62、旅先で迎えた誕生日の話(2022,3,7)
【ロシア軍のウクライナ侵攻に前にして】
・プーチンによるウクライナ侵攻が、日々激しさを増しています。NATO拡大に対する危機感を理由にあげていますが、これでは東欧諸国がNATOに加わらなければならなかったこと(そうしなければ、ロシアに侵攻される可能性がある)を逆に証明しているようで、その矛盾に気がつかないのでしょうか。
そして、許しがたいのは、今回の事態を受けて、「だから、国を守るためには武装が必要」と、あろうことか、核武装の検討まで持ち出している安倍元首相や維新の会などの主張です。プーチンの言動は、これまで幾多の(ロシア、ソ連を含めて)戦乱の悲劇から、人類が学び、積み重ねてきた平和への思い、そのための方策に対して真っ向から挑戦するものですが、これを“好機”とばかりに武装を言い立てるのは、ある意味当事者のプーチンよりもさらに卑劣だという気がします。こういう輩は、決して本当に国民の命を守ることなど念頭にないことは、たった八十年前の経験がよく示しています。そして、こういう事態こそ、中学生、高校生あたりにとっては、平和を考える生きた教材(というと、語弊があるかもしれませんが)であり、学校などでも積極的に論議してほしいなと思いますが、どうでしょうか。
【2日遅れとなりましたが】
・さて、「5の日」更新のブログが2日遅れとなりましたが、今回は「うっかり」ではなくて、5日に愛知県半田市で、選考委員をしている新美南吉童話賞の表彰式があり、一泊で出かけてきました。表彰式の日程を決める際に、「3月5日はどうでしょう?」と言われ、その日は誕生日なのですが、まあ多分リアルではできないだろうと思い、「いいですよ」と答えていたのですが、本当にやることになりました。例年だと新美南吉記念館で開催するのですが、狭いので市内の別会場で、そして来賓なども極力絞ってという形でしたが、やはり入賞者の中でも何人か欠席の方もいました。
最優秀作品を取られたのは、北海道の方で「雪虫」という作品なのですが、元々北海道生まれではなくて、二年前からご夫君と北海道に移住されたということで、そこで雪虫に出会ったということのようです。お腹に赤ちゃんがいるということで、二重の祝福の拍手を浴びました。(この作品など、記念館のHPに掲載されています。)
・それで、僕は誕生日の夜は名古屋のホテルに泊まりましたが、さすがに市内に出かけるのは控えて、ホテルの中の居酒屋で、ひとり祝杯?をあげました。
・思い出してみると、自分の家以外のところで誕生日の夜を迎えるというのは、なんと18歳の時以来ということのようでした。高校3年生の卒業間近の時ですが、僕は大学受験のため、秋田から東京に来ていました。3月3・4・5日と試験で、5日に終わったわけです。そして、その日は多分夜行列車で秋田に帰ることになっていたと思うのですが、その前に人と会う約束をしていました。中学時代のガールフレンド(未満?)が、中学卒業後小田原に引っ越して、3年間文通を続けていました。今にして思うと、これは結構いい文章修行になった気がします。それで、ついに? 試験が終わったその日、3年ぶりに会うことにしていたわけです。場所は、僕が宿泊していたホテルに近い四ツ谷駅にしました。
ところが、結局、この日「二人は」会えなかったのです。多分、四ツ谷駅の複雑さに負けて? 駅にそんなに出口がいろいろあって、「四ツ谷駅で会う」ではまちがう可能性があるということを、田舎の少年は知らなかったわけです。駅の中を相当うろうろしたことは覚えていますが、あきらめて上野駅に向かった後からのことは、覚えていません。
そんな、半世紀以上前の、とんだすれ違いドラマを久しぶりに思い出しての、72歳の誕生日でした。