日本児童文学学校を受講して 君成田弘志
私が児童文学、物語作りに取り組むようになったのにはきっかけがありました。
私は以前、道路で転んで、膝関節を骨折し、以後正座ができなくなりました。歩くのは杖を使っています。自転車も乗れません。ただ、車は運転しています。
そんな中、元気だった妻が脳梗塞を患い、大きな手術を受け、以後回復しましたが、障害が残り、車いす生活になりました。生活は私の介護が必要になり、一日中私がそばにいることが必要になりました。私が自由になれるのは妻が介護サービスを受けている時だけです。
そんな生活を十数年続けましたが、昨年9月に妻は、全く突然、先立ってしまいました。ショックと多忙で3か月ほどは、あっという間でしたが、落ち着いてくると、ある変化に気がつきました。
それは朝、目が覚めた時に、はっきりと夢を思い出すことでした。夢は行動を開始すると忘れてしまうことが多いのですが、一人になったせいかはっきりと覚えているのです。それを同居の息子に話すと、読書家の彼は夏目漱石の「夢十夜」を持ってきました。それを読んで、私は自分の「夢日記」をかいてみようと思い、妻の死後100日目から開始しました。それまでも普通の日記は短いもので書いていましたが、その上に書くことにしました。夢は変幻自在です。思ってもみなかったことも出てきます。私は面白くなっていました。
そんな時、市報を見ていると、赤羽じゅん子先生の「ものがたり講座」開催のお知らせが目に入りました。
私は興味を持ち、年齢等の条件はないのかと問い合わせましたが、ないとのことで(当時81才)申し込むことができました。
講座を受講し、企画書・設計図等の物語作りの基本を教わり、なんとか原稿用紙10枚の物語を完成させることができました。受講者の作品集ができ、一冊になった本の中に自分の作品があるのを見ると、とてもうれしくなりました。
その後、先へ進むための、今受けている講座を教えていただき、今日に至っています。
今まで作った作品は「ねずみの国への旅」「平和へのメッセージ」「雪の中から救え」「空を飛べ 海を走れ」の四つです。そして今、作成中のものは「思い出の卒業記念ウオーキング」と「名選手との交流」です。この二つは、自分の人生の想い出をもとにした創作です。
またアイデアボックスの中には、もう何枚もたまっています。これらは児童向けの創作作品になると思います。
この講座をきっかけにできた同期の会の発足もうれしい限りです。同期の皆さんと切磋琢磨できることは、何よりも良いことだと思います。
今は、このほかの生活も併せて時間が足りないくらいです。充実した残りの人生のために頑張ってまいります。
皆様、よろしくお願いいたします。