではと思ったりするほどです。

 

 

2021/06/07

第49期 日本児童文学学校・感想③

物語がつなぐ「縁」 池村匡哉

 一つのことを続けるのは、困難なことだと思います。
 
 物語の執筆は、ときに孤独な作業です。
書き続ける上で、先輩がいてくださること、共に書いている仲間がいること、〆切というゴールが用意されていることは、心強いのではないでしょうか。
 
 今期、児童文学学校がリモートで開催されると知り、遠隔地からも参加できるとのことで、参加の決意をしたのが春先のこと。
先日、2回目の講義と自作の講評をしていただきました。
 
 とても緊張して臨んだのですが、丁寧かつ具体的に、自分では気がつけない文章のポイントをご指摘くださり、参考となる作品までご教授いただきました。
 石津先生の豊かな執筆体験、赤羽先生の丁寧なご指導と、あっという間の2時間でした。
 終了後はグループに分かれての参加者同士の交流会の場も用意していただき、各位がどんな思いで書いているかを知ることができたのも楽しかったです。
 
 講義と講評をいただき、参加者の皆さんとお話をして、僕はなぜ文章を書きたいのだろう、と考えるようになりました。
楽しいから、だけではなくて。自分が感じていること、思っていること、それを誰かに届けて、その人の力になれたらいいなぁ、と思っているみたいです。
 
 二十代のころ出会い、今も覚えている言葉があります。
書きたいと思う人が一万人いたとしたら、書き始めるのはその中の千人で、書き続けるのはその中の百人で、書き終えられるのはその中の十人もいない。だから、書き続けてください、と。
 
 それからさまざまなご縁に助けられ、書き続けられていることを実感します。何より、こうして学びの場を作ってくださったこと、そして先輩と仲間が居てくださることが、今、自分の書き続ける力になっていると思いました。
 
いただいた講評と、書き続ける力で、9月には別の作品を再提出するつもりです。
2021/06/04

第49期 日本児童文学学校・感想 ②

第49期文学学校に参加して くまや なずな

 一昨年の春は都合がつかず、文学学校に申し込むことが出来ませんでした。秋には文学学校が開校されないので、70期創作教室に参加しました。

 創作教室は、作品の提出が出来れば初心者でも受講可能とあったので申し込んだのですが、全くの初心者は私一人でした。春の文学学校を受講された方々の他は、もう何年も書いていらっしゃる方々ばかりでした。私なりに頑張って作品を書いて提出してはいたのですが、基本的な事を全くわかっていないで、ただ書いているだけだという気持ちが強くなり、半年の創作教室が終わったら文学学校に参加したいと考えていました。

 ところが昨年は文学学校は中止となり、この春の49期文学学校の受講となりました。

 4月初回は、これを学びたかったという内容そのものの講座でした。創作を書くための基本を教えていただきました。設定、舞台、キャラクター、起承転結など、創作教室を受講中に提出作品をただ書いていただけの私に足りなかったことばかりでした。

 第2回目は、詩について、色々お話が聞けて良かったです。私は詩をずっと書いてきているのですが、創作よりも公募の機会が少なく、残念に思っています。

 そして、この回では、私の提出作品に講評をいただきました。講評は、気づきをいただけるので、本当に嬉しく思います。他の方の作品の講評を聞かせていただくのも、とても楽しみです。自分とは全く異なる世界を書かれた作品にまた異なる切り口の講評を聞かせていただけるのは新しい学びになっています。

2021/06/01

おめでとうございます!

第47期 日本児童文学学校や、創作教室を受講された酒井和子さんが、第20回長編児童文学新人賞、佳作を受賞されました。

おめでとうございます。いつも、楽しそうに受講されていたすがたが印象的でした。

コロナの感染で不安な春ですが、たくさんの元受講生の活躍のニュースにとてもはげまされています。

 

エネルギーをいただいて  酒井 和子

文学学校の開校日の緊張は忘れることができません。一体どんな世界で、どんな方々がいらっしゃるのだろうと、エレベータの中でドキドキしていました。

 この時出した「お薬師様」を講評していただいた感激が励みとなってその続きを書き、次いで受講した創作教室で合評していただきました。

 それが今回「長編児童文学新人賞」の佳作をいただいた『竹の風音』です。

 鎖国政策で情報が制限されていた時代、海の向こうの言葉や学問に接して好奇心を抑えられない貧しい職人の娘の話です。「女のくせに」と拒絶されながらも情熱を持ち続け、明治の新しい時代の担い手の一人として次代へとつなげていきます。

