講座ブログ

創作教室 第71期 講師より

あけましておめでとうございます。

年が明けまして、新年度の日本児童文学学校、創作教室、実作通信講座の案内をホームページに掲載しました。申し込みは1月6日からです。興味をもたれたかた、ふるってご参加ください。近年は地方からの参加も増えています。

4月からの創作教室、第71期の講師のひとり、濱野京子さんはご自身も創作教室、ご出身です。同じ教室から人気作家がたくさん生まれ、今一線で活躍されています。

新年、初めの講座ブログは、濱野京子さんに創作教室当時を思いだして、書いていただきました。

創作教室の思い出 濱野京子

 ふとしたはずみで、児文協の創作教室に通うことになったのは、2004の秋でした。10月16日、緊張しながら、はじめて神楽坂の事務局に足を踏み入れたのですが、室内を見わたしてびっくり。こんな雑然としたところで?? 正直なところ、なんだかなあ、と思ったものでした。結果的には、通ったことは大正解でした。何よりも、生涯の、といえそうな仲間と出会うことができました。

当時は事業部長が最初と最後の回を受け持っていたので、私が始めて出会った講師は、事業部長だった加藤純子さんです。口癖は「読んで、読んで、書いて」。「読んで」が一つ多い意味を、今も時々かみしめています。

私が通った40期、41期の受講生で、その後、作家デビューを果たした人が7人います。40期からは工藤純子さん、イノウエミホコさん、佐藤佳代さん(佐藤さんとは41期も一緒でした)、池田ゆみるさん。そして41期では、田部智子さん、にしがきようこさんです。

 一期半年でやめるつもりが、もう半年続ける気になったのは、講師のお一人だった最上一平さんの講評が面白かったからです。私の作品に対して、ということではありません。受講者のレベルにはばらつきがあって、中にはまだ書き始めてさほど間がない方もいたのですが、そういう方には少し優しく、手練れにはやや厳しく。コメントのさじ加減が絶妙でした。

 この頃の様子は、田部智子さんが、このブログに楽しく紹介してくれていますので、合わせて読んでみてください。

 創作教室に「空はつながっている」という短編作品を提出したことがありました。これは、何かに応募するといった目的もなく、本音をいえば、社会にコミットする意識が希薄な人への挑発的な気分もあって出したのですが、最上さんから、児文協の〈新しい戦争児童文委員会〉が短編作品を募集しているので、応募するようにと勧められ、後に「おはなしのピースウォークシリーズ」の第三巻に収録されることになりました。

 41期の途中で、単行本のデビューが決まり、翌年、初めての本が出版されました。その後、つぎつぎと仲間のデビューが決まっていくことになります。

 創作教室には波があって、活発な期と、さほどでもない期があるようです。活発な時期というのは、たぶん、受講生同士が仲良くなっているのではないかと、何となくですが感じています。今も、上に名を挙げた方々は、刺激し合える仲間として、とてもありがたい存在です。

 書くというのは、本来孤独な作業です。夜に自分の作品を過大に評価したかと思えば、翌朝にはすっかり自信を失ったりするもの。そんな時、冷静にアドバイスしてくれる仲間はありがたいものです。それより何より、あの人も、くじけそうになりながらも、頑張っているのだな、と思うことが自分を支え、また励みになるものです。

 このたび、思わぬ形で、創作教室という場に戻ってくることになりました。71期が、後々、活発な時期と言われるよう、受講生のみなさんとともに、充実した時間を過ごせることを願っています。  

 

2020/01/06