【上野の森 親子フェスタとは】
総会通知に同封してお知らせしたように、5月3日から5日まで、東京・上野公園で、児童図書のフェスタが開催されました。2000年の子ども読書年を受けて01年から始まったものですが、昨年は事情で中止、2年ぶりに開催されたものです。出版社がそれぞれブースを出し、すべての本が2割引きで販売されます。合わせて、サインセールや読み聞かせ隊による公演、そして公園内の施設を使用しての講演会なども並行して行われる、一大イベントです。
今回、再開に当たり、児童書の出版社(今回は84社が出店)に加えて、著者団体にブースを提供してもらえるというお話があり、童美連、児文芸と話し合って、一日ずつ受け持つことにしました。それで、児文協は最終日、子どもの日の5月5日ということになったわけです。これまで小峰書店のブースの一部をお借りして、『日本児童文学』の宣伝をさせてもらったことはありますが、一日のみとはいえ、ブースを借り切り、イベントとして成功させるというのは、なかなか責任の重い感じのことでもありました。
【当日に向けて】
初めてのことでもあり、手探りの準備でもあったのですが、出展の内容を、①機関誌『日本児童文学』の宣伝、②協会編のアンソロジー、出版企画の宣伝、③会員著書のサインセール、の3つにしぼりました。通常は、上記のように定価の2割引き販売で、会場内に設けられたレジテントでまとめて精算というシステムなのですが、雑誌を少しでも手にとってもらおうと、思い切って500円で販売することにし、3冊ずつ15種類のバックナンバーを並べることにしました。(新しい号は、小峰書店のブースで通常価格で扱ってもらいました。)協会編のアンソロジーは、偕成社の出店がなかったため(販売できるのは、フェスタに出店する出版社の発行物に限定)、「おはなしのピースウォーク」(新日本出版社)と「きらきら宝石箱」「どきどきびっくり箱」(文渓堂)の3シリーズとしました。「ピースウォーク」の長編版が間に合えば並べられたのですが、フェスタにはちょっと間に合わず、チラシをおいて宣伝しました。
サインセールについては、果たしてどの程度売れるものやら見当がつかず、またスペースの問題や、そもそも今回の出展がぎりぎりに決まったこともあって、今回は理事会で手を挙げてくれた高橋秀雄さんが、いとうみくさん、河野睦美さん、せいのあつこさんに声をかけ、まずは4人でやってみることに。加えて、ちょうどこの日、くもん出版のブースでサインセールをすることになっていた内田麟太郎さんにもお願いし、さらに子どもたちの足を止めるために、木村研さんに手作りおもちゃコーナーをお願いして、当日を迎えることになりました。
【そして、当日は……】
5日は、おかげにて格好のフェスタ日和でした。僕は前日の4日、大学の授業に行く前に(今、大学は授業時間確保のため、祝日でも結構授業があるのです)、上野公園に“偵察”に行ってみたのですが、前夜からの強風のため、テントの一部が壊れたということで、著者団体のテントの場所が移動していたり、朝も風が強く、かなり大変な様子でした。
当日は、上記のメンバーや事務局の次良丸さんのほか、機関誌編集長のいずみさん、「ピースウォーク」と「きらきら」「どきどき」の執筆者の方たちも来てくださり、心強い布陣となりました。僕は午前中は、園内の国際子ども図書館で行われたアーサー・ビナードさんの講演会のほうに出ていたのですが、ブースに戻ってみると、機関誌バックナンバーは半分ほど売れており(もっとも午後はほとんど売れませんでしたが)、高橋さんたちのサインセール用の本も、まずまず少なくなっていて、安心しました。午後からは、上記の講演会の司会を務めた加藤純子さんがブースに参加し、「きらきら」「どきどき」の販売を担当、25冊あった「きらきら宝石箱」は、完売! といううれしい結果となりました。これには、同シリーズの挿画を担当してくださったあんびるさんがフェスタのために提供してくださったハート型のレターセットの“おまけ”も威力を発揮したようでした。
【お疲れ様でした!】
ということで、まずは協会のブースをがんばって出しただけのことはあったな、という手応えでありました。サインセールの方たちやスタッフとしてお力を貸してくださった方たち、誠にお疲れ様でした。そして、当日は、たくさんの会員の方たちが会場においでくださいました。これもうれしいことでした。
一方で、課題というか、来年に向けて(まだ確定しているわけではありませんが、多分来年以降も著者団体のブースは継続されると思います)反省点もあげられます。「きらきら」「どきどき」に対して、「ピースウォーク」はあまり売れませんでした。もちろん売れる・売れないにかかわらず並べたことの意味もあると思いますが、「ピースウォーク」のようなシリーズに目を止めてもらうには、なんらかの仕掛けが必要のようです。
それと、今回は、出展が急に決まったこともあり、事務局主導で準備を進めましたが、総会前の忙しい時期に、特に次良丸さんはかなり大変だったと思います。この点も、来年以降は、このフェスタへの出展をどこかの部・委員会で担当する形にするか、特別の体制をとるかしないと、続けていくことが負担になってくると思います。
以上、2日遅れになりましたが、上野の森・親子フェスタのご報告でした。なお、当日の様子は、主催団体の一つJPIC(出版文化産業振興財団)のホームページでも見られます。