講座ブログ

日本児童文学学校・感想 10

47期 4回目を受講して    村田紀子

 

 昨年秋、「子ども向けの読み物を書いてみたい!」と思い立ちました。でも、どんなふうに書いたらいいのかわかりません。ネットサーフィンをしていて見つけたのが、児童文学学校です。

受講して驚いたのは、女性が非常に多いこと。受講者の9割以上が女性です。とくに多いのが、私も含めた50~60代でしょうか。私は女子高出身なので、同窓会に来たような錯覚に襲われました。一方、男性は数人しかお見かけしません。でも、積極的に意見を言って、確かな存在感を示しています。

 4回目は、白シャツの好青年、辻貴司さんが提出作品を講評してくださいました。辻さんは41期の受講生で、創作教室を2回受けたそうです。そして2016年、『透明犬メイ』で第33回福島正実記念SF童話賞を受賞し、デビューなさいました。『透明犬メイ』は、犬好きにはたまらない可愛いお話です。

辻さんは、私たち受講生を仲間と位置づけ、親身なアドバイスをくださいました。とくに印象に残ったのは、「最初は、自分が書きたいことを書きたいように書けばいい。たくさん書くことで、自分の色、文体ができてくる」です。

 後半は、「魅力的なキャラクター」について、石川宏千花さんが話してくださいました。石川さんは独特の雰囲気を持つ素敵な女性で、「吉祥寺に住んでいるのかな?」などと想像しました。

 石川さんの場合、物語が先で、書きながらキャラクター(人物像)をつくっていくそうです。「キャラクターを細かく設定してしまうと、物語に都合のよい人になってしまう気がする」と話していました。そのほか、“創作上のヒミツ”を惜しげもなく披露してくださいました。ありがとうございます。

 おふたりの話を聞き、作者の好きなことや好きなものが作品の個性になっているとわかりました。道のりは遠いけれど、いつか自分なりの作品が書けたら……と思います。

 

 

2019/08/04

日本児童文学学校・報告

 第47期  4回目です!  松原さゆり

   

東京は梅雨明けはまだですが、心配していた台風はそれて青空が見えました。

今回は、石川宏千花の担当編集者の方が参加してくださり、ビジターでこの日だけの参加の方も数名いました。

 

石川宏千花さんの講義は、「魅力的なキャラクターとは?」でした。

 すてきな登場人物が描かれている表紙などをプロジェクターでうつしての話を、受講生の皆さんは熱心に聞いています。

また、講義を聞くだけにはとどまらず、質問にたくさんの手があがり活気がありました。石川さんも一つ一つの質問に、とてもていねいに答えられています。

「石川宏千花さんの独自の感性が光るご本が大すきです」と熱いラブコールもありました。

 

辻貴司さんは4作品の講評でした。

辻さんは文学学校をへてデビューなさっているので、講評も「こうすればよりよくなるのではないか」「どう思いますか?」などと、皆さんによりそった感想やよびかけでした。そして皆さんからの意見や感想もたくさんありました。

デビューしたいきさつなどの話もあり、「どんどんチャレンジして、ぼくに続いて下さい」と、辻先輩から受講生への応援メッセージもありました。

 

 フリートークは、前回に続いて、おすすめの1冊をしました。

 今回もジャンルにとれわれずにいろんな本の紹介に、皆さんは興味をひかれた様子でした。

 

 

2019/07/30

第70期創作教室 八月募集開始

日本児童文学社協会の人気講座、創作教室が八月から新規の募集を開始します。70期の教室は10月開始です。

jibunkyo.or.jp/old/index.php/course/archives/42

こちらは、月二回、ふたりの講師と受講生との合評会形式で作品を読みあい、いいところ、悪いところをアドバイスしあって、それぞれの作品をブラッシュアップしていきます。

わたしも講師をしたことがありますが、熱い講座ですし、たしかな実力がつきます。ぐんぐん受講生がうまくなっていくのがわかり、講師側もはげまされる、そんな講座です。

定員は17名。会場の日本児童文学社協会の事務局にすわれるだけの人数。

最近は、満席が続いています。

一般の募集は、八月から。

70期の講師は後藤みわこさんと最上一平さん。

どちらも実力も人気もかねそなえた、ほこれる講師です。

デビューをめざす方、学び直しをしたい方、とにかく書くのが好きな方、ちょっとかじってみたい方、などなど

八月、申し込みをお待ちしています。  事業部部長:赤羽じゅんこ

 

