講座ブログ

2021年7月

第49期 日本児童文学学校・感想

「児童文学を書いてみたい」 

                                                                                            かい 明美

 小学生の頃、姉の本棚から「だれも知らない小さな国」を手にとって読んで以来、佐藤さとるさんが大好きで児童文学が大好きなまま、大人になりました。

その児童文学を書いてみたいと思い始めたのは、今から四年前です。最初の一年はどうしていいのかわからず、「物語の書き方」の本を見つけては読みました。次の年からカルチャースクールで書き方を少しずつ学び、三年が過ぎようとしています。

昨年からのコロナウィルスの影響で通っているスクールの講座仲間が減り、とうとう一人きりになってしまい、そんな中、児童文学学校を知りました。

「色々な講師の方々のお話を聞いて自分の視野を広げたい。同じ志の友達ができたらいいな」という気持ちで、今回参加させていただくことにしました。期限が近づいていたので早速申し込み、以前ショートショートで書いた数行を十枚の短編に急いで仕上げ提出しました。

自分の添削指導の日になり緊張していましたが、しめのゆき講師から良い点や改稿ポイントをご指導いただき、自分では気付けなかった視点の大きさを感じました。自分は物語を作る上で、目の前の出来事に気をとられ過ぎていたなと思います。

如月かずささんの講義の中での、「キャラクターの声を聞く。キャラクターは物語や作家のあやつり人形になっていないか。言動が自然で筋が通っていること」などの言葉も、これから改稿する上で意識していきたい点です。

そして、この文学学校に参加して私が一番驚いたことは、十枚という作品に一人一人ちがうアプローチの仕方があり、個性があるということです。

たくさんの物語と人に出会えたことが、とにかく嬉しかった。今回参加して本当に良かったです。

 

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2021/07/30

2021年 秋の一日講座!

まだ、先ですが、一日講座の開催が決定しましたので、お知らせします。

2021年 秋の一日講座 

 『みんな書き続けよう!!』

イタリア×大阪×東京 オンライン 作家ライブ ここだけの話

 

 新型コロナ感染症は世の中に変化をもたらしました。児童書の世界でも、本屋の減少、電子図書の攻勢など、様々な変化がおこりました。何を書いていけばいいか、迷う作家も多いことだと思います。そんな中、秋の一日講座では、みんなで書き続けよう!!をテーマに、元気になれる講座を企画しました。

エンタメの世界で長いこと第一線で活躍されている令丈ヒロ子さん(大阪在住)、新鮮なテーマで常に読者を魅了する佐藤まどかさん(イタリア在住)のおふたりを講師にむかえ、デビューのきっかけから、何を大事に書いてこられたか、書き続ける秘訣などをお聞きしたいと思います。

 トークショーでは、みなさまの質問から話を広げます。

編集者とどうつきあえば良いの? みたいのから、ボツばっかりで、書き続けるのがいやになっちゃったー、なんて愚痴まで歓迎。たくさん生の声をお聞かせください。

創作の魅力がぎゅっとつまった講座です。ぜひ、お気軽に申し込みください。

 

日時:2021年 11月28日 日曜日 15:00から17:10(延長あり)

一部

 15:00から15:40

 「児童エンターティメントの過去から未来」  令丈ヒロ子

15:45から16:25

 「失敗は種!!」               佐藤まどか

二部

16:30から 17:10 トークショー 

 司会赤羽じゅんこ 令丈ヒロ子、佐藤まどか 

 

 オンライン ZOOM使用 定員 60名

 

参加費 2000円  希望者には見逃し配信を送ります。

 事務局まで応募してください。

質問は事前に受け付けます。一日講座質問と書いて、事務局までお願いします。

ささいなことでもいいので、どんどん質問してください。お待ちしています。

 

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2021/07/19

第49期 日本児童文学学校・感想

子どもが教えてくれること ささき あゆみ

 

書くことが好き。自分の本を出したい。

長い間、そう願ってきたものの、自分の心の中を満たしきるほどの「これを書きたい」というテーマが見つからずに過ごしてきました。

三年前に子どもを授かり、仕事も産休に入った頃、本屋さんで何気なくバーネットの「秘密の花園」を手に取りました。ぱらぱらと読み進めるうちに、子ども時代の自分を取り戻していくような、清冽な風が心を吹き抜けていくような感覚に満たされました。

子どもが産まれてからは、絵本もたくさん読みきかせてきました。「もっと読んで!」という子を膝にのせて絵本の扉を開くとき、この上ない幸せが訪れます。

子どもとお散歩するようになると、これまで忘れかけていた小さな生き物たちを再び「発見」する日々が始まりました。ハコベや、カタバミ、ダンゴムシに、てんとう虫・・・。これまでも確かに近くにあったはずなのに、「大人の目線」になって見えなくなってしまっていたものたち。そうしたものの存在と、再び出会うことができたとき、自分の心の扉が開けたような気がしました。

