毎年、日本児童文学者協会では、がっぴょうけん(合評創作研究会)を開催し、作家、編集者いっしょになって、より子どもたちの心に届く作品をさぐっています。しかし、今年は新型コロナウィルスのため、開催を断念しました。残念だという声をたくさんいただきました。
そんなおり、毎回、がっぴょうけんに協力してくださっているフレーベル館の渡辺舞さんが、今の状況に負けないで、新しい物語を書いてくださいと声をかけてくださいました。フレーベル館は、フレーベル館 ものがたり新人賞 という公募で新人作家を応援してくれています。ぜひ、みなさまの物語をふるって応募してほしいということです。
フレーベル館ものがたり新人賞は、会社の創業110周年を記念し、2017年に創設。第3回目からは隔年開催で応募受付しているそうです。
第一回受賞作『右手にミミズク』、第二回受賞作『あの子の秘密』ともに、多くの方から注目される話題作で、輝かしいデビューとなりました。わたしも読みましたが、どちらも新鮮で読み応えのあるものでした!
新型コロナウィルスで思うように外出もできない今は、物語を書くチャンスかもしれません。
チャンスの前髪は逃げやすいといいます。
この夏、勇気をだして、前髪をつかみとるべく、一步ふみだしてください。(赤羽)
応募をおまちしています! 渡辺舞
クローゼットを開けて洋服をかきわけるとき、
いまでもときどき、「奥に異世界への道がつながっているんじゃないか」と思うことがあります。
ミシンが立てる音が「たったかたあ」と聞こえたり、ラッパのファンファーレに「テレレッテ、プルルップ…」と節をつけたり。
子どものときに児童書からもらったみずみずしい風景や音が、おとなになったいまでも、自分のなかに息づいていると感じる瞬間です。
みなさんのなかにも、きっとそういう原体験があるからこそ、
子どもたちのための物語を紡いでいらっしゃるのだと思います。
「フレーベル館ものがたり新人賞」は、そんな感性から生まれた作品をお待ちしています。
でも、お送りいただくまえには、
「子どもに寄り添う目を忘れていないか?」
「おとなの自分がじゃまをしていないか?」
原稿をなんども読み返して推敲し、作品と向かいあってください。
今を、そしてこれから先の未来を生きる子どもたちにひびく物語とのたくさんの出会いがありますように。
みなさんの作品を、心からお待ちしています!