編集部だより

2021年11月

様々な“物語の猫”に出会える『日本児童文学11・12月号』☆

 機関誌部ブログをご覧のみなさん、こんにちは。山﨑です。

 すっかり日が短くなりました。日中は日向を求め、ノートパソコン片手に部屋を移動します。寒いのは得意ではありませんが、ストーブをつけた時の灯油の匂いや「チチチチ、ボボッ!」の音は好きです。柚子茶やホットレモン、熱々の鍋料理、日向&こたつで読書などなど、寒い冬も楽しみながら過ごしたいと思います。

 10月20日(水)に、第17回編集会議をリモートで行いました。今回も編集委員9人全員参加です。今後の特集・企画などについて、話し合いました。また、10月12日『「日本児童文学」を読む会』について、「参加人数はホストを含め14人。今回も特集についての貴重な意見をいただけた。」との報告もありました。ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。

 『日本児童文学11・12月号』の特集は「ファンタジーの猫」です。

 まず、表紙絵のアンニュイな雰囲気をまとう猫に、しばらく見とれてしまいました! イラストを描いて下さった伊藤秀男さんの《表紙のことば》(もくじのページ・左下)で、より一層モデル猫に愛着が湧いてきます。そして、”庭先でデンと居座るトラネコとそれをスケッチする伊藤さん”……その光景が目に浮かんできて、もう、表紙から心がぽかぽかしてきました!

 猫好きにはたまらない、猫特集です。”可愛い”だけではない、様々な”物語の猫”に出会えます。

 詩・短編に登場する猫たち。読経したり、夜空の雲をながめたり、境目に立ったり、ミニバイオリンを弾いたり、とても魅力的です。

 論考もとても興味深く読みました。なぜ、ファンタジーの猫は死の世界を意識させる存在なのか、宮沢賢治と猫の関係、翻訳ファンタジーから読み取れる猫の役割など、新たな発見に夢中になりました。

 途中で登場する「私の猫まんだら」も楽しく(私も書かせていただきました☆)、コラムと共にシルエット猫ににっこり♪

 「エッセイ・自作の猫を語る」も知られざる背景にスポットライトがあたり、とても面白いです! 赤羽じゅんこ氏の「幽霊がとりつく動物は、猫しかないと思った」、丘修三氏「私は猫に性格が似ている。それで擬人化するときに猫をつかってしまうのだろう」、村上雅郁氏は「うちの黒猫がいちばんかわいい」と締め、渡辺仙州氏は長年住まわれていた中国からの視点で“日本の猫好き”など、それぞれに熱く語ってくださっています。

 「ファンタジーの猫 掌編募集 入選作」にも、たくさんの拍手をお送りします! 私も選考に携わりました。惜しくも選ばれなかった作品の中にも、私の心を温かくしてくださった作品がありました。次の掌編募集は「こわい話」です。ブルッと震えるような物語を、お待ちしています!

 毎号楽しみにしていた「仮想家族」。今回が最終回です。”ナノロボット”の治療薬! 近未来には実現していそうで、ドキドキしました。せっかく治療薬が開発されても、やはり新たな問題が発生します。考え方の違いによる対立や、ロボットの不具合など、どう解決すべきか、一緒に悩んでしまいます。命を落とす病気はもちろん怖いですが、感情がコントロールできなくなる病気の恐ろしさに震えました。つくづく人は感情の生き物なのだと痛感。最終回を読み終えた時、自分の家族が愛おしくなりました。みなさんはどう感じましたか?!

 「プレイバック『日本児童文学』」その6、最高に楽しいので、ぜひぜひ読んでください! ”財産目録”は愛情にあふれています。一緒に働くメンバー紹介のようで吹き出しちゃいました! すっかり「児文協事務局通信」を書いて下さっていた中島信子さんのファンになりました☆

 

 どうぞ、みなさんも11・12月号を楽しんでください!

 そして、感想をお寄せくださいね。

 また、ご報告いたします!

 

 山﨑

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【お知らせ】

Zoomオンライン『日本児童文学』を読む会

 

【日 時】 12/17(金)18:30~20:30

【テーマ】 2021年11・12月号

【ホスト】 奥山恵(編集長・評論家)

【ゲスト】 間中ケイ子(編集委員・詩人)

【申し込み方法】 メールにて megumiokuyama18@gmail.com

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2021/11/15