久しぶりにというにもおろかなほど、久しぶりのブログです。今出しつつある年賀状の最後に、「今年は、事務局長ブログで折々に発信していきたい」などと書いたので、年を越す前に一言と、思った次第です。
【ドボルザークの髭】
今年は僕にとっては65歳という節目の年で、協会事務局に出る日が少なくなった分、特に大学の講義がない時期は、少し時間がとれるようになりました。そこで、夏から一念発起して、大宿題の「現代児童文学史」にとりかかり、自分なりに目標を定めようと、個人誌を発行して、連載の形で書いていくことにしました。それで、11月に個人誌『ドボルザークの髭』1号を発刊しました。この誌名は、僕の最初の評論集『児童文学に今を問う』の序文からとったもので、僕の評論活動の大きなテーマ、モチーフとして、やはり「時代と児童文学」ということがあり、学生時代に児童文学を読み始めた時から意識していたことでした。その時に思い出したのが、中学生時代に(部活のブラスバンドで毎日通った)音楽室で見た音楽年表のことで、音楽史上の時代区分が帯のように表されているわけですが、例えば古典派とロマン派の境目は斜めの線になっています。ところが、自分たちの教室にある歴史年表の例えば鎌倉と室町の境目はまっすぐな線なわけです。その時、中学生の僕は「そうか、文化・芸術の流れというのは、そういうことなのか」と思ったわけです。そして大学生になって児童文学を読み始め、時代と児童文学ということを意識した時に、そのことを思い出したわけです。音楽年表でインパクトがある顔といえば、なんといってもベートーベンとドボルザークで、それで左右がつりあっている感じです。ドボルザークは僕が初めて知った作曲家でもあり(子どもの頃、ラジオで「ノボルジャック」と聞いてしまいました)、それで「ドボルザークの髭」です。(うーむ、大分はしょってしまって、意味不明かな。)
話は違いますが、去年(いや、まだ今年ですね)の1月から、法政大学の通信課程のスクーリング(一日2コマずつ一週間)を担当したのですが、最後に質問を書いてもらったら、たくさんあってとても時間内に答えられませんでした。そしたら一人の学生が、「先生、ブログをやってらっしゃるようだから、そこで答えてくださったら」というのです。協会ブログをそういうふうに使うのもためらわれたのでやめときましたが、初めて会った学生(といっても、通信課程は年代は様々ですが)が、担当の教員のことを知る手立てとしてブログを見るという(別に協会のホームページからでなくても、僕の名前を検索すると出てきますね)、考えてみれば当たり前のことに、ちょっと「へえ」と思ってしまいました。それが一年前のことでした。なのに、今年はブログをほとんど更新できず、“反省”しての年末となりました。
【新入会員の集い】
反省といえば、1月23日(土)に新入会員の集いがあり、そこで僕は協会の歴史などについて話すことになっていたのですが、これが上記のスクーリングと重なっていた(前回は午前の2コマだったのが、今回午後の2コマになっていた)ことを失念していて、出られないことが判明! という、ちょっとショックなことでした。丘理事長に代わってもらうことにしたので、新入会員の皆さんにはかえって良かったかもしれませんが、本当にごめんなさい、の世界でした。(ちなみに、その後の懇親会には出ます。今からでも申し込めます。)
そんなわけ? で、いよいよ来年は創立70周年の年です。「日本児童文学」の3・4月号が記念号になりますが、僕は編集委員会から、50周年記念号に書いた「年表」の続きを書くように要請され、結構時間がかかりました。これは、普通の年表とは少し違って、エピソードなどを入れて、楽しく(?)読めるようにした年表で、50周年の時は当然最初の方は自分がいない時代のことですから、逆に書きやすかったのですが、今度はがっつり自分が関わってきた20年間のことなので、距離感がつかめない感じで、時間がかかりました。3月なので、記念号発行までまだかなり時間がありますが、一応「乞・ご期待」と申し上げておきます。
それでは皆さんにとって来年が実り多い年になりますように!、