13日、日比谷野外音楽堂で開かれた反対集会に参加してきました。
子どもと平和の委員会として、安保法案の廃案を望みます。
これまで、戦争のしくみや、戦争の悲惨さや、戦争に加担してきたことなど、私たちは子どもたちに書き、手渡してきました。心に残ることばを残せたでしょうか。
いま戦争にできる国になる安保法案の成立に反対して、おおくの若い人たちが立ちあがっていることに励まされます。
この法案は「日本国民の生命・権利を根底から覆す明白な危険」があるとおもったら武力攻撃すると言うのです。私たちがなにより大切な子どもの命は、逆にこの法案を作ることで脅かされます。武力は抑止力にはならず、平和な未来は殺し殺される戦争によってはけして守られません。
九条を守り戦争をしたくない国民と、強い国にしたい政権との戦いだとおもいます。
2度と戦争をしないと決めた時から70年経ちました。けして子どもたちを、戦争にまきこまないと誓って日本児童文学者協会が発足してから、まもなく70年を迎えます。
これからも子どもたちを戦争に行かせない年月を、80年、90年と歩んでいくのです。
一色悦子
ツアーの午後は,「柏の葉キャンパス」駅から電車にのって「柏」駅へ。そこから,歩いて8分ほどの児童書専門店ハックルベリーブックス(委員の奥山が経営)にて,ミニ学習会。
途中で買ったアイスを食べながら,柏で「まちなかカレッジ」というコミュニティーの場をたちあげた山下洋輔さん(現在は柏市議会議員)からまずお話をうかがいました。山下さんは,現在36歳,つい先日,お子さんが生まれたばかりです。「地域活動から世界平和へ 対話文化を生み出すまちなかカレッジ」と題して,これまでの活動の経緯や,意見の違う人たちと対話の場を作ることについて,いろいろとお話くださいました。今回の機会に,自分たちの活動が平和ということとどうかかわっているか,いろいろ考えたといいます。
参加者からも,「意見が対立したときはどうするか」「まちなかカレッジという考えの基盤はどんな思想か」など,活発な質問や意見が出され,山下さんが目指しているというユネスコ憲章の言葉なども読みあげられ,あらためて,身近なコミュニティを考えることと,平和を考えることは,つながっているのだと感じました。
参加された方々からのアンケートでは,「やや慌ただしい,歩く距離を短くした方がいい」「もっといい季節にしたら」…といった意見もありましたが,「 花野井の戦争遺構もやはり実物はインパクトがある」「生活の中に溶け込んでいてびっくり」「説明がわかりやすかった」とのご意見, また,プチカルは「居心地がよくホッとした」「運営していく難しさについて考えた」とのご意見, 山下さんの学習会も「いろいろと考えるきっかけになった」「地域で平和について語り合うことが必要と思った」とのご意見がありました。
移動も多く, 一日のスケジュールはややもりだくさんではありましたが,委員のみなさんのご協力で,ほぼ時間通りに進められ,充実した一日となりました。
6/21の子どもと平和の委員会主催の「コミュニティ作りと平和を考えるツアー」は,おかげさまで,雨も降らず,またカンカン照りでもなく,ちょうどいいお天気の中,16名の参加者でぶじ実施されました。
今年の冬から,何度も下見を重ねて企画してきたので,当初お申込みが少なく残念に思っていましたが,最終的には,委員,柏近郊の会員,演劇をやっている方,大学院生,柏に住むご夫婦など,いろいろな方が集ってくださいました。
つくばエクスプレスで秋葉原から30分ほどの「柏の葉キャンパス」駅に集合,午前中は,柏北部の戦争遺構を訪ねました。近年,柏市で歴史を掘り起こしている市民団体の「手賀の湖と台地の歴史を考える会」(「柏歴史クラブ」に改名予定とのこと)の小林正孝さんにご案内いただき,戦争末期,有人ロケット「秋水」の燃料庫あとや,柏飛行場の正門あと,弾薬庫あとなどを歩きました。
いずれも,ふつうの町中や畑の中に,それなりに巨大な遺構としてどーんと存在していながら,柏に住む人もほとんどがなんだかわからないまま,見過ごしてしまうように埋もれていました。しかし,実物のインパクトはやはり大きく,かつて,ここが首都防衛の軍都であったことが,まざまざと実感されるようでした。
途中,江戸時代に周辺をおさめていた「旧吉田家住宅」なども見学し,軍都になる以前の歴史も確認。ガイドの小林さんからは,「こういう埋もれた遺構が,おそらくみなさんのそれぞれの町にもあるはず」「柏では,こういう遺構を整理し,自然や歴史を知ることができる街ごとエコ・ミュージアムを考えています」とのお話もありました。
お昼は,空き住宅を利用して,高齢化に備えたコミュニティの場を作ろうという試みをしている「プチカル柏の葉」にて,それぞれのお弁当を広げてしばし,休憩となりました。
すでに,「日本児童文学」その他で,募集していますが,
