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おすすめの本の紹介⑥

元気になれる小説   赤羽じゅんこ

 

自粛で時間ができたら、いつもは読まない長編の小説も読みたいところです。

そんなところでわたしが紹介するのは、原田マハさんの書いた成長小説『生きる ぼくら』です。

大人向けの小説ですが、十分、児童文学的でおもしろい!!

いじめをうけ、ひきこもりの麻生人生が主人公。ある日起きたら、いつもご飯をつくってくれたお母さんがいなくなっていました。

「わたしはもう、疲れ果ててしまいました。」という書き置きと、この中のだれかと連絡をとって、生きていってくださいと年賀状の束をのこして。

人生は、その中から蓼科に住むおばあちゃんのところに行くことにしまいた。昔、何度もいったことがあるからです。

しかし、蓼科に着くと、おばあちゃんは認知症で、おまけに知らない女の人がおばあちゃんと住んでいて・・・・。

そんな出だしてどうなるのかとぐいぐい引きこんで読ませてくれます。

蓼科の風景がまたきれい。御射鹿池という東山魁夷の絵になった場所も出てきます。

 

わたしがこの本と出会ったのは、昨年の中学生ビブリオバトルの決勝戦大会。残念ながらチャンプ本にはなれませんでした。

しかし、決勝戦に残った6人ほどの中で、わたしはこの本に一番ひかれ、読んでみたいと思って即、購入しました。

だけど、ずっとそのまま、机に積んでおくまま。忙しさにまぎれて、最後まで読めずにいました。

巣ごもりになって、一気読み! 長編の成長小説を読み終えると、やったー、読書したという、感動が味わえます。

読み出したら、小説の世界にどっぷりつかって、人生くんといっしょに、愕然としたり、悲しんだり、喜んだり。いろんな感情が味わえます。また、蓼科の山々が目の前にうかんできます。おいしい空気を深呼吸したような、旅にでたような気持ちになります。

今、田んぼで稲が穂をのばす時期。この本を読むのに、ぴったりの季節ですよね。

ぜひ、読んでみてください。

2020/05/09