〈平和〉と聞いて思い浮かべたあの本 ②繁内理恵さん

子どもと平和の委員会

委員会メンバー紹介② 繁内 理恵さん 

『茶色の朝』

  著者・フランク・パヴロフ 絵・ヴィンセント・ギャロ 訳・藤本一勇 (大月書店)

 

書評や評論を書いております、繫内理恵です。今年度も、子どもと平和の委員会で活動することになりました。

平和の大切さを私に深く教えてくれたのは、児童文学です。未来を生きる子どもたちに物語を語る作家の精神は、子どもたちが生まれてきて良かったと思える社会への希望を湛え、同時に、一見平和に見える社会にも戦争へと繋がる道があることをあぶり出します。

この『茶色の朝』は、暴力が音もなく静かに日常に入りこんでくることを描く、寓話的な作品です。猫が増えすぎることを解決するために、「茶色以外の猫をとりのぞく制度にする法律」を「仕方がない」と承諾したことが始まりになって、どんどん取り締まりは広がっていきます。茶色の犬以外の禁止へ。過去に茶色以外の犬猫を飼っていた人たちへの弾圧へ。そして、いつの間にか、茶色以外のものは全て許されない朝を迎えるのです。中学生ぐらいから、今の時代に重ねて、ぜひ読んでほしい一冊です。