講座ブログ

2019年9月

第69期創作教室に参加して

「私が物語を書く理由」  志津栄子   

 それは、さみしさからだったのかもしれません。

 創作教室に参加するまで、書くことは自分を見つめる辛い作業だったのです。

 私の中に棲みついているのは、自分の心にうそばかりついている意地っ張りな女の子や、居心地の悪さを抱えてうろうろ歩き回っている男の子たちでした。そんな不器用な人たちを解放していったら、もしかしたら私のさみしさがとけてなくなるのではないかと、ずっとそんなことを思いながら物語を書いてきました。夢中になって書き続けました。

 この春、思い切って新幹線に乗り、岐阜の山奥から東京に出てみました。

 するとそこには、今まで出会ったことのないような個性的で魅力的な人たちが集まっていたのです。キラキラ……、いいえ、ギラギラとした世界の扉が開いた瞬間でした。

 ちょっとせつないザシキワラシくん、スーパーナンセンス、ほろりとする犬のお話、SF、エンタメ、歴史物、文学の香り高い作品、なんだかエロくてドキドキしちゃうお話、胸きゅん物語、その作者たちは、お互いにどこの誰で、普段は何をしている人なのか、何も知らなくて、ただこのお話を書いている人という立ち位置がとてもここちよかったのです。初めて仲間がいるという心強さを知りました。私の作品をいつも丁寧に読んでいただいたこと、感謝しています。

 講師の先生方には、愛情たっぷりにご指導いただきました。時には優しく、時にはバッサリと。

 おかげで、書くということが、自分のためだけでなく、読む人にとっても、もしかしたら一筋の光だったり、心を温める何かになったり……。そんなふうになれたら嬉しいなと、今は思えるようになりました。

 素敵な時間をありがとうございました。書くことは希望です。

                                   

 

2019/09/28

秋の一日講座 講師からメッセージ!

一日講座にむけて 那須田淳

 9月にベルリンから戻ってきましたが、台風で日本からの飛行機が遅延して、乗り継ぎのフランクフルト空港で7時間も待たされてしまった。近年、台風の発生の仕方が以前と変わりつつあるけれど、これも地球の温暖化の影響でしょうね。環境ということでは、ドイツでもこの夏は熱波に見舞われ、気温が40度近くまであがって大変でした。

 

 なにしろ少し前までは、25度を越えれば暑くて勉強ができないから学校が休校になるという慣習があったところだし、ほとんどの家ではまだクーラーもないのでみんなぐったりしていた。もっともクーラーを取り付けようと思っても、我が家もですが都市部は集合住宅が多く、たいていは壁が厚いし、景観の問題もあって室外機を取り付けるのも難しい、さてどうするか…。これも一つの社会問題かもしれません。

 

 こんな身の回りの変化や世の中での小さな気づきが、物語づくりのヒントにもなるものだと思います。今度の講座では、戸森しるこさんとそのあたりのことも含めて楽しくお話しできたらと考えています。

 

一日講座にむけて 戸森しるこ

 こんにちは、児童文学作家の戸森しるこです。秋の一日講座の講師をさせていただくことになりました。

 

 那須田さんとご一緒させていただけるということで、わたしもお話をうかがうのがとても楽しみです。児童文学作家を目指し始めたころに、わたしも別の場所でこのような講座を一度だけ受けたことがありますが(その時の講師は石崎洋司さんと梨屋アリエさんでした)、自分がお話しする側になるのは今回がはじめてです。

 

 児童文学作家志望の方が多くご参加されると思いますので、新人賞に応募していた頃のこと、物語を書くために意識していること、現在の執筆についてなど、いろいろお話しする予定です。今年はデビュー丸3年の記念イヤーということもあり、戸森しるこ拡大化計画を実施中で、人前でお話しする機会も持てたらと考えていたところでした。そんなタイミングで今回のお話しをいただき、誠に光栄なことと思っております。

 

 不慣れな部分もありますが、どうぞよろしくお願いいたします。こういう話がききたい、というようなご希望がございましたら、ツイッターかブログの方にお気軽にメッセージをお送りいただければと思います。

 

11月30日(土)秋の一日講座は、ただいま、申し込み受付中です。

この時しか聞けない話をしますので、迷っている方、一步 踏み出すつもりで、ぜひ、いらしてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019/09/19

あと一回となりました!

