講座ブログ

2020年3月

第48期日本児童文学学校・中止

大変残念ですが、第48期日本児童文学学校は、今年の開校を見送ることとなりました。

 

東京都は、新型コロナウィルスの感染が広がり、週末の外出自粛要請まで出ました。そのこともあってか、受講申し込みもふるわず、規程の人数まで達することができませんでした。このような連絡をしなければならず、本当に申しわけなく、残念です。

第48期日本児童文学学校は、今、活躍されている人気作家、ベテラン作家を講師にまねき、来ていただいた方に満足してもらえる講座にしようと、昨年から準備をし、話し合いを重ねてまいりました。

新型コロナウィルスの感染の拡大もありましたが、早くから申し込まれた受講生もいらっしゃったこともあり、なんとか規模を縮小してでもできないかと検討を続けて、最後の最後まで開講の方向で宣伝準備したため、決定が遅くなったことお詫び致します。 

また、提出された作品には、感想、アドバイスを添え、返却しますので、少々お待ちください。

創作教室のほうは、一ヶ月開始を遅らせて、開始する準備をすすめています。まだ、若干名ですが空きがありますので、事務局に連絡してみてください。

実作通信講座のほうは、今回は今までになくたくさんの方が申し込まれています。これからでもだいじょうぶです。お待ちしております。

 

 

 

 

 

2020/03/30

葦原かもさんより

第54回講談社児童文学新人賞佳作を受賞しデビューされて、活躍されている葦原かもさんは、なんと日本児童文学学校の卒業生です。かよっていた当時のことを思いだして、書いていただきました。

「本気」と「仲間」に出会えた児童文学学校              葦原かも

 

 私が童話作家になりたいと思ったのは、小学校のときでした。そのときから、書いたお話を担任や国語の先生に見せたりしながら、中学、高校、大学と、ぽつりぽつり書き続け、大人になりました。就職してもなお、本の選定をしている先生に作品を見せたりしながら、ぽつり…ぽつりと書いておりました。「20代のうちにデビューをめざしてはどうか」と言われたものの、遠い遠い目標にしか思えませんでした。そんな時、「日本児童文学」に載っていた「第20期児童文学学校」の募集を見つけて、「こういうので、ちゃんと勉強してみたら何かが変わるかも」、と思ったのが、申し込んだきっかけでした。会場は神楽坂で、職場に近く通うこともできそうでした。

 20期は、受講者が多く、Aチーム、Bチームに分かれており、活気がありました。講義は、砂田弘さん、森忠明さん、相原法則さんなどなど、どれも刺激的で、丘修三さんや泉啓子さんなどの実作指導も、とてもためになりました。だからといって、その期間内にみるみる、めきめき力がついたわけではありません。でも卒業時に得たものは、「本気でやってみよう」という気持ちと、そこから生まれた同人「にじゅうまる」の仲間でした。

 その後、実作指導でお世話になった泉啓子さんをアドバイザーに、毎月毎月、合評会を続け、同人誌も年に一度、出し続けました。そしてようやくデビューすることができたのは、児童文学学校を卒業してから、なんと四半世紀近くも過ぎてからでした。でも、子どものころからの夢を持ち続けることができたのは、ともに書きつづけてきた仲間と、元をたどれば児童文学学校の存在があればこそで、それがなければ、夢はディミヌエンドで消滅してしまったと思うのです。

 本を出すことができてなにより嬉しかったのは、子どもに向けて書いたものを子どもが読んでくれることでした。そして今、デビューはゴールではなくスタートなのだと、青ざめながら実感しているところです。当然ながら、デビューしたからと言って、本になる作品がつるつる書けるようになるわけではありません。ただ、本として世の中に出ていく作品というのは、子どもの心に届くものであること、おもしろかったり感動したり、読んでよかったなあと思ってもらえるものであること、などにあらためて気づき、そうでなくては編集者さんが「出そう」と思ってくれないことも実感しました。50代で地図作成の旅への第一歩を踏み出した伊能忠敬を尊敬しつつ、ぺたりぺたり、前に進んでいきたいと思っています。

 

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2020/03/24

工藤純子さんより

現在、人気作家として年に何冊も新刊をだす活躍されている工藤純子さんですが、作家になりたいとデビューを夢みていた頃がありました。その当時、創作教室にかよわれました。その頃のことを、お願いして書いていただきました。

創作をめざしている方々へのエール。ぜひ、読んでください。

創作教室、おすすめです! 工藤純子

みなさん、こんにちは!