 はじめて手がけた時代もので自信がなく、果たして児童文学として通るだろうかと心配でしたが、自分ではその判断すらできません。設定した主人公の少女「かつ」がどんどんわが道を進むのを必死で追いかけ、また悩み戸惑うのに寄り添って夢中で書き続けました。

 「創作」という行為は一人でこつこつと原稿用紙を埋めていく孤独な作業という印象を持っていました。ですが、一人で書いているとすぐに限界がきて、どうしてもパターン化してしまいがちです。設定した人物やテーマへの思い入れが強すぎて一人よがりに陥るおそれや、最悪の場合、投げ出してしまいたいという誘惑に負けて未完に終わってしまう可能性もあります。

わたしは忍耐とか、こつこつ努力するということが苦手で、何にしてもいつも最後までがんばりきれません。それゆえ、文学学校や創作教室で同じ道を目指してひたすら邁進する方がたと出会えたことはとても大きいと思います。教室に入ったとたん包まれるあの雰囲気、席についただけで上がってくる心地よい緊張感。そして自分の世界を追及している仲間の情熱。厳しさはやさしさだと気付かせてくれる批評。これこそが自分の作品に向かい、推敲し、書き直し、書き上げるまでに要する膨大なエネルギーを持続させてくれるのだと思います。

今回うれしい通知をいただいたとき、まっさきに思ったのは「エネルギーをいただいた」おかげだということでした。

わたしは今72期の創作教室で学んでいます。ステイホームが余儀なくされる中、オンラインであれリアルであれ、教室のエネルギー量はますます高く、圧倒されています。

これからもそんなエネルギをーいただき、進んでいきたいと思います。

 

2021/05/12

第49期 日本児童文学学校・感想

 実感を得られる場所  丸野永史

 
作品を書いて公募等に出してみても、落選ということがわかるだけで、自分の書いたものを誰かが読んだという実感がないまま過ぎ去っていく。
なにかしら受賞でもしないかぎり、その実感は得られないのだと思っていた。
でも、読んでもらった実感がないままでは、作品がいいのか悪いのか、むしろ書いていていいのか悪いのか、それすらわからなくなってくる。とてつもなく無駄なことをしているんじゃないかと思うこともある。
同じようなことを感じている人も多いのではないか、むしろそういう人のほうが多いはずだ、でもそのはずなのに、そういう人と会って話すことはない。
一度そういう人に会って、はなしてみたい。できれば受賞した人とも話をしてみたい。そうしたら、なにか実感を得ることができるのではないかと思っていた。
だから、教室の中に入った時、この中にいる人たちは皆、なにか書いている、自分と近しい気持ちを持った人かもしれない。
しかもスタッフや講師はかつて受賞し、デビューし、一線で活躍する作家たちだ。話をしてみたかった人達がこんなにいる。とてもワクワクした。
田部智子講師も、デビュー前はやはり自分と似たような事を思い、考えたとおっしゃっていた。一線で活躍する先生方、受賞するような人にもそんな時期があって、でもそこから強い気持ちをもって今の場所までいったのだ。
教えていただいた創作を続けていく為のノウハウには、自分の作品がいつかだれかに届く日が来るかもしれない、その可能性に向かうための方法、そのきっかけをもらったみたいで勇気がわいた。
作品講評では、自分の番が近づくと緊張と不安で手から血の気が引いた。
でも、わかりにくいだろうなと思っていた、自分の作品の中の仕掛けに開隆人講師は気がついてくれた。
目の前で、その仕掛けについて解説してくれている。そして自分の作品について、この場の全員が話をしている。確かにこの場にいる全員がちゃんと読んでくれている。それがすごくうれしかった。
日本児童文学学校は、読んでもらえた実感、書いていてもいいんだという実感、そして書くことは先へ続いているのだという実感を得られる場所でした。
 
開校直前での三度目の緊急事態宣言。開校日がまさに宣言期間の初日となりました。主催する側の関係者の皆様は本当に大変だったと思います。なにしろ開校直前だったので時間がない。大変難しい判断だったと思います。それでもこの機会を守っていただいた事に本当に感謝いたします。
2021/05/06