講座ブログ

日本児童文学学校・感想④

47期、第1回の受講を終えて。  中山あすみ

 

 私が児童文学学校を受講させて頂くのは今回で2回目です。ですが初日の皆さんの自己紹介を聞いて、その熱意に驚かされました。講評作品も世界観を持った作品を出されていて、意見の出し合いも活気があり、皆さん読む力があるなぁと感じました。1日に本を2冊読むようにしているという方もいて、やはり本が好きなんだなぁ、私も沢山読もう、と刺激を受けました。
 赤羽先生の授業では、経験に基づいた同人誌活動やデスクティーチャーでの子供達の発想の面白さ、出産したお母さんたちと絵本を作った話など実体験のお話が聞くことができ勉強になりました。そしてなんだか元気も頂けました。
 田部先生の作品講評では、キャラクターのテンションをグラフで書いて説明して下さったのが参考になりました。
私もキャラクターの動き、感情を考える時に、グラフにして考えてみようと思います。


 私は本を読むのは好きですが、実は文章を書くのは苦手です。元々は絵を描いていて、三、四年前に絵本を作りたいと思い勉強を始めた時に、絵本にも文章力が必要だと感じ、児童文学学校の門をたたいたのが勉強したいと思ったきっかけです。
 そして児童文学を学ぶうちに、文章だからできることや文章で読み手の想像力を使って世界を紡ぐというのが、とても面白いなと思うようになりました。
 これから半年間、宜しくお願い致します。

 

2019/05/14

日本児童文学学校・感想③

第47期 初日の感想  藤村メイ子

 子どもと絵本が大好きで、子育て支援センターや小学校で読み語りをしていました。数年前から少しずつ物語を書きはじめ、投稿するようになりましたが、全くかすりもしないので、「これはちゃんと勉強したほうがよい」と、勇気をだして47期文学学校の門をたたきました。

最初は赤羽じゅんこ先生の講義でした。児童文学とは?の“きほんのき”から、おはなしのたねの見つけ方、絵本的な文の作り方、作家になるまでのエピソードなど、ユーモアを交え、先生の気さくなお人柄に、緊張がほどけるとともに、これが私の初心の学びだと思いました。特に私に印象的だったのは、「ファンタジーこそリアリティが大切」ということでした。

後半の田部智子先生は、受講生作品の講評で、初日早々私の拙作もありました。田部先生はもちろん、受講生の方々からたくさんのご意見、感想、つっこみ、アドバイスをいただき、ドキドキハラハラしましたが、「これこそ私がここへ来た理由だ」と研鑽に努めようと気持ちを新たにしました。ここでも、ファンタジーこそ、設定はリアリズムを徹底しなくてはいけないこと、魅力的な存在を生かすためには、頭の中に第三者をおき、なんども声に出して読むことの大切さを学びました。

 受講生の方々は、若い学生さんから私のような中高年まで、年齢も立場も目指す分野も違えど、児童文学への熱い思い感じ、背筋がピンと伸びる思いでした!

 

2019/05/09

日本児童文学学校 卒業生より

児童文学学校での出会い  岩渕ともき

 

 第37期児童文学学校を受講させていただきました。2009年のことです。修了後、受講生の有志が集まり、同人活動をはじめました。会の名前は、「さなぎの会」。37期の語呂合わせと、いつの日か成虫となって飛び立ちたいという、自分たちの夢と希望をこめての命名でした。毎月作品を持ち寄っての合評会を続けて、今年で10年。同人誌は、来月10号を発行する予定です。

 「さなぎの会」は、同じ志をもった仲間が集まる文学学校があったからこそ、実現することができました。もちろん、講師の先生方にはいろいろな事を教えていただき、たくさんの刺激を受けることができました。でも、振り返ってみると、「出会いの場」を与えていただけたことが、なんといってもありがたかったように思います。「さなぎの会」は、文学学校で講師をされていた中野幸隆さんに多大なるサポートをいただいています。中野さんとの出会いも、文学学校があったからこその縁でした。出会いということでは、講座が終わってからの懇親会が、自分にとってはとても大切な場でした。確か、そこでいろいろな人と知り合いになりたくて、お手製の名刺を作ったのでした。

 新しい時代も、仲間とともに歩んでいけるということは、とても心強いことです。すべてはあの時文学学校に参加させていただいたおかげ、と心から感謝しています。

 

2019/05/06

日本児童文学学校・感想②

第47期児童文学学校  酒井和子    

 

 高田馬場駅に着いたのは11時21分。電気が消えた教室を出て、近くのカフェで時間をつぶし、1時間後に行ってみると、教室は賑やかで、楽しそうな会話が交わされ、まるで同窓会のような雰囲気に。一気に心が和み、隣の席の方とおしゃべりしながら開始を待ちました。始業のベルが鳴るころには、教室は満席となりました。