こうしたいくつかの経験が自分の心に折り重なっていくうちに、子どものための物語を紡ぎたいという想いが強くなりました。子どもといっしょに喜びたいこと。分かち合いたいこと。伝えたいこと。ようやく今、「書きたいこと」が、ぽこぽこと音を立てて、心の底から湧いて出てきた感じです。

今回の児童文学学校では、私が初めて書いた物語を辻貴司先生に講評していただきました。「大人と子どもの感じ方は違う。この結末を、大人は面白く思っても、子どもの中にはがっかりしてしまう子もいるかもしれない。」というご指摘をいただき、目から鱗であると同時に、お言葉が心にすとんと落ちました。

自分の書いた作品は、本当に子供のための物語になっているか。大人の物語になってはいないか。子どもが教えてくれることに、もっともっと、目を凝らして、耳を澄ましていこうと思います。

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2021/07/15

第49期 日本児童文学学校・感想

念願の……。   たこ ふみえ 

 

日本児童文学学校で、感染防止のためのリモート講座が開催されるようになり、遠くから参加される方も多いようですが、これは、ここ10数年、車いす利用者の私にとっても願ってもない機会でした。

ずっと、受講したいと思っていましたが、普段、行き慣れた場所や、バリアフリーを利用できる環境であれば、『車いすおひとりさま』で、どこまででも行ってしまう私にとっても、会場での受講はかなりハードルが高く、10年近く、思いは思いのままでした。

リモートと聞いて「これは、きっと、チャンスの神様が私に与えてくれた機会!?」と、さっそく申し込みました。

 

ここ数年、出口の見つからない迷路の中でさまよっている状態の私ですが、初回を受講して、パンッと気合いを入れなおしてもらった気がしました。とても刺激的で、その日は、夜遅くまで自分の作品をあれこれ見直しました。

毎月、違う講師の先生方から、ご自身が作品を作り上げていく思いや、実践的なお話が聞けるという、めったにない機会。自分の作品だけでなく、他の方々の作品への講評の中にも、いくつも、自分に当てはまることがあるという気づき。どちらも、新しいことを学びつつ、今一度、児童文学を、そして、自分の作品を考える大切な時間になっています。

 

リモート講座を開催していただき、本当にありがとうございました。

そして、運営をしてくださるご担当のみなさま、毎回、細かいお心配りに感謝しております。

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2021/07/13

実作通信講座に新講座を開設します!

実作通信講座ビギナーズ 10月開講

まったく初めて児童文学や童話を書く人のための講座を準備しています。

児童文学ってどんなものかって、丁寧に解説したテキスト付きです。

課題をひとつひとつやっていけば、より深く創作のしかたがわかることになっています。

課題は5つ

・「敬体」(です、ます体)を「常体」に直してみよう。

・「人」ではない、「何か」で場面を書いてみよう。

・物語の続きを書いてみよう。

・「三題ばなし」を書いてみよう。

・オリジナル作品を書いてみよう。(原稿用紙10枚)

 

たとえば、物語の続きを書いてみよう、という課題だと、テキストに物語が途中までのっているので、その続きを書くというものです。

課題は講師に送ると、添削されたものが送りかえされます。講師はプロの作家。

スタッフではなく、プロの作家が目をとおし、添削してくれる通信講座は、なかなかありませんよ。

テキストをつくってくれたのは、牧野節子さん。

このテキストがとてもよくできていて、わたしもやってみたくなりました。

また、一年間の受講期間中であれば、いつ課題をだしていいというのも、うれしいところです。

いそがしい時期ってありますよね。

そういうときははずして、じっくり考えてとりくめます。

この講座、なにも初心者だけが向いているわけではありません。ちょっと書いてるけど、壁にぶつかった人、新しい発想にいきづまった人、自分の書き方でいいのか、確認したい人にもおすすめ。

もちろん、

ちょっとためしてみたいってそのくらいの軽い気持ちでの参加も大歓迎。

まだ、ちょっと先の10月開講ですが、申し込みは受け付けています。

申し込みたい人は、事務局まで、メール、または、電話でどうぞ!

