楽しくて、ためになる 稲座さくら
先日、第五十期日本児童文学学校の第一回目の講義を受講しました。楽しくてためになる、期待通りの講義でした。
私が受講を決めたのは、文章を書くうえで、児童文学ならではのノウハウを知りたい、と思ったからでした。本格ミステリーやら純文学やら、世の中には様々な文芸作品がありますが、児童文学って、読んでいて一番楽しいけれど、実は書くのも一番難しいのでは? と思ったのです。なぜなら児童文学は、書き手の書きたいように書けばいいというものではありません。やはり児童という特殊な読み手に寄り添わなければならない。そのためのノウハウが色々あるはずだ、と思いました。それらを知るには、やはり実際に活躍されている児童文学の作家の先生方からじきじきに教わるのが一番です。
その期待通り、第一回目の講義では、貴重なノウハウを早くも複数学ぶことができました。「思い出よりも思いを書こう」、「童話では旅は必ず出発点に戻る」、などなど、なるほど、とハッとさせられるものばかりでした。
大人向け文学では、スピード感を出すために十枚の原稿の中に二十枚分を詰め込め、などと言われますが、今回提出作品でそれをした私は、詰め込み過ぎ、と叱られてしまいました。これも児童に寄り添う児童文学ならではの貴重なノウハウで、私にとっては目から鱗、教えてもらわなければ自分では気づけないものでした。
提出作品の講評は、まず最初に良い点を列挙してくださるので、そんなにドキドキしないですみます(笑)。講師だけでなく、受講生も感想を述べてくださるので、一般読者の視点での評価も知ることができ、とても参考になります。文学学校はまだ始まったばかりですが、楽しい半年間になりそうです。