 前半は赤羽じゅんこ先生が受講の心構えとして「自分でつかみ取っていく」姿勢についてお話したされた上で、児童文学のジャンル、対象年齢による区分け、児童文学に求められる要素をわかりやすく解説されました。また、ご自身の作家に至る経緯のお話には、先生のお人柄がしのばれ、興味深く伺いました。その中で、家庭とお仕事の両立に苦慮されたことなど、身につまされる思いでひたすら聞き入りました。

後半、田部智子先生による受講生作品の講評に移りました。どの作品にも意見や感想、アドバイスが受講生から次々と寄せられました。各作品に付箋を貼って用意してきた私の感想はみなさんが言ってくださり、手を上げるまでもありませんでしたが、率直な感想や議論ができる場であることが何よりもうれしく、次回からは発言したいと思います。

田部先生のご講評は、各自の原稿をもとに「物語のメリハリのつけ方」「魅力的なキャラクター作り」「不滅のテーマへの挑戦」といった、受講生の共通の問題項目を浮かび上がらせ、解き明かしてくださるというものでした。おかげで、他の方の作品から何を、どのように学ぶのか、そしてそれが自分にどう応用できるのかを知り、とても参考になりました。

 時間が経つにつれ、熱意が熱意を呼び、教室の中は息苦しいほどに。その後の交流会で、今期の受講生の活発さと熱心さを講師の方も驚かれ、喜んでいるとのお話に、ちょっとプレッシャーも感じましたが、講座の最初で教わった「自分でつかみ取っていく」という姿勢を忘れず、大勢の方々との今後の語らいを楽しみに、励みたいと思います。

 

 

2019/05/01

日本児童文学学校・感想

日本児童文学学校を受講して  斎藤恵津子

 

“駅から歩いて3分”というのがくせ者で、いつも時間のかかる私は、スマホを片手に、工事をしていたオッちゃんに聞くと、目の前でした。

「こんな所があれば行きたいなぁ」と楽しみにしていた文学学校だったので、一つ一つの話が、体にしみこんでくるようでした。
 私は今まで読む人だったのが、書いてみて、作品を書けたということに満足してしまっていました。ひとりよがりにならないで、読者にわかってもらう、おもしろがってもらうことが必要なのだとわかりました。
何となくそうだろうなとは思っていましたが、やっぱりそうなんだの連続でした。
 自分が体験したこと、思ったことはかけても、やっぱりお話をつくることは無理だと思ったこともあります。今回、赤羽さんのお話の中で、子どもをおもしろいと思える人は児童文学を書ける。ということばに力を頂きました。周りの人を観察するのも才能の一つだとおしゃられていて、私は人間観察が好きだなぁと思いました。子どもは大人には答えがわかっているようなことも、短い経験の中で、精一杯考えて、思いもよらない答えを返してきたり、本当におもしろいです。
 基本的な書き方も知らず、見よう見まねで書いていたので、原稿も書き方を比べられて、違いに納得し、読む方の大変さもわかりました。
 飲み会が気になりつつ、私にはとても有意義な1日でした。ありがとうございました。
                      

 

2019/04/26

日本児童文学学校・報告

第47期 始まりました! 松原さゆり

 

 いよいよ第47期日本児童文学学校が始まりました。

 今年の受講生は33名。教室がいっぱいになりました。昨年楽しかったから、また申し込んだといってくれた方もいました。皆さん、ワクワク、ドキドキの期待と緊張の様子です。

赤羽じゅんこさんの講義では「さあ、勇気をだして、殻をぬいで、あなたの物語を書こう!」と熱く呼びかけていました。実践的なテクニックとして、ワークシートを使った創作方法を話されました。また、グレードでおさえておく事、発想をかいていれておくアイデアボックスを作る事など話され、受講生は熱心にメモをとられていました。ご自身の現在にいたる創作体験では、会場に笑いがあふれていました。

 田部智子さんによる作品講評は、今回三作品。それぞれの作品に、受講生から積極的にたくさんの手があがりました。皆さん、とても意欲的に作品を読みこんでこられていて、おもしろかったところ、気になったところ、感想などを話されました。これは今後にも期待です。

田部智子さんは、魅力的な設定を生かすキャラクターの作り方の大切さを話されました。作品内では、動物のイメージに頼るか、こわしてキャラクターを作るかなど、ファンタジーでは不思議な存在が子どもにイメージしやすいものになっているかどうか、などです。また、リアリズムの作品では、物語の底に流れる心情も書いてあげてと話されました。

講義の後、希望者に残ってもらいフリートークの時間をもちました。スタッフをまじえ、自己紹介をし合いました。地方からも新幹線や高速バスで、来られている方もいらっしゃいました。

 第47期、活気あるスタートでした!

 

 

2019/04/24

おめでとうございます!

