動画第8回「読書バリアフリーと児童文学」全文起こし2/3
さて、こちらの動画、ご覧いただいてますか?
読書バリアフリーがテーマになっていますが、その前に「バリアフリー」って?
そんなことに対しても気付きにつながる今回の動画です。
***************
サ:録音図書なんですけれども。まあこういったケースに入ってまして、ここの部分(ケース底部)にはタイトルとか分類番号が入っています。
シ:『つくしちゃんとおねえちゃん』いとうみくさん、ですよね(『つくしちゃんとおねえちゃん』いとうみく作 丹地洋子絵 福音館書店)。私、ちょっと持ってきたんですけど。こちらの録音図書ですね。
サ:はい。
シ:ああ、素敵!
サ:これはあのケースがですね、保存ケース兼、郵送・貸出用のケースなんですけれども、この中身が、まあ普通にその、CD-ROMが。
シ:ほんとですね。普通にCDですね。
サ:はい、ここにこの1枚に収納されている、と。音楽CDのように、まあ1時間とか70分とかではなくて、結構何十時間も収納することができます。はい。で、これだけですと、まあペラペラですので、紛失したり破損しやすいので、こういったケースに入れて管理、あるいは貸出をしています。実際、あの。これじゃあどうやって聞くのかというのを……。
シ:はい、ぜひぜひ。
サ:はい。やってみましょうか。
シ:はい、お願いします。
サ:はい、これがですね、(カメラに向かって)ご覧になれますか? プレイヤーですね。えっと、デイジーという「デジタル・アクセシブル・インフォメーション・システム」というのが正式名称なんですけれども、その頭文字をとって「デイジー」。デイジーという規格で、視覚障害者等の方向けの録音図書は作られてます。そのデイジーの形式に対応したプレイヤーがこちらになります。
まずは、CDをケースから出してもらって。(プレイヤーのスイッチを入れる)
プレイヤー:ディスクがありません。
サ:セットしますね。(プレイヤーにディスクを挿入)
プレイヤー:音量15。ディスク図書『つくしちゃんとおねえちゃん』デイジー発行年月日 2022年6月10日 デイジー発行者 日本ライトハウス情報文化センター 先頭です 「つくしちゃんとおねえちゃん」福音館創作童話シリーズ いとうみく作 丹地陽子絵 日本ライトハウス情報文化センター 2022年制作 この図書は、第68回青少年読書感想文全国コンクール小学校低学年の部課題図書、および厚生労働省委託図書です。この図書は、著作権法第37条第3項に基づいて制作しています。又貸し、複製等による第三者への提供はできません。
デイジー図書凡例1:この図書の階層はレベル1です 2:挿絵の始めと終わりをグループで区切っています デイジー図書凡例終わり
目次:「いばりんぼう」4ページ 「あと五分」16ページ 「ドッジボール」32ページ 「なみだ」44ページ 「ごめんなさい」54ページ 目次終わり。
サ:はい。というようにですね、デイジー図書としての凡例レベル1と言っておりましたけれども、これは、大きな見出しが一階層のものがありますよ、という意味でして、例えば一階層の下にまだ小見出しとかがあれば第二階層になりますし、まあそういった、図書の構造をまず説明しています。で、著作権法のお話しがありましたけれども、この図書は著作権法第37条第三項という条文に基づいて制作しています。つまり、視覚等に障害のある方向けに、著作権者の許諾を得ない規定、著作権の制限下のもとに、こういった音声の図書にしてサービスをしていますよ、ということなんですね。なので、対象でない方に対して又貸ししたり、コピーして、視覚障害等ではない方にあげちゃダメよ、という注意書きが必ず録音図書の場合は入っております。
シ:はい。
サ:で、ようやく目次になっていく、と。で、目次を聞いていただいて、原本のページをこれで打ち込んでですね、移動することもできるんですけれど、デイジー図書のいいところは、階層ごと、見出しごとに飛んでいける、と。ちょっと原本見せていただいて。
シ:はい。
サ:「ドッジボール」っていう短編から、お話から聞きたいなあとなったらば……。
プレイヤー:レベル1
サ:設定。移動の単位をレベル1にして。テンキーがですね、上下左右のキーにも、兼ねてますので、これを送っていって。
プレイヤー:『つくしちゃんとおねえちゃん』「いばりんぼう」「あと五分」「ドッジボール」
サ:あ、これだ。
プレイヤー:「つくしちゃん、なにか外におもしろいものでもありますか?」
国語の時間、あたしは先生におこられました。
まどの外ばかり見ていたからです。
あたしはうつむいて、ううん、と、先生に頭をふりました。
サ:という様にですね、自分が読みたいところに、目次を見て我々がページを開くように、かなりスムーズに移動することができる、というのが、ひとつの特徴ですね。
シ:すごく考えられて、作られているんですね、やっぱり。手で触っていけるように、ということですね。
サ:このプレイヤー自体も工夫されていまして、なるべく大きなボタンで視覚的に把握して、操作しやすいようになっている、というプレイヤーです。
