講座ブログ

第70期創作教室に参加して

目標は各自で    小此木 南楡

 

 このたび、講座ブログに一筆お願いされてしまい、今、考え考えパソコンに向かっています。日本児童文学者協会の「創作教室」に通って私は六期目が目の前ですが、それでこれまで参加した感想をというのです。

 しょうじきなところ、私のようにただ長くいるだけの者よりも、適任の方は今期だけでも何人もいらっしゃるというのに、何となく肩身が狭いです。それでも何か、興味を持ってここをご覧になった方の参考になるところあれば。よろしくお願いします。

 

 六十六期より参加を初めて二年半になります。創作は子どものころより大好きでしたが、成長とともにいったん児童文学を離れてほかのジャンルを放浪し、戻ってきたのはつい四、五年ほど前だったでしょうか。

 創作教室は、自分の書いた物語を人前で発表することと、ほかの受講生の書いた物語の感想を述べることという、二つの訓練を主に行います。講師の先生方は合評の進行とともに、受講生一人ひとりの個性と能力を把握し、講評を行います。

 もっとも、受講生どうしも回を重ねるごとに互いの出す作品の個性、出来不出来、面白みなどに気づきはじめます。期の半ばあたりからはくだけた気持ちで合評が進むことも、よくある風景なのです。

 受講生は、実力的にほぼ完全な初心者から伸び悩む中級者までいらっしゃるし、気持ちの上でも半ば趣味の方からプロになる最後の一手を知りたくていらっしゃる方までさまざまです。

 この「さまざま」なところが創作教室の大きな特徴であり、空気の切り替わりを感じる部分でもあるように思います。

 六十六期のはじめ、私は生活や仕事のプレッシャーで疲れていて、受講が決まった教室にも何の期待もしておりませんでした。

 合評は、大昔経験があったので、怖くはありませんでした。ここは難関公募がどうのより、勉強だけしっかりしようと決めました。

 だから予習や復習は可能な限り行いましたし、批評・感想も上手く伝わればいいがと願いながら言ってきました。私には他に何もないのでした。そこは多分、今も変わりません(ああ、「書くこと以外自分には残されていない」と断言する人は、実は他のこともそこそこできるという、しょっぱい模範解答を知ってもいるのだけれど)。

 で、現段階では、「教室では自分で設定した勉強に限っては、案外そこまで疲れない」ということは、教室参加の体験談としてここに報告してもいいかと思ったのです。

ここをご覧の受講生の方も、受講を考えていらっしゃる方も、余計な背伸びなんかいらない、各自目標を設定して、教室をのぞいてはいかがでしょうか。

 

2020/03/10