3・4月号の感想と裏話☆
機関誌部ブログをご覧のみなさん、こんにちは。山﨑です。
3月16日(水)に、第22回編集会議をZoomで行いました。
まずは、“ホラー掌編作品募集”へ、投稿してくださったみなさま、ありがとうございました! なんと51編もの作品が寄せられました! 編集委員全員で読ませていただき、只今選考中です。夏にピッタリなホラー作品を7・8月号に掲載いたします! 楽しみにお待ちください☆
そして、そして、「もう少し長い物語が書きたい!」というみなさん、お待たせいたしました! 11・12月号へ向けて、短編を募集します! テーマは「森」「川」です☆ 今回はどなたでもご応募可能なので、ふるってご応募ください! (詳細はブログ内の“お知らせ”をご覧ください)
今月は3・4月号の座談会にもご参加くださった、ズッコケファンクラブ会長の飯塚宣明さんがコメントを寄せてくださいました。
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『日本児童文学編集部だより』をお読みいただいている皆さん、こんにちは。
ズッコケファンクラブ会長・飯塚宣明(いいづかのりあき)です。
皆さん、『日本児童文学2022年3・4月号』はもうお読みいただけましたでしょうか?
この号では、2021年7月22日に亡くなられた那須正幹先生の追悼特集を組んでいただいておりまして、私もその座談会に宮川健郎先生、牧野節子先生とともに参加いたしました。
私はふだん、児童文学とかかわりのない会社に勤めておりますので、仕事が休みの日でないとそうした集まりには出席することができず、座談会は事前に日程調整していただき、出席者の皆さんにとって都合のいい2021年11月28日(日)、日本児童文学者協会事務局に集まって、那須先生の代表作『ズッコケ三人組シリーズ』を中心に大いに語り合いました。
どのようなことが語られたのかは『日本児童文学2022年3・4月号』をお読みいただければお分かりになりますが、この『編集部だより』でしか知ることのできないお話をちょっとだけいたしますと、この座談会は当初の予定時間を大いにオーバーして、本編には載せきれない『ズッコケ』や那須先生に関するお話がたくさん出ていました。
本編を読みますと皆さんがバランスよくお話になっておりますけれども、座談会では私がかなりの時間、お話ししております。
これを見事にまとめられたのが奥山恵編集長でして、座談会が終わってから1週間ほど経って届いた座談会記事の原稿は、すごくよくまとまった内容になっておりました。
これを座談会出席者めいめいが確認して何度か校正していくわけですが、私も以前に年一度、ズッコケファンクラブ会報『ズッコケタイムス』を作っていたので、校正経験はあったものの、あの当時はゲラ刷りのペーパーに赤ペンで校正記号などをまじえつつ手直ししていましたから、今回のようにメールの添付文書をひらいて、パソコンの画面に向き合いながら校正しますと、(時代は変わったなあ)と感慨深いものがありました。
年が明けて最終校正が届き、私の発言での固有名詞部分がすべて『』(二重カギ括弧)で括られていたときには、(日本児童文学者協会の機関誌はこんなにも丁寧に正確に作っておられるんだなあ)と思い、そのプロ意識の高さに思わず、(あとはすべてお任せして大丈夫だなぁ)と思った次第でした。
その期待にたがわず、『日本児童文学2022年3・4月号』が本になって私の手元にどど~んと届いたときは嬉しかったですね。
今後、那須先生のことはこの一冊を読まずして語れないだろうというくらい、那須先生にゆかりのある方々がこぞって寄稿され、その思いが凝縮された本ですから、私もちょっと多めに買わせていただいて、那須先生のお仕事や『ズッコケ』がお好きだった、私のお知り合いにお送りしたものでした。
そうしましたら、多年にわたる『ズッコケ』ファンの方から、まだその中身もよく読んでいないうちに「貴重な一冊を本当に本当にありがとうございます。とにかくお礼を言いたいです」と感謝のお手紙がすぐに返ってきました。
また、日本児童文学者協会事務局が献本されたのでしょうが、那須先生の奥様から私に「先日は『日本児童文学2022年3・4月号』を送っていただき、とても感謝しています。皆様のエッセー、メッセージ、論考など嬉しく読ませていただき、座談会の飯塚さんの発言はとてもリアルで目に浮かぶようでした」とおはがきが届き、那須先生の奥様もとても喜んでおいででした。
