藤田のぼるの理事長ブログ

児文協の秋?

【今年は合評研から】

9月になりました。今朝は、テニスの試合を見るために早起きされた方も、少なからずいらっしゃると思います。

さて、協会の年間を通しての主なイベントは、春の総会(贈呈式などを含め)、秋の公開研究会ということになるでしょうか。今年の公開研究会は東京開催の年度で、これまで2回は中野サンプラザが会場でしたが、今回は総会と同じ出版クラブで、テーマに相応しい(?)1が三つ並んだ日の開催となりました。ただ、今年は9月の初めに合評研究会が組まれ、ここから協会の秋が始まる形になりました。そして、これもお届けしたように、今年は、10月16日に、「フォーラム・子どもたちの未来のために」を開催することになったわけで、例年にも増して忙しい秋になりそうです。

【いささか個人的な話になりますが……】

僕は例年この時期に、北海道小樽の絵本・児童文学研究センターが主催する児童文学ファンタジー大賞の選考委員会があり、今回の合評研は失礼させていただきました。10月下旬には、郷里の秋田で国民文化祭があり、児童文学関連のイベントを少し手伝うことになるので、今年の秋は移動距離の長い2、3ヵ月になりそうです。国民文化祭というのは、あまりご存じないかもしれませんが、国民体育大会(国体)を追いかける形で全国の都道府県持ち回りで開催される「文化の祭典」で、国体でいろいろな種目があるように、演劇とか音楽とか舞踊とか、さまざまなジャンルの催しが県内各地で開かれます。これらのジャンルの中で、文学というのは多分一番イベントにしにくいジャンルで、短歌・俳句の募集というのはほぼ毎回あるようですが、文学、とくに児童文学関連の催しは、開催県によってあったり、なかったり、という感じです。以前、山形で開催されたときは、山形童話の会(協会の山形支部)が中心となって作品募集を行ったりしていました。

今回の秋田では、僕の郷里に近い(隣の町です)角館(今は合併して仙北市になっていますが)に新潮社記念文学館というのがあって(新潮社の創業者がここの出身なのです)、秋田の文学に関わる展示などを行います。その中の児童文学の部分を少しお手伝いしましたが、隣県の岩手(宮沢賢治)、山形(浜田廣介)のようなビッグネームがないのが、いささかつらいところです。この仙北市出身の直木賞作家西木正明さんが、同じ直木賞作家の森絵都さんを招いての対談なども組まれています。

その同じ日、秋田市で読書関連のイベントがあって、僕はそちらにちょっと“登場”します。今回は、講演に絵本作家のいわむらかずおさんを、シンポジウムに宮川健郎さんをお願いしました。いわむらさんは父方が秋田で、戦時中秋田に疎開されていましたし、宮川さんのお母様の宮川ひろさんは、若い先生として子どもたちを連れて秋田に疎開していたという、(ちょっと無理矢理感もありますが)縁もあり、今回お誘いしたようなことでした。

【この機会に、秋田に……】

ということで、(なにやら秋田の観光大使めいてきましたが)秋にどこかに出かけようということがありましたら、秋田らしく民謡などのイベントもありますので、10月あたりにお出かけいただければと思います。その時にですが、上記の角館と県の北部をつなぐ「秋田内陸縦貫鉄道」というのがあります。この鉄道は、景色は本当に(特に秋は)絶景なのですが、なにしろ過疎地域でもあり、何度か廃止の危機がありました。この存続のために中心になって活動してきたのが、協会員の大穂耕一郎さんです。彼は東京生まれですが、東北の鉄道に惹かれて(?)秋田大学に入学、卒業後東京・八王子で小学校教員をしながら、内陸鉄道の存続運動にかかわってきましたが、3年前、ついに教員を辞し、形としては臨時職員ということでしょうか、内陸鉄道の応援・宣伝部長(?)として東奔西走しておられます。そんな方も、協会にはいらっしゃいます。(この項終わり)

 

2014/09/09