天の川と渡る舟の楫の葉に 樫葉正之
2021年4月から、第72期、第73期と参加しています。実は2020年も申し込んでいたのですが、コロナ禍の影響で中止になってしまったので1年振りに、今度こそ、というわけです。この間、事業部の方々には大変なご苦労があったことと拝察します。この場を借りて、開催いただいたことにお礼を申し上げます。
コロナ禍での特別編成ということで、第72期および第73期は、定員8名、月1回の開催となりました。これが吉と出て、毎回、2時間半だとは信じられないほど凝縮された合評が行われています。
また、緊急事態宣言が発令されればZoomで、解除されればリアルでと、いずれも経験できたことは貴重な財産になったと思います。
僕はいわゆるカルチャースクールに通ったこともありませんし、児童文学学校も未参加、同人誌にも未所属(児文協の千葉支部には伺わなければ……)、創作教室はもちろん初の参加となります。そうです、そんなひとでも参加OKなのです。
ですから、初回の日は、どんなだろうかと身構えて、千葉市の自宅から日本児童文学者協会事務局がある神楽坂に行ったことを覚えています。
なにしろ、全員が創作をしていて、さらに講師は濱野京子さん(「先生」とは呼ばないで、とのこと)です。これはストイックな場になるに違いない、ばちばちと火花が散り、ぴりぴりとした空気のなかで怒号が飛び交ったりするやも……。と、想像を巡らせていましたが、まったくそんなことはなく、初回こそ慣れない環境ゆえに異様な緊迫感があったものの、2回目以降は和やかな雰囲気で進行しました。
特に、参加してよかったと感じる点は、以下です。
①絶え間なく原稿が提出されること
②作品をより面白くするためにはどうすればよいか? を考えられる場であること
最初に、①はそれだけで刺激になります。毎回、実際に原稿が書かれ、提出されている。自分がこれだけ書いている間に、あのひとはこんなに書いている。提出作品を受け取る度、その実感も伴います。
そして、②はただ提出作品に対して良し悪しを印象批評するだけでなく、どうすればより面白くなるだろうか? と参加者全員で考えられる場に、創作教室がなっているということです。
普段は、児童文学創作をしていると当然(?)周囲に言うはずもなく、黙々と公募新人賞に向けて書く。作品を読んでもらったり、遠慮のない感想・意見をもらう機会もない。そんな風に、孤独に創作しているひとには強くおすすめできる場だと思います。僕以外、みなさん心優しい方ばかりです。
「天の川と渡る舟の楫の葉に思ふことをも書きつくるかな」
上記は、以前から執筆している物語の主人公がとても好きな和歌です。
僕はこれからも、天の川を渡る、創作という舟を漕ぐ楫の葉に、思うことを書いていきたいと考えています。
来年4月開講の第74期創作教室の講師は、田部智子さんです。日程など詳しいことは、お正月までには、ホームページで告知します。
申し込みは1月7日から。事務局にメールで確認して席をとってから、お振り込みをお願いします。コロナのため、定員が八名ととても少ないので、希望される方は、1月7日に申し込みされることをおすすめします。
第二回 オンライン創作教室の講師は、升井純子さんで、定員は10名。こちらも申し込みは1月7日までです。