わたしが日本児童文学者協会の創作教室に通ったのは、もう十五年以上前になります。当時、わたしは児童文学を書き始めたものの、どう書いていいかもわからずに、迷走していました。その挙句、作家になるなんて無理……と、小学生からの夢をあきらめかけていたのです。

そんな中、いじいじとネット検索しながら、たまたま児童文学作家の「後藤竜二」さんを入力すると、創作教室の情報がでてきました。

「まさか! 現役で活躍中の作家さんが、素人に教えるなんてこと、本当にあるの!?」

そのころ、児童文学者協会の存在も知らなかったわたしは、詐欺ではないか? と疑いました(疑り深くてすみません……)。創作教室に申し込んだものの、会費を振り込むのをためらい、直接協会まで持参したのです。

協会は、古いビルの五階にひっそりとありました。立派な大理石の建物をイメージしていたわたしは、そこでも、疑いを晴らすことができず……。

そして、創作教室初日。その日、講師の予定だった加藤純子さんがお休みと聞いた時、「しまった!」と思ったことはいうまでもありません。しかし、ご安心ください。次の回で、後藤竜二さんは、ちゃんといらっしゃいました!

感激したわたしは、後藤さんのいう事はそっちのけ。かぶりつきで、顔ばかり見ていました。それからも、貧乏性のわたしは、制限枚数ぎりぎりの六十枚を毎回提出しました。講師の作家さんをはじめ、いろいろな人が自分の作品を講評してくれる喜び! もちろん落ち込むこともありましたが、それでも「ナニクソ!」と、提出し続けました。

そんな感じの一年半。あのときの充実した日々は、今でも忘れられません。創作教室の仲間は、たくさん作家になりました。濱野京子さん、イノウエミホコさん、宇佐美牧子さん、飯田朋子さん……他にも何人もいたので、創作教室のチカラはすごい! と思っています。

そのときのメンバーや講師がすごかった……のかもしれませんが、今思えば、あのときの空気。いいものを書こう、お互いがんばろう、という空気が、みんなのチカラを引き上げていったような気がします。

今、創作教室に行くかどうか迷っている人がいたら、わたしは「ぜひ行ったほうがいい!」とお勧めします。絶対に損はしません。それどころか、一生モノの仲間、作家としてのチカラ、人生を変えるほどの何かを得ることができると思います。

あのとき、詐欺と疑って創作教室に行ってなかったら……今のわたしはいません。創作教室のすばらしさは、わたし自身が証明していると、胸をはっていえます。

みなさんも、勇気をもって、一歩! 踏み出してみてください。応援しています!

 

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2020/03/18

第48期日本児童文学学校・講師より

森川成美さん、講演

第48期 日本児童文学学校の講師もお願いしている、森川成美さんが小・中学生向けの講演をアップされました。

今回、許可を得て動画を掲載します。とても思いがこもった上に、わかりやすい講演で、たくさんの方に見てもらいたいと思いました。学校がお休みで家にいる方々、子どもといっしょに見てください。本を読みたくなると思います。

森川成美さんは、最終日9月27日の講師をお願いしています。その折りには、ファンタジーの書き方というテーマで創作者向けのものを話してくださるそうです。

テスト

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2020/03/15

第48期日本児童文学学校 準備中

第48期 日本児童文学学校は募集中です。

 

新型コロナウイルスの拡散防止のため、全国の小学校、中学校、高等学校が国からの要請で休校措置となり、日常が大変な今日この頃です。

そんなおりですが、4月19日(日)開校の第48期の日本児童文学学校は、ただいま開講にむけて準備をしています。物語を書きたい方、ことばの力で子どもたちを励ましたい方、夢をかなえたい方、ぜひ、いらしてください。

 

会場の換気に気をつけて、受講生同士の距離をはかり、マスク着用も可として、新型コロナウイルス拡散に注意しておこないたいと思います。体調が悪い方は、受講を見合わせるなどのお願いをしつつ、気をつけながら運営したいと思います。

もし、政府の外出禁止令などがでた場合には、開講を見合わすことがありますが、その折りには返金などの対応をさせていただくのでご安心ください。

 

日本児童文学学校の特徴

  • 実践的な講義

今現在、活躍されている講師が、懇切丁寧により役立ちやすい知識を披露してくださいます。昨年では、あんびるやすこさんは、プロットの書き方の細かいところまで教えてくださり、受講生は必死にノートをとっていました。