2019/07/19

日本児童文学学校・感想 ⑨

47期  3回目を受講して  こまきまこ


今回の講座は、3月に提出していた自作の合評があるので、うなだれてのぞみました。それは、締め切りぎりぎりに、よく読み返しもせず作品を提出してしまっていたからです。

そんな気持ちもよそに、最初の高田由紀子先生の講義は、「ビター・ステップ」の感じとは違う若々しく清楚な雰囲気で始まってしまいました。
まず、デビュー作を「まんぷく寺でまってます」にしたいきさつなど話され、そしてとうとう合評会へ。
前の3作は完成度が高く素晴らしい作品ばかりでした。そして私の愚作…。
アドバイスいただきありがとうございました。書きたいことが先走り、読者にどう受け取られるか念頭になかったと思いました。
高田先生も、おすすめの本や作中の小物のことまで調べてきてくださっていました。構想の立て方、主人公のエピソードの作り方などとても参考になりました。特に、私は気持ちの伏線をはって、読者にも同じ感情を持たせるというところにはっとしました。

次の大御所の内田麟太郎先生は、ミニオンの黒Tシャツという意外ないでたちの登場でした。
数々の作品の中から、スライドショーで「とりづくし」「うし」などを読まれて、笑いがおきました。言葉の呪縛を解いて、意味をバラバラにすることによる笑い。ユーモアとナンセンス。
また、岡本太郎からマチスまで話され、「さかさまライオン」の色彩はこうして生まれたのかと納得しました。

高田先生も研究熱心ですが、内田先生も「いいかげん」と言いながら、作家になる時は沢山勉強されたそうです。日々精進と思いました。
愚作を提出してしまった恥ずかしさと、やる気を胸に刻んだ3回目の受講でした。

2019/07/04

日本児童文学学校・感想 ⑧

47期 第3回目を受講して  飯田紀子

 

児童文学学校講座もあっという間に3回目。普段、仕事に追われ、児童文学の話を聞くことが無い私にとって、この講座はとても貴重で楽しい時間です。

授業中はいつもながら積極的に手が挙がり、皆さんのやる気に刺激を受けます。今回は、講評・高田由紀子さん、講師・内田麟太郎さん。最後のフリートークではスタッフの皆さんからオススメ本の紹介がありました。それぞれ違った視点のお話で、且つ、この講座でなければお伺いすることが出来ない内容でとても勉強になりました。

高田さんの講評は、とても実践的。自分が書いているストーリーに参考になることもたくさんありました。例えば、私は自分が書いたストーリーは主人公の説明が長すぎると悩んでいました。が、「主人公の仕草や行動で、主人公の性格を表すことが出来る」という高田さんの一言により、あ、これが自分に不足している点だ!と気づかされました。その他にもストーリーの縦軸と横軸の考え方など、俯瞰して考えることの大切さも知り、すぐに取り入れたいと思いました。

可愛いミニオンのTシャツを身にまとった絵本作家の内田麟太郎さんは、登場された時から絶対に面白いお話が伺えそうな予感がしていました。「いい加減の大事さ」や駄洒落・ナンセンスな表現に関するユーモアたっぷりのお話はとても面白かったです。しかし、ただ面白いだけではなく、お話からは、背景に存在する芸術や物事に対する幅広い知識・思いを感じました。既存の考えを吸収し、バラバラにし、作り出された内田さん独自の作品は、講義でもお話しに上がった『自由と多様性』そのものだと感じました。私もいつかそういった作品を作ってみたいと強く思いました。

最後のフリートークでは、キラキラした目で好きな本について語る皆さんの表情を見ながら、本ってステキなものだなと改めて思いました。次回も楽しみです!

