藤田のぼるの理事長ブログ

38、編纂図書プレゼントの抽選を(2021,7,5)

【昨日、抽選を】

◎昨日(7月4日)、大雨による熱海での大きな被害のニュースと、東京都議会議員選挙のさなかでしたが(僕は埼玉県民なので選挙権はありませんが)、事務局に出版企画部の津久井さんと原正和さんに来ていただいて、創立75周年編纂図書プレゼントの寄贈校の抽選を行いました。学校側からの応募締め切りは6月末だったので、昨日に抽選を設定していたわけです。

 この編纂図書プレゼントを発案したのは僕ですが、協会創立75周年については、50周年や60周年の時のような大きな記念事業はしないことは最初から決めていました。記念資料集の作成(もっともこれは、元々創立70周年記念として企画されていたものが75周年にずれこんだわけですが)というのは 協会にとっては大きな意味のある仕事ですが、これに関心を寄せてくれるのは協会外ではおそらく児童文学の研究者ぐらいで、特に読者である子どもたちには直接関わりがありません。

 一方で、ここ数年出版企画部の努力で、新しい出版社も含めていろいろな編纂図書のシリーズが企画され、刊行されています。75周年企画としてこれを全国の小中学校を対象にプレゼントしようと、なぜ思い立ったのかは自分でも定かではありませんが、せっかくこれだけの本が出ているのに、会の活動としてなかなかアピールする機会がないなとは、以前から思っていました。

 そんな思いがあったので、「75周年で、なにか子ども読者に直接結びつくことをしたい」と思った時に、「編纂図書プレゼント」というのが、ひらめいたのだと思います。

◎ということで、まず問題になるのは費用です。「プレゼント」とはいっても、希望する学校すべてに寄贈することはできません。まさか1冊ずつという訳にはいかないので、当然5冊もしくは10冊の1セットを寄贈ということになります。協会が出版社から購入する場合は2割引きになりますから、例えば1冊 1000円として5冊のセットで5000円になります。このあたりから計算を始めました。「懸賞」ですから、あまりフラットではおもしろくないので、A賞とB賞というふうにして、A賞は10冊のセット、 B賞を5冊のセットにしようと考えました。そして、B賞も含めて、ここ数年の中で協会の編纂図書を出してもらっている全部の出版社がそろうラインナップにしようと考えました。その結果、小学校がA賞に偕成社の「タイムストーリーズ」、B賞が偕成社、文溪堂、フレーベル館、ポプラ社の各シリーズ、中学校がA賞が偕成社の「児童文学10の冒険」で、B賞が偕成社と新日本出版社という具合に、とてもうまく収まりました。

 最初A賞が2校、B賞が各3校で計算してみたのですが、思ったほど大きな金額にならなかったのと、「75周年」と銘打って、あまりにしょぼいのでは格好がつかないという見栄(?)もあって、B賞 は各5校としました。これで小学校22校、中学校12校、計34校がプレゼントの対象になりますから、 まずまずかと思いました。

◎次の心配は、さてこれをどうやって、全国の小中学校に告知するのか、という点でした。それがうまくいかず、 極端な場合、応募が上記のプレゼントの数に届かないようなことになったらどうしようという心配もしました。一方で、 どこかで広く宣伝してくれて、応募が集まり過ぎたら、それも大変と思いました。

 告知としては、まずやはり図書の担当の先生の目に触れることがなによりと思い、全国学校図書館協議会(SLA)にお願いして、同会が月刊で出している『学校図書館』速報版というのに掲載してもらうことにしました。それから、これは個人ではなく学校単位の応募になりますから、校長の裁可が必要になるわけで、主に管理職が読んでいるだろうと思われる業界紙「日本教育新聞」にお願いしようと思いました。ここは、僕がかねてから関係のある日本図書教材協会(学校で使うテスト教材などを発行している出版社の団体)から紹介してもらいました。そしてもう一つ、学校図書館に対してはPTAがいろいろ関わっているということも聞いているので、PTA活動と関わりの深いベルマーク教育助成財団のホームページに載せてもらおうと思いました。ここは、僕が数年前から「ベルマーク新聞」に隔月で本の紹介を書いているので、すぐに頼めました。

 ということで、三つの媒体で告知したわけですが、ちょうどいい具合に応募が集まってくれるかどう か、最後まで心配でした。僕の希望的予想としては、小学校が百数十から多くても二百、中学校はその三分の一か四分の一という見当でしたが、最終的に小学校が72校、中学校が24校という結果でした。 「希望的予想」は下回ったわけですが、プレゼント対象校に対して、小学校が3倍強、中学校が2倍という倍率になったわけで、まあ良かったかな、と思えました。応募校は、それこそ北海道から沖縄まで全国にわたり、おそらくそれだけ熱心な学校が応募してくれた、ということだと思います。

◎ということで、昨日の「抽選」でした。応募校に番号をつけて、A賞は津久井さんと原さんに十の位と一の位のカードをめくってもらって、B賞は番号の書いた札を選んで、という形で、「厳正」に行いました。どこの学校にプレゼントすることになったかは、もう少ししたら協会のホームページに、また次の9月の会報にも載せますので、 皆さんの中でお知り合いの学校に声をかけてくださった方は、ご覧になってください。

 なお、サイン本ですが、上記のように、応募校がやや少なめだったこともあり、当初はプレゼントできなかった学校のみを対象に考えていましたが、編纂図書と並んでサイン本をとても楽しみにしているという声も聞いていましたし、プレゼント対象校にも3冊ずつ、それ以外の各校には6冊ずつサイン本が届くよう、目下配分中です。近日中にはお申し出いただいた方たちに、どこの学校に送ってくださいと いう通知をお送りできる予定です。

 応募のハガキの中には、「75周年おめでとうございます」といったメッセージや、図書館の様子などを書いてくださった学校もあり、また、「A賞のシリーズは購入していますので、B賞でお願いします」 といった学校もあり、普段の読書指導の一端を垣間見ることもできました。プレゼントはこれから届くわけですが、やって良かったと思っています。

2021/07/05