子どもと平和の委員会では,6/21(土)に、
千葉県柏市北部の戦争遺構をたずね,さらに,午後は委員のひとり,私奥山がやっている
児童書専門店ハックルベリーブックスにて,
柏のまちづくりをすすめている「柏まちなかカレッジ」学長の山下洋輔さん(ジャズ音楽家の山下さんと同姓同名!)を交えて,
各地でひろがるコミュニティ作りについてのミニ学習会を開催します。
柏は,私の地元で恐縮なのですが,
去年の子どもと平和のツアーで,川崎の陸軍登戸研究所をたずね,
その歴史が市民の努力で掘り起こされたことを知り,
では,そもそも自分の足元はどうなっているのか…と思ったことがきっかけでした。
そして,調べて見ると,柏もまた,第二次世界大戦の末期は,首都防衛の飛行場が作られた,
まさに軍都だったことがわかり,しかも,それをやはり市民のグループが掘り起こして,
保存していこうとしている最中なのだと知りました。
今回は,戦争の時代をはさんで,
江戸時代の歴史にふれることのできる旧吉田家住宅(テレビドラマ「仁」のロケにも使われた文化財です)にも寄り,
一方現在の柏の町づくりにも触れながら,
子どもが平和に生きる環境とはなにか…,歴史を伝えるとはどういうことか…などを,
多層的な考える機会になればと思っています。
いちおう,6/7しめきりでしたが,まだ定員には達しておりませんので,
これからでも,受け付けます。
児童文学者協会事務局まで,FAXかメールでおもうしこみください。
FAX 03-3268-0692
会員でない方も参加できますので,お誘い合わせのうえ,
どうぞよろしくお願いたします。
6/21(土) つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス駅」10時集合
参加費無料
但し,昼食持参,また,一部バスやタクシーも利用しますので交通費もご用意ください。
「子どもと平和の委員会」のブログがはじまりました!
まずは,現在,委員会のとりまとめをやっております奥山恵が,委員会の活動の報告やおしらせ,その他,子どもと平和をとりまく問題について,気がついたことなどを書いていきます。 どうぞよろしくお願いいたします。
「子どもと平和の委員会」は,文字通り,子どもが生きる環境について考え,また,その平和が脅かされる恐れのあるときには,それに対処する活動を担っています。昨年の「特定秘密保護法案」が成立してしまう前後には,他の団体の反対の動きなどを参照しつつ,児童文学者協会でも,反対声明をどのように出すかいろいろ話し合いました。このように,直接反対声明を出すというような活動もありますし,平和に関するテーマを児童文学として作品化することにつなげて,学習会をしたり,見学ツアーを企画したりもしています。
そんな委員会のブログ開設の最初の記事としましては,少し残念な報告ですが,今年のはじめ頃から,東京都内の図書館や書店で「アンネの日記」に関連する本が300冊以上破られるという事件があったことは,すでに2月以降の新聞報道などにより,周知のことと思います。じつは,この破損事件の被害にあった図書の中に,日本児童文学者協会が編集した本も入っていました。 その本は,協会の設立60周年にあたり刊行された「おはなしのピースウォーク」シリーズの5巻目『地球の心はなに思う』(新日本出版社、2007)です。このシリーズは,「新しい戦争児童文学委員会」が中心となって編集された平和を考える短編集シリーズですが,この5巻には,小川英子作「続アンネの日記」という短編シナリオ作品が収録されています。他にも,協会員の書いたアンネ・フランクの伝記なども被害にあっていますが,このような本のタイトルとして表面に見えていない作品まで調べ上げて手をかけるというところに,事件の根の深さを感じたりもしました。
「子どもと平和の委員会」でも,1月頃から委員のきどのりこさんより,都内の図書館の被害の情報がもたらされ,意見を出し合ってはきましたが,その頃は,事件の概要も犯人もほとんど明らかになっていない中で,具体的な対応は考えにくい状態でした。その後,3月になって,都内在住の男性が逮捕されたとの報道が流れましたが,事件の動機なども「思想的な背景はない」とあり,依然として不可解な点が残るばかりです。
組織的な犯行というわけでもないので,抗議声明などを出すような案件ではありませんが,近年の図書館環境のあり方や、「アンネの日記」というテキストの受容のされ方,また,最近のさまざまな排外的な動きや暴力について,今後,研究会やシンポジウムなどを行ってもよいのでは…との意見も,委員会の中では出ています。 今期の委員会メンバーは,まもなく解散となり,この問題は次期の委員会へと持ち越されることになります。協会の本も被害にあうという残念な事件ではありますが,子ども・平和・本…を考えるひとつのきっかけとして受けとめて行きたいと考えています。