講座ブログ

公募入選 おめでとうございます ④

子どもの頃の私が誘った      瀬川青加

 

怖いものは苦手です。テレビで怖いものの特集をしていると、慌ててチャンネルを変えます。でもこれは大人になってからのこと。子どもの頃の私はホラーマンガを書店で立ち読みしすぎて、書店のおばさんから「あなたはもうおしまい」と言われたこともあるくらい、怖いものが大好きでした。子どもたちに向けてお話を書くとき、私の心も子ども時代に帰っていきます。今回の「5分ごとにひらく恐怖のとびら 百物語」第二期の募集を知ったときも、子どもの頃の私が「書いてみなよ」と誘ったのでした。また、第69期の創作教室の仲間からも「応募してみたら?」とお声をかけていただいたことも背中を押してくれました。

 

その創作教室に参加させていただいていたときに書いた、原稿用紙十枚ほどのお話がありました。これが募集されているテーマのひとつに応募できるのではないかと考え、枚数を増やすことにしました。そのときに気をつけたのは、講師の先生と仲間の皆様からいただいた評価を思い出すことでした。そして、子どもたちが読んでくれたときに、余韻が残るようにと努めて書いてみました。

 

結果。採用通知の封書が届いて、ものすごく嬉しかったです。今でもその通知は、父の遺影の前に飾ってあります。創作仲間の皆様からも、お祝いのお言葉をいただき、とても嬉しかったです。仲間の皆様も採用されていて、励みにもなりました。過去に出版に携わったことや、雑誌に掲載されたことはありましたが、自分の創作作品が本になるのは初めてのこと。正直に書きますと、このまま芽が出ないのかと悩んでいたこともありましたが、ここから第一歩が始まるのだと、身が引き締まりました。選んでいただき、大変光栄です。本当にありがとうございました。これからも書き続けていこうと思います。

2022/02/10