 

2019/06/29

日本児童文学学校・報告

 第47期 3回目です!  松原さゆり

 

梅雨です。

空が重く灰色の雲でおおわれていて、お休みの方もいつもより多い日でした。

講師の内田麟太郎さんは。スイカを食べているミニオンのTシャツを着ての登場です。

もう最初から最後まで親しみやすい話し方で、プロジェクターをつかって、詩や画像をうつしだして、講義をしてくれました。なんども笑いがおきました。

内田さんは看板職人をなさっていたのですが、二日酔いではしごから落ちて大けがをしてしまい、それをきっかけに「たまたま」子どもの本の世界に入られたそうです。

この「たまたま」がみそで、ご自身の絵本でも「たまたまじゃない」とか「たまげた」など、「たま」をつかった言葉をおちとして、脱力するずっこけにつかったりしたそうです。

内田さんのユーモアたっぷりで、頭を空っぽにして「ワハハ!」と、大笑いできるような素敵な絵本のひみつが伝わってきました。 

 受講生たちには「型にとらわれないで、のびのびと作品を書いて下さい」と、エールをおくってくれました。

 

高田由紀子さんの、四作品の講評では、皆さんからの意見や感想のあと、それぞれに参考となる本の紹介がありました。また、作品の長所と短所の具体的指摘と、それにともなうキーワードをボードに書き、それを皆さんは熱心にペンをとっていました。

今年からはじめたフリートークでは、事業部員がそれぞれの「わたしのおすすめの一冊」を紹介しました。司会の開さん、辻さんのコンビがいい味をだしていて、なごやかな空気がながれました。

 

2019/06/26

日本児童文学学校・感想 ⑦

47期2回目を終えて  高宮久美子

 5月26日は、第2回目の児童文学学校でした。この日は私の作品の講評もある日で、朝から何をするにも落ち着かずそわそわしていました。けれども、山口理先生の作品を電車で読みながら教室に向かっているうちに、講評への不安とは別に、講義へのわくわくした気持ちが増していったような気がします。

 

さっそく、教室のいちばん前の席で開隆人先生からの講評をいただきました。今回は4作品の講評がありましたが、自分の作品だけではなく、ほかの方の作品からも学ぶことが非常に多くありました。特に、登場人物のバックステージをよく膨らませ、「作品世界をストイックに構築していくことが大切」というお話が印象的でした。書いて書いて、登場人物を愛していくと、登場人物の声が聞こえてくる・動き出す、そこまで追求していくのだ、と教えていただきました。開先生のお話から、作品への姿勢や、読者となる子どもたちへの愛情が伝わってきて、児童文学の魅力を再認識し、「やっぱり書きたい!」という自分の気持ちを改めて感じることができました。

その後の山口先生のストーリー展開についてのお話からも、まさに自分に足りない、物語を書くにあたっての基礎を教えていただきました。

 

私は4年前にも文学学校を受講していて、今回2度目の文学学校なのですが、先生方に直接指導していただけるこの時間はなんて贅沢なのだろう!と受講するたびに感じます。この貴重な時間をしっかりと自分のものにして、どうしても諦められない児童文学作家という夢に近づいていけたらと思っています。これからもよろしくお願いいたします。

 

2019/06/11

日本児童文学学校・感想 ⑥

47期第2回を受講して  小野 光子

 

 先月とはうってかわって、まるで真夏のような暑さのなか、第2回目の講座に行ってまいりました。教室の中はもちろん、外にも負けない熱気でむんむんでした。

 まず前半に四名の方の提出作品を、開隆人先生が講評してくださいました。「この作品のここが素晴らしい、でも、ここをこうすればもっとブラッシュアップできる」という具体的なアドバイスから、児童文学を書く上での精神的な根源の部分まで、本当に盛り沢山な内容で、メモを取る手が追いつかないほどでした。特に私が感銘を受けたのは「児童文学の役割は文明の推進である」という言葉です。今までそんなふうに考えたことのなかった私は目が開かれた思いでした。

