● 入会のきっかけ
協会主催の創作教室の門をたたいたのは2018年の秋、丁度今から三年前です。
さらに遡ること数年。当時のぼくは立ち上げたばかりの仕事を軌道に乗せることにいっぱいいっぱいで、なかなか娘たちとの時間が取れずにいました。イライラすることも多く、いい父親ではなかったと思います。
罪滅ぼしの気持ちもあったのでしょう。本の読み聞かせを始めました。
夜九時になるといったん仕事を切り上げて、娘たちの間に寝転がって本を読み聞かせ、娘たちが眠りにつくと起き上がって仕事を再開する。毎日とはいかなかったけれど、そんな日々が続きました。
物語を真剣に聞き入る娘たちの顔を見る喜びは格別でしたが、読み聞かせが長く続いた理由はそれだけではありません。いつしかぼく自身が児童文学の奥深い世界にすっかりハマっていたのです。
思えばぼくは本を読むのが好きな少年でした。
転勤族の父を持つぼくはたくさん引っ越しをしました。幼稚園は二つ、小学校は三つ行ったほどです。引越しのたびに選りすぐった本を段ボールに詰めて、持っていけない分を友達に渡しました。
どうにもならないことを、いつも本がなぐさめてくれていたと思います。
もしかしたら、大人になったぼくが児童文学に傾倒していったのは、当時イロイロ行き詰まっていたことと無関係ではなかったのかもしれません。ぼくは人生において二度、児童文学に救われたのです。
娘たちに読み聞かせをしているうちに、だんだん自分なりの物語が書きたくなりました。
軽い気持ちで通い始めたのですが、創作教室は本当に楽しかった。
同講座を68期、69期、70期と続けて受講したぼくにとって、協会に入会するのは自然な流れでした。
● 入会してよかったこと
深く児童文学の世界を知ることができる。
児童文学は楽しいですよ!
● プロフィール
建築士。神奈川県江ノ島近くに在住。愛犬と早朝散歩をすることが日課。「5分毎にひらく恐怖のとびら 百物語」第2期シリーズ入選。合評会「チームかぐら」所属