第50期 日本児童文学学校 感想⑬
ここは、はじまりの場所 はらだあいり
20代の頃、私は「いつか絵本を書くからね!」と友人たちに宣言していました。文章を書くのが好きで、子どもの頃の夢は童話作家。家族の海外赴任で自由時間が増えたこともあり、今がその時なのかもと、見つけた絵本の賞に応募することにしました。その過程で痛感したのが、作品として仕上げることの難しさです。“まず一度、きちんと学んでみたい。どんな世界なんだろう”それが受講のきっかけでした。
講師の先生のお話は、書きとめたい言葉がいっぱいで、心と手と耳がフル稼働。
受講してよかったと心から思います。
「もっともっとと、考えをしぼり出すように書く」「発想ノートを作る」「大好きな作家さんの文章を丸写しして、文章の中の呼吸をつかむ」「できるだけ開いた言葉で」「絶えず感性をフル回転」「読みやすく」……。教えていただいたことは、プロの書き手としての自分の軸になるのだと思います。
受講生の作品講評は、何より刺激的です。先生の講評はもちろん、同期の受講生たちの感想も、着眼点の違いが面白く、勉強になります。オンラインでなく、同じ場にいられたら、もっと場の空気を色々感じられて、何気ない会話もできて、仲良くなれるのになぁ、と思ったタイミングで、スタッフの皆さんが企画してくださったオンライン飲み会。お喋りをきっかけに、同期の仲間がプライベートでもつながって交流が始まりました。それぞれ書きたいものは違うけれど、創作について意見交換できる仲間は、特別な存在です。機会を作ってくださったスタッフの皆さま、ありがとうございます。
講座の雰囲気が、和やかで優しくて温かく、とても安心できます。たたいた扉の向こうに、素敵な先輩方と仲間たちがいます。好きなことを学べる喜び。毎日、選びとる言葉を探して探して、生きている気がします。新しい自分は、まだ始まったばかり。たくさん吸収して、成長していきたいです。