 そして後半は山口理先生が、ストーリー展開についての講義をしてくださいました。書き出す前にプロットをたてる事がいかに大切か、取材はどうするのか、題材はどうやって見つけるのかなど、ご自分の作品や体験を例にあげながら、時に熱く時にユーモアを交えつつ、暖かくわかりやすく教えてくださいました。ここでも忘れられないのが「メッセージを念頭において書くのが児童文学の使命である」という、先生の言葉でした。使命!そうなのです。自分がいままでいかに「児童文学を書く」ということに軽い気持ちであったか、この言葉を聞いて深く恥じ入りました。この言葉は決して忘れまいと思います。また、講座終了後の茶話会では、やはり山口先生が「映画や漫画、ドラマや舞台など、本以外のことを楽しみ、吸収して、多角的に物事を見なければいけない」というお話をしてくださり、それにも強く感じ入りました。

 こんな素晴らしい講座があと4回で終わってしまうなんて。もうはや寂しくなってしまっている私は気が早すぎるでしょうか。あと4回、とにかく一生懸命勉強させて頂きます。よろしくお願いいたします。

 

 

2019/06/04

日本児童文学学校・感想⑤

講座をうけて あべわかこ 

「○○の手習い」(○○の部分は皆様の空想の翼を広げる余地として提供させて頂ければと思いあえて空白とさせてもらいます【笑】)の私ですが、以前から興味があった児童文学の創作の世界を、この講座を受講することでノックさせてもらったように思います。

 日常生活の中で優先順位が下位の方で、ポツリと宿題のような存在になっていた思いが昨年の暮れ、この講座の情報を偶然に知り膨らんできました。

 第一回目の講座を終え、家に帰り、講師の赤羽じゅんこ先生のご本を一気読みし、私の心のトキメキはキラメキに変わりました。

 第二回目の開隆人先生の作品講評では前回の田部智子先生のときと同様に目から鱗の連続でした。具体的な創作スキルのアドバイスはもとより現役作家さんの創作に向き合う熱い想いに触れ、キラメキはどんどん広がっていきました。

 講評用原稿を三月の期日までに提出が出来なかった後悔も先生方の講評を通して薄らいでいきました。先生方のどの作品に対しても一貫して流れる深い愛情と未来への明るい期待を感じたからです。このモチベーションに触れ、私も前向きに、九月五日締め切りまで作品を仕上げようと今では思っています。

 第二回目の後半、山口理先生の「作品のストーリー展開について」の講義も実に具体的で分かりやすく贅沢な時間でした。

 児童文学の創作は私の宿題なのかはさておき、今、はっきり分かることはこの講座に申し込んでほんとうに良かったということです。

 素敵な時間を過ごすことは人生の宝だと思います。私は今回、宝物のポケットを一つ間違いなく増やすことになると思います。

2019/05/30

日本児童文学学校・報告

第47期 2回目です!  松原さゆり

 

 さわやかな5月のはずがこの猛暑の中、皆さん、元気に集合してくれました。2回目なので、前回に比べていくぶん緊張がほぐれた様子です。

 山口理さんの講義では「私のストーリー展開について」を、丁寧にわかりやすく話されました。作品制作を山登りに見たて、ホワイトアウトの中で足もとばかりを見て登っているとゴールにたどりつけないと。これは、全体を把握する必要性のたとえです。 

全体を把握するために、作品の設計図表で、はじめ、なか、おわりと書き込む方法があり。また別表では、起、承、転、結と書き込む方法があるとの話でした。

作品内においては、共感性、裏切りがあり。作品全般に伏線をはっておく必要性もあると話されました。いかに作品の流れを整理する事が大切かがわかりました。

「つまらない作品とは?」「キャラの魅力とは?」 質問形式の呼びかけに、皆さんは頭をひねっての答えで、もりあがりました。

「あらすじ」「取材」についても、山田洋次監督の具体例をあげるなどわかりやすい講義で、学生時代にもどったような気持ちになりました。

 開隆人さんの、4作品の講評では、皆さんからの意見や感想が次々によせられ、開さんからのアドバイスに、受講生の方々が深くうなずく様子が印象的でした。

今回だけのビジターで参加してくださった方が三人、いらっしゃいました。ありがとうございました。

次は6月23日で、内田麟太朗さんの講義です。ちょっとどんな感じか、一日だけ参加してみたくなったという方は、児文協、事務局に問い合わせてみてください。有料ですが受講できます。

 

 

 

2019/05/28