 

 

 

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2021/07/11

第49期 日本児童文学学校・感想

2回目の児童文学学校   さいとうえつこ

児童文学学校の参加は2回目で、今回はリモートで参加しています。前回最後の会が、参加できなかったのと、東京まで行かなくても、リモート参加できること。“リモートだと交通費が浮いてお得やん”これは地方の私にとって、“ラッキー!”と参加しました。

前回は東京についたときからドキドキ。教室の熱気に、ワクワク。自分がその場にいるだけでなにかをやったように感じていました。絵本は読んでいましたが、他の児童書は知らなかったので、とりあえずその場で売られている本を買って読みました。

今回は、講師の方の書かれた本を図書館で借りてきて読んでいます。先に読んでいるので、「ああ、あの話だな。はじめはそんな話だったのだ」と言われていることがわかりやすいです。

前回終わったらすぐ帰っていたのが、後の食事をしながらの話がおもしろいとわかり、途中からできるだけ参加しました。講義でわかったと思っていても、自分が腑に落ちないとなかなか自分のものにはなりません。それが後の食事会だったのでしょう。その中で、親しくなった仲間もいて、それが今の自分の励みにもなっています。それがないのは残念ですが、今回質問や雑談タイムをとってくださっています。自分ではうまく言葉にならない時、質問に出たのを見て「ああ、それわかる」と思うことがあります。何度も聞いているようでも、どこで腑に落ちるか、何が自分のものになるかわかりません。

今までは、思いついたことを、書けたことが嬉しかったのですが、自分の作品を講評していただく中で、相手にどう見えているのか、どう伝わっているのか少しは引いて見えてきました。

本やドラマも見る立場だったのが、作る立場になって見ていることがあります。今までとは違った楽しみ方ができるのは、大きな変化だと思っています。

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2021/07/09

おめでとうございます!

児童文学学校の扉の向こうに いまたあきこ

 

 はじめまして。このたび、デビュー作「きっと、大丈夫」を文研出版さんから出版していただいた、いまたあきこです。「いつか自分の本を出したい」という長年の夢が叶ったのは、ひとえに日本児童文学者協会の講座を受講したおかげです。

私は幼い頃から書くことが好きで、作家になるのが夢でした。ずっと憧れはあったものの、なかなか一歩を踏み出せずにいたのですが、あるとき児童文学学校のことを知り、思い切って第42期児童文学学校に申し込みました。講座は毎回が刺激的でした。児童文学の第一線でご活躍されている先生方のお話に聞き入り、受講生たちの作品を読み込み、自分の意見を伝える。しかも講座の後には憧れの先生方と一緒に喫茶店で談笑できる(!)。今思えば、この貴重な経験のすべてが、物語を紡ぐ上で大切なことばかりでした。文学学校修了後、42期の同志で同人「よつば」を立ち上げました。現在も2カ月に1度、合評会を行っています。同じ志を持った仲間に出会えたという点でも、文学学校に参加して本当に良かったです。

その後、第62期と63期の創作教室に参加しました。このとき講師を務められた高橋秀雄先生、松本聰美先生、安東みきえ先生、中野幸隆先生には大変お世話になりました。創作教室は色々な意味で本当にすごい講座でした。実力も熱意もある強者たちに囲まれての合評。しかも1カ月に2回の講座なので、書く量も読む量も(1人60枚まで提出できるので……)“半端ない”です。このときの、とにかく書いて、読んで、先生や受講生たちの鋭い意見を胸に刻み(ときにズーンと落ち込み)、受講生たちの個性豊かな作品について考えぬいた経験が、視野を広げ、書く力を伸ばしてくれたのだと思います。創作教室修了後は通信添削講座を受講しました。松本聰美先生にご指導いただきながら、自分の作品ととことん向き合うことのできた貴重な1年になりました。

その後もこつこつと創作を続け、児童文学賞の公募で初めて最終選考に残ったり、「5分ごとにひらく恐怖のとびら百物語」(文溪堂)の公募では入選することもできました。また、高橋秀雄先生のご助力もあって、文研出版さんへ作品を持ち込むこともできました。それから4年ほどかかりましたが、ご担当編集者さまが根気よく、あたたかく導いてくださり、ついに出版することができました。ご助言をもとに原稿を何度も書き直したこと、憧れの黒須高嶺さんが挿絵を引き受けてくださったこと、挿絵のラフ画を見せていただいたこと、表紙や目次のデザインが決まっていく様子。ひとつひとつの過程が本当に楽しくて、ものすごく勉強になりました。たくさんの方のご尽力によって完成した本を手にしたとき、「ついにここまできたんだ」という満足感と、嬉しさと、まだまだ信じられないような気持ちで胸がいっぱいになりました。

日本児童文学者協会の講座を受け、たくさんの人たちとの出会いがあったからこそ、夢を叶えることができました。あのとき、日本児童文学学校のとびらをたたいて本当によかった。心からそう思います。

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2021/07/06