●いつ、どんなきっかけで入ったのか
わたしは20代のころ、童話作家になりたい!と思い、立原えりか先生主催の童話塾や通信講座を受講していました。けれども道半ばのまま30歳で結婚し、そこから10年間は、家事・育児・パートに追われる毎日……。創作から離れてしまいました。にもかかわらず、「いつか童話作家になる!」という熱い想いだけは、しっかりと抱いていました。
子どもが小学校へ入学する年に、家族で千葉県から神奈川県へ引っ越したのですが、そこで専業主婦に戻りました。自分の時間ができたとき、また創作を勉強したい! と思い、情報を調べていくなかで日本児童文学者協会と出会いました。
2019年に開催された協会主催の秋の一日講座に参加したとき、会場全体の雰囲気がとてもあたたかく、協会の人や参加者の皆さまは明るく親切で、わたしも仲間に加えていただきたい!と、入会を決めました。さっそく協会のホームページからメールで問い合わせをしてみると、とても丁寧な返信が返ってきて、安心したことをよく覚えています。
大好きな作家さんが何人も在籍されていたので、「憧れの人と会えるかもしれない!」という好奇心や期待感もありました。
●入ってよかったこと
たくさんありますが、最も強く実感しているのは、同じ志をもつ創作仲間たちとの出会いです。
執筆活動は、現在地もゴールもよく分からない、孤独な長距離マラソンのように感じることがあります。わたしの公募生活は挫折の連続だからです。そんなとき、ともに悩み苦しみ、親身になって考えたりアドバイスをしてくれる仲間のおかげで、並走者と出会えたような気持になります。ひとりきりではしゃがみこんでしまう場面でも、仲間の努力に励まされたり、言葉に勇気づけられて、また立ち上がることができます。
なまけそうな自分をぶっとばしてもらう? こともあります。三日さぼり……一週間さぼり……気づけば書けなくなるという魔のスパイラルも、仲間がいてくれれば、だいじょうぶ。みんながんばっているんだ!わたしも!という精神論はバカにできません。
リモートやテキストでの合評会に参加するときは、第三者のアドバイスを受け入れる柔軟な心を培い、自分の意見を最適な時間と文章で相手に伝える力を養う訓練にもなっていると思います。
さまざまな形でつながっている創作仲間たちは、わたしの宝ものです☆
現在、第49期日本児童文学学校をオンライン受講しているのですが、ここでも毎回のように仲間(並走者)の大切さを実感しています。
文学学校では、原稿を提出すると、講師の方が丁寧に講評をしてくださいます。わたしは筑井千枝子さんに担当していただきました。筑井さんからの講評を聞いているとき、わたしの原稿を深く深く読んでくださったことが伝わってきて、うれしさのあまり涙がこぼれてきました。数か月間の準備が報われた瞬間でした。これから思うように書けない時期があったとしても、筑井千枝子さんからいただいた言葉があれば、「だいじょうぶ。かならず書ける。わたしはまだまだ夢の途中!」と思い、がんばっていけると確信しています。
ちなみに、文学学校や創作教室などの講座は、会員でなくても参加できますが、入会していると「年会費を払っているのだから!」というケチケチ精神? のようなものが発動して、一字一句も聞き逃すまいと気合いが入ります(個人差あり)。お客さま感覚で受講するより、得られるものが大きいのではないかと思います。
よく耳にする言葉ですが、児童文学の世界に悪い人はいません。入会を迷っておられる方には、思い切って飛び込んでみれば、いいことがたくさんありますよ!と、自信をもって伝えたいです。お待ちしています!
●プロフィール
1978年生まれ。東京都品川区出身。合評会「チームかぐら」所属。身長180㎝元アメフト選手の大きな夫、145㎝ずっと文化部のチビなわたし、成長期真っ只中ゲーム大好き小5息子と愉快に暮らしています。