最後に・・・。
那須先生は子供の頃から映画がお好きだったと、以前伺ったことがありました。
私、数年前から見たいと思って買っておいたDVDがあって、それをつい最近、奥さんとふたりで見ました。
1970年に公開されたイタリア、フランス、ソビエト、アメリカの合作『ひまわり』という映画で、そのオープニングとエンディング、ひまわりがどこまでも果てなく咲いているシーンは、ソビエト連邦時代のウクライナで撮影されたものです。
この映画の中盤、地平線までつづく一面のひまわり畑のなかで「ひまわりやどの木の下にも 麦畑にも イタリア兵やロシアの捕虜が埋まっています そして無数のロシアの農民も 老人 女 子供・・・」という台詞があります。
人間が生きる過程、その歴史で戦争は何度も繰り返されて、多くの方々がその人生を全うしないうちに亡くなってきました。
私は今、那須先生が生きていたら、聞いてみたいことがいろいろあります。
でも、2021年7月16日に意識を失って以後、私からの問いかけに那須先生が答えてくださることはなくなり、同年7月22日からは問いかける機会さえ永遠に失われてしまいました。
那須先生がお書きになった『夕焼けの子どもたち』(1990年6月25日第一刷発行、岩崎書店)というエッセー集、このうちの『なぜ日本は平和なのか』のなかにこんな記述があります。
「日本は平和でいられるかどうか。それを決定するのは、政府でも日米安保条約でもない。きみたちの一人ひとりが、戦争を体験した世代とおなじように、いや、もっと強力に、『戦争は絶対にいやだ』と、大きな声で叫びつづけることだと思う。沈黙したとたん、戦争はたちまち、きみのまわりに忍び寄ってくるにちがいない。」
那須先生の書き残したさまざまな作品がこれからもずっと読み継がれていくことを、私は願っています。
飯塚宣明
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飯塚さん、コメントをありがとうございました。最後の一文に、那須さんへの想いの全てが詰まっていると感じ、グッときました。『夕焼けの子どもたち』は今は品切れで重版未定とのこと……近くの図書館にもネット販売もありませんでした。岩崎書店さん! 重版をお願いします! 戦争という信じがたい事態に向き合うために、自分たちが出来ることは何かを考えるために、那須正幹作品を読み直さなくては!!
3・4月号の表紙の那須さんの笑顔があまりに素敵だったので、動画を作りました。那須正幹氏の魅力を語らずにはいられなくなる『日本児童文学3・4月号』が、ひとりでも多くの方に届きますように。
【お知らせ】
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★Zoomオンライン『日本児童文学』を読む会★
【日 時】 4/15(金)PM6:30~PM9:00
【テーマ】 2022年3・4月号
【ホスト】 奥山恵(編集長・評論家)
【ゲスト】 相川美恵子(編集委員・評論家・研究者)
【申し込み方法】 メールにて megumiokuyama18@gmail.com
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★「日本児童文学」11・12月号 短編作品募集!★
「日本児童文学」2022年11・12月号は特集「森へ川へ」を予定しています。それにちなんで、「森」または「川」をテーマにした短編作品を募集します!
協会員内外、どなたでもご応募いただけます。ふるってご応募ください!
《作品・募集要項》
▼「森」「川」のどちらか一つを選んで応募してください。
【応募資格】どなたでも!!
ただし、本誌5・6月号の「応募券」を同封すること。
【締め切り】2022年6月末日(消印有効)
【字 数】26字×161行(400字詰原稿用紙換算10枚程度・タイトル別)
一人一編のみ
【応募方法】〒162-0825
東京都新宿区神楽坂6-38 中島ビル502 日本児童文学者協会
「日本児童文学」編集委員会宛
※「応募券」の同封をお忘れないようお願いします。
◎作品の選考は、編集委員会がおこないます。入選作は本誌に掲載し、所定の原稿料をお支払いいたします。
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また、ご報告いたします!
山﨑