小さな奇跡     水凪紅美子

 

 数年前まで、ずっとひとりで、ぽつぽつ書いていました。

 作品を見てもらうのは、身近な友人くらい。公募に挑戦はしていましたが、落選ばかり。無人島の浜辺に座って、ガラスびんに入った手紙を海に放っているような、そんな心もとない日々でした。

 一大決心をして(魔がさして?) 実作通信講座を受講しましたが、最初の講評を見るのが怖かったこと! でも、優しい講師の先生が思いがけず褒めてくださって、本当にほっとしたのを覚えています。

 次の年の講師の先生は、原稿にがっつり赤を入れてくださり、句読点の打ち方もちゃんとしていないこと、変な書き癖があることに気づいたりで、顔から火が出る思いでした。

 ひとつの作品にじっくり取り組み、何度も書き直すよう指導して下さった先生もいましたし、最初に、趣味で書くのか、プロになりたいのか、覚悟を問う先生もいらっしゃいました。そして、私にはどの方の指導も、本当にためになり、はっとさせられるものでした。

 そして今回、思いがけなく受賞させていただいて、私にとってはガラス瓶に返事が入って戻ってきたような、奇跡の瞬間に思えました。

 自分の作品を批評されるのは怖いものです。でも、得るものはきっとあります。あなたにとっての奇跡の瞬間が、訪れるかもしれません。

 

今回は、第35回日産 童話と絵本のグランプリで、みごと大賞を受賞されました水凪絵美子さんに寄稿していただきました。

大賞の受賞、本当におめでとうございます。これを機にますますのご活躍をお祈りいたします。

グランプリのホームページ、こちらから見られます

 

2019/04/22

児童文学学校から創作教室へ

児童文学学校から創作教室へ   琴森雪湖

 

児文協の講座にはもう行かない!――昨年の9月に第46期児童文学学校を修了した時、帰りの新幹線でそう思いました。悔しくて。

いくつも公募を落選、いえ、玉砕し続けていた私は、まさに藁をもすがる気持ちで文学学校に申し込みました。受講してみると、すがろうとしてつかんでいたものは、藁などではなく金銀の財宝。学んだことや先生や受講生の方々との出会いは、私の心の中の「創作の部屋」にしまわれ、意欲を高め、アイデアを引き出し、推敲するときのチェック機能を担いはじめるようになりました。次のステップとしての創作教室は、当然のことながら受講を、と思っていたのですが……。土曜日。しかも月に2回。個人的な事情でこの物理的な条件がどうしてもクリアできず、断念するしかありませんでした。

しかし、やはりあきらめることができず、いろいろいろいろ……の結果、この度、第69期創作教室を受講させていただくことが叶いました。

4月6日、初日。中島ビルに着き、まずはエレベーター前におられた何者かの像にお辞儀をして手を合わせました。5階に着くと重々しい鉄の扉を小さくノック。そおっと開けると、講師の先生や受講生の方たちの姿。なによりもみなさんを囲む児童書の山!ドキドキがワクワクに変わった瞬間でした。その後の活発な合評会は、創作に関する具体的なことに踏み込んだ、それでいてあたたかな講師の先生のコメントに支えられ、とてもなごやかな雰囲気の中で行われました。

 児文協の講座に来たかった!――素直にそう思えることが、うれしいです。

 

2019/04/11

おめでとうございます!

創作教室、第55期(途中から)から第58期を受講された森埜こみちさんが、児童文芸家協会・新人賞を受賞されました。

おめでとうございます。

作品は『わたしの空と五・七・五』講談社 です。

森埜こみちさんは、3月7日に創作教室を受講された頃のことを、講座ブログに書いてくれています。

あわせてみてください。

2019/04/07

トークショーに参加して Ⅲ

扉の前に立つ 渡辺 朋 (第10回大賞受賞)

 

デビューというとてつもなく大きな扉がある。私がこの扉をくぐれる日は来るのだろうか。扉の前で、そう思ってた。

現在、私はまだデビューはしていない。今も扉の前にいる。一応整理券をいただけたようだが、扉を開くにはまだいくつもの試練が待っている。そんな私が、一日講座の中で、「公募までにした三つのこと」というお題をいただいた。

恐縮しながらも、受賞を目指す方々に少しでもお役に立てることを、と思い、私なりに頑張って話したが、うーん、当たり前のことだったかしら、偉そうだったかしら、と、終わった後も、一人反省をしている。振り返れば、大賞をいただく前の年も、その前の年も、私としては「これだ!」という作品を応募し、そして落ちた。その違いも分からないというのに。とにかくもう、いい絵本を作るしかないのだが、扉は頑丈だ。

でも、どうやらデビューの扉をやっとのことで開けたとしても、次から次へと扉は続いているらしい。もしかして地獄の入口だった?

創作の先輩方は、いつだってそんな扉の前に立って、「この扉を開いてやる」とにらんでいる。挑戦している背中は眩しい。

私はまだ一枚目の扉の前。不安もあるが、体当たりでぶつかっていくしかない。

そんな思いにしてくれた一日講座でした。

 

 

2019/04/05