第50期 日本児童文学学校 感想④
書くことの楽しさ 錦織秀佳
文学学校を受講する前は、書くことが辛く、どうしてそこまでして書いているのか、わからなくなっていました。今から思い返すと、きっと、本を出す、賞を獲る。という目的がいつしか重しになっていたからだと思います。
当然、書くことが楽しいという友人の意見に賛同できませんし、書く期限を設けていたので焦りばかりが募り、苦しいばかりでした。
書くことが楽しいと思えたらどんなに素敵だろう。どうしたらそう思えるのだろう。手探りの中で、いろんな書き方の本も読んでみましたが、「書くことの楽しさ」については載せられていませんでした。
書くことが苦しいという気持ちが変わってきたのは、第49期の文学学校を受講し終えたあたりからです。
第49期、第50期と、2期連続で受講してもいいのかと気が引けましたが、第一線で活躍されている作家の方々の話を聞きたくて申し込みました。オンライン上で画面越しであっても、作家の方々の生の声を聞くことで、作品に対する姿勢、情熱が伝わってきて、書くことの「楽しさ」をも教えて頂いているように思えたからです。
講師の方々の話に耳を傾けるうち、焦る気持ちから、書くことが楽しいと思えるようになってきました。
これからの目標は、2回目の講師石井睦美先生の講義の中で言われた「自分の中にあるものを自由に書く」、「書くことで書けるようになる」を意識して、できるだけ多く書いて、こうじゃないといけないという先入観にとらわれず、柔軟に考え、表現できたらいいなと思っています。
わたしの作品を講評して下さった開先生が「児童文学の大きなテーマ」について語られた時、自分の書きたかったものが少し見えたように思いました。開先生の的確な解説と指摘を参考に、改稿して提出したいと思います。
また、講評のあとの雑談タイムでは、受講生の方々の疑問に、作家の方々の意見を聞くことでき、講義とは一味違う、学びや楽しみを得ることができました。
今期も遠方から参加できるようにオンラインとして開講して下さり、スタッフ、事務局の皆さま、ありがとうございました。あと4回の講座を、今からとても楽しみにしています。