  • 活気ある合評

提出作品には、ひとり15分から20分ほどの時間をかけて合評をし合います。

どうしたらより読者に伝わる作品になるか、みんなで考え話し合います。

合評では作品の読み方を学ぶ機会にもなります。客観的に作品を見ることで、自分の作品の書き方や推敲にも役立ちます。

  • 絵本、童話から長編作品まで

ひと言に児童文学といっても絵本からヤングアダルトまで幅広い世代が対象です。そそこにむけて、様々な分野で活躍されている講師を選んでいます。

今期では、石津ちひろさんは、赤ちゃん絵本で大変人気が高い作家です。

また、森川成美さんは、時代物やSF,長編作品に定評があります。

最終日には、偕成社の現役編集者さんにも来ていただき、本をつくる側からのアドバイスもいただけます。

  • 仲間づくりができる

創作をめざす仲間が見つかります。日本児童文学学校・卒業生からは、数々の同人誌、勉強会が生まれています。また、既存のそのような会にはいって、活躍をされている方もたくさんいます。

問い合わせは 日本児童文学者協会・事務局 zb@jibunkyo.or.jp

 

 

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2020/03/13

第70期創作教室に参加して

目標は各自で    小此木 南楡

 

 このたび、講座ブログに一筆お願いされてしまい、今、考え考えパソコンに向かっています。日本児童文学者協会の「創作教室」に通って私は六期目が目の前ですが、それでこれまで参加した感想をというのです。

 しょうじきなところ、私のようにただ長くいるだけの者よりも、適任の方は今期だけでも何人もいらっしゃるというのに、何となく肩身が狭いです。それでも何か、興味を持ってここをご覧になった方の参考になるところあれば。よろしくお願いします。

 

 六十六期より参加を初めて二年半になります。創作は子どものころより大好きでしたが、成長とともにいったん児童文学を離れてほかのジャンルを放浪し、戻ってきたのはつい四、五年ほど前だったでしょうか。

 創作教室は、自分の書いた物語を人前で発表することと、ほかの受講生の書いた物語の感想を述べることという、二つの訓練を主に行います。講師の先生方は合評の進行とともに、受講生一人ひとりの個性と能力を把握し、講評を行います。

 もっとも、受講生どうしも回を重ねるごとに互いの出す作品の個性、出来不出来、面白みなどに気づきはじめます。期の半ばあたりからはくだけた気持ちで合評が進むことも、よくある風景なのです。

 受講生は、実力的にほぼ完全な初心者から伸び悩む中級者までいらっしゃるし、気持ちの上でも半ば趣味の方からプロになる最後の一手を知りたくていらっしゃる方までさまざまです。

 この「さまざま」なところが創作教室の大きな特徴であり、空気の切り替わりを感じる部分でもあるように思います。

 六十六期のはじめ、私は生活や仕事のプレッシャーで疲れていて、受講が決まった教室にも何の期待もしておりませんでした。

 合評は、大昔経験があったので、怖くはありませんでした。ここは難関公募がどうのより、勉強だけしっかりしようと決めました。

 だから予習や復習は可能な限り行いましたし、批評・感想も上手く伝わればいいがと願いながら言ってきました。私には他に何もないのでした。そこは多分、今も変わりません(ああ、「書くこと以外自分には残されていない」と断言する人は、実は他のこともそこそこできるという、しょっぱい模範解答を知ってもいるのだけれど)。

 で、現段階では、「教室では自分で設定した勉強に限っては、案外そこまで疲れない」ということは、教室参加の体験談としてここに報告してもいいかと思ったのです。

ここをご覧の受講生の方も、受講を考えていらっしゃる方も、余計な背伸びなんかいらない、各自目標を設定して、教室をのぞいてはいかがでしょうか。

 

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2020/03/10

第47期・最優秀作品が掲載

機関誌を読んでください!  赤羽じゅんこ

 

コロナ、コロナで大変な騒ぎでいろんなものが中止になっています。早くおさまってほしいです。

 

さて日本児童文学者協会が発行している機関誌、「日本児童文学3-4月号」がまもなく発売されます。

これに第47期 日本児童文学学校の最優秀作品『天使のわっか』が掲載されています。

南口菜々さんの作品です。

毎年、4月から9月におこなわれる児童文学学校では、提出作品から最優秀作品一作、優秀作品2作を選びます。

南口菜々さんの『天使のわっか』は天使がどうしてわっかがついているか、疑問に思うところからはじまるかわいらしい作品で、提出されたときから完成度が高くおもしろく読めました。それを講師と受講生みなさんの合評をうけて、さらに書き直したものです。

南口菜々さんは、合評されたときの感想を講座ブログに書いてくれています。

ぜひ、機関誌を購入して読んでください。

また、優秀作品に選ばれた「かみなり」たかみやくみこ作 は、書き直しの上、同人誌季節風の投稿作品に選ばれたそうです。

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2020/03/06