【総会が無事に終わりました】
◎なんだか、随分時間が経ったような気がするのですが、今年度の総会は5月29日(娘の誕生日でも ありましたが)、予定通り開かれ、滞りなく終わりました。総会というのは、会にとってもっとも大切な意思決定の場ですから、「無事に」とか「滞りなく」というのが必ずしもいいのかどうか微妙ですが、 まずはホッとしています。
参加された方はおわかりのように、最初の注意事項や、途中の資料などが画面にタイミングよく提示されたのは、次良丸さん、西山利佳さん、榎本秋さんたちが、いろいろと準備をしてくれたおかげで、やはり去年よりも手慣れた感じで進行しました。実は今回90人以上の方が参加してくださったのですが、僕の知る限り、総会出席者としては最高記録だと思います。リモートの威力でした。
◎僕の役回りとしては、最初の理事長挨拶と、それに続くこの一年間の物故者の読み上げ(黙とうのために)、それから終わりの方で、75周年の本のプレゼントの呼びかけ(サイン本提供のお願い。6月10 日までです!)を、させてもらいました。自分でしゃべっていると、短いつもりでも結構時間がかかっていることもあるので、開会挨拶は一応原稿を書いて、3分に収まるようにしました。最初に書いた原稿は後になってやや大上段すぎる気がして書き直し、今度はあまりに日常的すぎる気がして書き直し、 まあその中間くらいでなんとかまとめました(このあたりが僕の”小物感”を表わしていますが)。
◎物故者は6名でしたが、その中に、僕にとっては”特別”な方が二人いました。一人は元信州支部長の高橋忠治さん。高橋さんは名誉会員で、60周年の時の学習交流会だったか、3人のベテラン会員に話を聞くという設定で、あまんきみこさんの聞き役が宮川健郎さん、西内ミナミさんの聞き役があんびるやすこさん、そして高橋忠治さんの聞き役が僕でしたから、ご記憶の方もいらっしゃるかと思います。 高橋さんは詩人としてももちろんいい仕事をされましたが、僕はその”人物”が大好きでした。
そしてもうお一人が伊豆の伊東にお住まいだった山本悟さんという方で、この方も古い会員でした。 年代としては古田足日さんとか鳥越信さんのちょっと下ぐらいで、山本さんは静岡大学の学生時代に児童文学に関心を持ち、書き始めたこともあり、1950年代の同人誌、例えば古田さんたち早大少年文学会の「小さい仲間」、いぬいとみこさんたちの「麦」、京都の上野瞭さんたちの「馬車」など、大阪国際児童文学館にしかそろってないような貴重な資料を、たくさんお持ちでした。僕は目下個人誌『ドボルザークの髭』で「物語的現代児童文学史」というのをシコシコと書いているわけですが、山本さんからそうした貴重な資料をかなりお譲りいただきました。
◎山本さんと初めてお会いしたのは、かつて伊東で開催された夏のゼミナールの時ですから、もう40 年近い前になります。山本さんは教員を辞められてからも地元の図書館などで子どもたちのために伊豆の民話をまとめた冊子を作るなどの活動を続けられていて、十数年前かと思いますが、そうした活動が認められて、野間読書推進賞を受けられてもいます。 その少し後だったかと思います。細かいことは忘れましたが、会報で山本さんにエッセイをお願いするという話があったものの、紙面の都合で次号回しになりました。ところが、その次号の時に、僕が忙しさに紛れてうっかり忘れてしまい、山本さんにお願いできなかったということがありました。そしてその後、山本さんから退会届が送られてきました。
僕は例え退会のご意志自体は変わらないとしても、とにかく失礼をお詫びしなくてはと、上記の夏ゼミ以来だったと思いますが、伊東に向かいました。山本さんは何もおっしゃらず、ちょうどその折に地元の図書館で、山本さんのコレクションを使った展示をしていたのを見せてくださいました。そして、 退会は思いとどまっていただきました。さらにそれから何年かして、先に書いたように、僕が現代児童文学史を書き始めるにあたって、「見せてほしい」とお願いした同人誌などの資料を、見せていただくだけでなく、大きな段ボールに二箱ほど、そっくり譲ってくださったのです。
◎というようなことで、黙とうでお名前を読み上げるとき、高橋さんと山本さんについて、コメントを述べるかどうか迷いましたが、6人の内二人だけ、僕との関りで話をするのは他の4人の方に失礼かなとも思い、やめました。それでも、名前を読み上げながら、胸に迫るものがありました。
総会自体は、すべて議案もご承認いただきましたので、ことさら報告することはありません。ほぼ予定時間で終わり、その後30分ほどの「文学賞お祝いタイム」も、協会賞受賞者のお一人の山口進さんがご入院中ということでご参加いただけませんでしたが、協会らしい、文学的な?時間になったように思 います。
【ワクチンの予約が】
◎最初に、「(総会から)随分時間が経ったような気がする」と書いたのは、その後、31日の月曜日に、 東京の大規模接種のコロナワクチンの予約というイベントがあったせいかもしれません。僕が住んでいる埼玉県坂戸市も同じ31日から予約開始だったのですが、その前にいくつかの医院に問い合わせてみたところ、「早くても7月半ば以降」とか、予約自体少し後になってからという具合だったので、東京の大規模接種(少し前から埼玉県民もOKになっていたので)に狙いを定めました。31日の11時から ということで、パソコンを2台並べて試みましたが、「サイトが混雑しているのでお待ちください」という表示が一向に切り替わらず、「これは無理かな……」と思い始めた頃、なんとか画面が切り替わっ て、それからは意外にスムースに進み、6月9日に予約が取れました。
このところ、同年代の人たちとは「ワクチンの予約、取れた?」が挨拶代わりでしたが、まずはホッとしています。次回のブログでは、その報告ができるでしょうか。