▸新型コロナウイルスが世界を席巻する中、アメリカでは大統領の就任式が行われ、日本でもその模様が大きく報道されました。ひときわ目を引いたのは若き黒人女性アマンダ・ゴーマンさんによる詩の朗読です。敗れたとはいえトランプ前大統領が獲得した票は前回より多く、アメリカという国の分断は深刻であり、バイデン大統領も難しい舵取りを迫られるでしょう。それでも、カマラ・ハリス副大統領が11月に行った勝利演説といい、このような瞬間に立ち会えるアメリカの人々が羨ましい気がしました。
▸力強く美しい言葉だと、私の心を動かしたそれは、どちらもマイノリティである女性によるものでした。
▸余談ですが、「美しい」は、いつの頃からか使い勝手のあまりよろしくない言葉となりました。用い方によっては陳腐であるというだけではない事情は、「感動」が使えなくなったのに似ていますが、『日本児童文学』1-2月号に載せた短編「壁」の中のあるシーンで「美しい」のほかに言葉が浮かばず、 「なんてうつくしいのだろう」 と書きました。仮名に開くとニュアンスが変わる。これは日本語ならではのことでしょうか。
▸前置きが長くなりましたが、本題です。 児文協の行事ではありませんが、学習会を一つ紹介させてください。
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JBBY希望プロジェクト・学びの会 2020年度 第3回(オンライン)
「震災から10年 被災地の子どもたちが教えてくれること」
講師:菅野祐太さん(NPOカタリバ・コラボスクール大槌臨学舎長/大槌町教育専門官)
日時:2月11日(木・祝)14:00~16:00 参加費:1,200円
申し込み方法など詳しい情報はJBBYのHPをご覧ください。 https://jbby.org/news/domes-news/post-10486
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JBBY(日本国際児童図書評議会)の希望プロジェクトというのは、困難な状況に置かれている子どもたちに本を通じての支援を行うチームで、要請にしたがって本の寄贈を行うほか、実際に現場で活動・研究されている方のお話を伺い、活動に生かすための勉強会を行っています。
▸今年度3回目は、東日本大震災10周年ということもあり、その関連で菅野祐太さんを講師にお招きすることになったのですが…。大槌? 臨学舎? なんか記憶がある……。過去の記録をたどっていくと、なんと2013年12月に訪れたところでした。
▸それは、当時の児文協会報部の有志が、岩手を訪問するというので、混ぜてもらっての旅でした。その時の案内役が、我が子どもと平和の委員会のメンバーである指田さん。私たちは、当時、釜石の旅館をお手伝いしていた指田さんと宮古で合流、宮古では小学校訪問。大槌、釜石ではいくつもの場所をご案内いただき、いろんな方から被災当時の話を伺いました。大槌臨学舎はそのうちの一つでした。
▸今、こうしてパソコンに向かいながら、7年前に遠く離れた岩手でお近づきになった指田さんと同じ委員会に所属していることに、不思議な縁を感じています。
▸他団体主催のイベントではありますが、ご都合のつく方がいらっしゃいましたら、ぜひご視聴ください。
▸なお、本年度希望プロジェクト第1回「コロナ禍と子どもたちの居場所――学校ソーシャルワークの視点から」の報告記事を濱野が書いてますので、ご関心のある方はご一読ください。 ↓
https://jbby.org/kibou/post-10408