シ:あ、はい。えっと今のは、デイジー図書ですよね? マルチメディアがつくと何か違うんでしょうか。マルチメディアデイジー。
サ:マルチメディアデイジー以外にもですね、デイジー図書の種類には3つありまして、今聞いていただいたのが、音声デイジーです。音声だけでできている、デイジー図書。もう一つがテキストデイジー図書というのがあります。これはデジタルテキスト、場合によっては挿絵等の画像が入っていて、一般的な電子書籍を思い浮かべていただくと、それに近い状態のものですね。で、最後が、3つ目がマルチメディアデイジーでして、これが音声デイジーとテキストデイジーを足したような感じですね。その本のデジタルテキスト、文字情報もありますし、それに対して声も、音声も付いているというまあ、フルスペックのデイジー図書といってもいいかなと思います。
シ:はい。
サ:同じタイトルで、テキストデイジーとマルチメディアデイジーを作ったことがあるんですけれども。これがですね、モハメド・オマル・アブディンさんという、この方も面白い人なんですけれど、ええ、この方が書かれた『わが盲想』(ポプラ社)という、「盲想」の「盲」が面白いんですけれど。
シ:ああ! ほんとですね。(本来は「妄」想)
サ:はい。エッセイ集なんですけども、これは実は音声デイジーとテキストデイジーとマルチメディアデイジー3つのデイジーで作ったことがありまして。音声デイジーはさっき聞いていただいたので、じゃあテキストデイジーバージョンと、マルチメディアデイジーバージョン、どう違うかっていうのを、このiPadで見ていただければなと思います。
シ:このiPadは、普通に市販されてるiPadですか?
サ:あ、はい。これは普通の、ちょっと大きいサイズのiPadですね。で、この中に「ボイスオブデイジー」っていうですね、デイジー図書を再生するための専用のアプリが入っています。まあ一般的にあのAppleストア等で購入できるんですね。で、ええ、これでデイジー図書が開けると。
シ:はい。
サ:もちろんiPhoneでも使えます。で、今開いたのが、テキストデイジー版の目次項目ですね。
シ:目次ですか。
サ:こちらもレベル1で作られてます。大きい見出しが入ってます。で、えっと。例えば・・・まずは表紙を見ていきますかね。
iPad:『わが盲想』モハメド・オマル・……
サ:このように、カバーの写真を入れることができます。上にはタイトルと著者名と出版社名が入っています。まあ、あの、別に画像入れなくてもいいんですけど、これはあの、弱視等見える方も利用することを想定して、まあせっかくなので楽しい表紙も一緒に入れているという感じですね。で、ここでじゃあ、最初の章を読もうかと。「トライ」ですね。
シ:はい、「1 トライ(渡来)」ですね。
サ:で、テキスト(デイジー)の場合は、音声だとさっきね、キーで送っていきましたけれども、まあ見える方も使えますので、ポチッと読みたい章の文字列を押すとですね、飛べると。ちょっと音量大きくしますか。
見た目ですね、横書きではありますけれども、原本と同じ文字列が出ています。で、再生ボタンを押すと……。
iPad:大学大通りの車のクラクションが一瞬、ふと鳴りやんだとき、アミン先輩の言葉がぼくの耳に忍び込んだ。
「ヒシャム君、信じてくれよな。ほんとうに日本へ行けるらしい」
「なにそれ」
サ:っていう感じで。まあ目で読むこともできますし、合成音声ではありますけれども、読み上げさせることもできるという。こういう利用の仕方ができますので。視覚、視力に応じてですね、文字を拡大できると。見ていただきたいのが、ちゃんとはみ出さずに、この端でちゃんと折り返している。
シ:あ、ほんとですね。
サ:ここで完結して、自分の読める大きさで読むことができます。で、配色も、これがまぶしければ、組み合わせを変えて黒地に白、と。あるいは黒地に黄色ということもできます。多様な使い方ができる。というのがテキストデイジーですね。
シ:はい、ありがとうございます。
サ:で、これがマルチメディアデイジーだとどうかというと……。
これも目次項目を出したところで、先ほどとほとんど同じ、一緒ですね。で、同じようにカバーを一番最初に見て行きましょう。
iPad:『わが盲想』
サ:見た目は全く同じですね。最初タイトルと著者名、出版社名で、カバーの写真を入れてます。で、さっき読み上げた同じ見出し項目いきましょう。「トライ」ですね
iPad:1 トライ(渡来)
大学大通りの車のクラクションが一瞬、ふと鳴りやんだとき、アミン先輩の言葉がぼくの耳に忍び込んだ。
「ヒシャム君、信じてくれよな。ほんとうに日本へ行けるらしい」
「なにそれ」
サ:というようにですね、人の声が読む音がテキストに対応して、再生できるという作り方になっています。で、もちろんあの、先ほど見ていただいたように、文字にしたり配色を変えたり、いうのはテキストデイジーと同じです。はい、というところで、テキストデイジーとマルチメディアデイジーの違いがちょっとおわかり(いただけたかと)。
シ:はい、あの、すごくよく分かりました。ありがとうございます。
サ:はい。