第47期 日本児童文学学校も残すところあと一回です。9月29日、日曜日です。

最後には、提出作品の最優秀賞、優秀賞の発表をします。ドキドキです。

 

先日、事業部員があつまって、児童文学学校 提出作品の選考会をしました。

いろいろ意見がでて、活気ある選考会でした。

結果は、29日の講義終了後の修了式で発表です。楽しみにお待ちください。

 

また、29日は、人気作家 いとうみくさんと、現役編集者 山岸都芳さんがご登壇されます。

名作『空へ』がどういう風に誕生したのか、話してくださるとか。

質問も受け付けてくれるというので、事業部からも質問を考えました。

答えにくい質問もぶつけましたが、ありがたいことに、考えてくださるとか!

創作を志す人には、とても有意義な時間になりそうです。

この講座、一回だけのビジターで聞くこともできます、でも、人数にかぎりがあるので、必ず来る前に事務局に問い合わせてください。

また、第69期 創作教室も、今週土曜日で最後です。来月から第70期が始まりますが、申し込みそうそうに定員になってしまいました。次の第71期の申し込みは来年からになります。申し込み開始は、ホームページからみれますので、確認してください。

 

2019/09/18

日本児童文学学校・感想 12

47期 5回目を受講して   南口菜々

 

この日、とにかく私は緊張していました。講評をいただく作品のうちのひとつが、自分のものだったからです。

ですが、いざ、木村研先生の講評が始まると、そんな気持ちは吹っ飛びました。先生は、作品の大きな流れや、登場人物の心情、そして発想を大切に、丁寧に見てくださいました。今回はひとつの特徴的なモチーフについて扱った作品が多かったので、ひとつのアイデアをどう面白くしていくのか、とても考えさせられました。

そんなわけで、作品のことを考え始めたら、緊張はどこかにいってしまったわけです。先生は、よく「緊張の必要はない」と言ってくださっていたのですが、本当にそうですね。私、先生が優しすぎて裏があるのではと勝手にドキドキしていました。大変失礼いたしました。

休憩を挟み、あんびるやすこ先生のお話です。先生は、ひとつの本を作る過程を、たくさんの図像と共に、具体的に示してくださいました。印象に残った点はいくつもあるのですが、中でも、「無理に作った話は言葉にできない」、そして、「他者理解」というテーマが根底にある、というお話がとても興味深かったです。また、「他者理解」というテーマには、「本作りはプレゼント選びと一緒で、子どもに喜んでほしいから、相手が何を好きなのか事前調査をする」というお話とも共通のものがあると感じ、とても勉強になりました。

まずはすぐに出来そうなことから、ということで、愛犬のキャラメルにプロットをお話してみました。しばらくすると、お手をしてみたり、伏せをしてみたり……いつまでたっても私が話をやめないので、途方にくれたように、しっぽが下がっていきました。この子でさえ他者理解しようとしているのに、私ときたら……。反省したので、ササミをあげました。しっぽが上がりました。

 

 

2019/09/09

秋に一日講座、9月から募集開始

東京は、涼しくなりました。雨が多い秋のはじまりです。

さて、11月30日に開催される「一日講座 今、こどもたちの心をつかむには?」の募集が開始されました。

プロフィールも追記されていますので、ぜひ、見てください。

戸森さん、那須田さんの講演のあとは、トークショーをします。トークショーの司会は、わたし、赤羽がすることになっています。詳しいことはこれからつめるのですが、会場からの質問もうけつけたいと思います。

編集者さんに「子どもが喜ぶ、おもしろい話をお願いします!」とたのまれ、ふと、「今の子どもたちは、このテーマで喜ぶかな?」と不安になったりします。

令和元年、まっさらな気持ちで、児童文学について、語り合いたいと思います。

これから書く方だけでなく、長く書いてきている方も、ちょっとこの頃、いきずまってしまってるなっと感じる方も、大歓迎です。また、野次馬でこのあたり、暇だから顔をだそうと軽い気持ちで来てくれるのもアリ! 来た人が何かをつかめるような、そんな時間にしたいと準備していきます。

事業部一同、お待ちしています。

 

 

2019/09/05