動画第8回「読書バリアフリーと児童文学」全文起こし1/3
みなさんこんにちは!
子どもと読書の委員会です。「おでんプロジェクト動画」。現在、すべて更新いたしました。ご覧いただいてますか?
まずは第8回『作家が日本点字図書館にインタビュー/読書バリアフリーと児童文学』の文字起こしを三回にわけてブログにアップしていきますね!
動画を見る時間がない方は、ぜひこの文字起こしで内容をチェックしてみてください。
インタビュー中には、澤村さんが、委員の本で、図書館に在庫があるものをサンプルにもってきてくださっています。ご配慮がほんとうにありがたかったです。
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しめのゆき(以下シ):日本児童文学者協会、子どもと読書の委員会のしめのゆきと申します。本日はですね、日本点字図書館さんに、読書バリアフリーに関して、あるいはそれ以外のこともたくさんですね、お話しをお伺いしたくて伺いました。今日はよろしくお願いいたします。
澤村潤一郎さん(以下サ):はい、日本点字図書館図書製作部の澤村と申します。点字図書ですとか、音声図書の製作をする部門を担当しております。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
シ:はい、あの、本日はよろしくお願いいたします。
サ:よろしくお願いします。
シ:あの、こちらのね、日本点字図書館さんの取り組みについて、ホームページなどで拝見したんですけれども、私は、こちらの図書館さんは点字図書を貸し出すものだっていうふうに思っていたんですね。でも、今ご案内いただいたように(取材に先立ち、館内をご案内いただきました)、もうたくさんの事業をしていらして。えっと、読書バリアフリーに関すること全般を、取り扱っていらっしゃるんだなということを知ってですね、驚いたんですけれど。
まず私たちの基礎知識として、読書バリアフリーというのはどういうものかっていうのをお聞きしてもよろしいですか?
サ:はい。まあ、あの、究極的にはですね、目が見える人も見えない人も同じように読書を楽しむ、享受することができる社会、環境を作っていく。まあ、そのための支援をしていく、というのが我々の使命だと思っていますので。ええ、まあ、私は見える人間ですけれども、見える人間が図書館に行って、本を借りたり閲覧したりする。あるいは書店に行って、必要な本を購入する。まあ、そういうことが目が不自由になっても同じようにできること。これが究極的な目標ですね。
シ:ああ、そうですね。あの、先天的な方と、あと、例えば高齢者になってからなった人では、なんていうんだろう? その、キャリアっていうんですか、あの、割合違うと思うんですね。その辺を全部対応なさってらっしゃるのは大変だと思うんですけど、どういうふうにこう、分けていらっしゃるのでしょう。
サ:視覚障害の方といっても、いろんなその程度とか、視覚障害の種類がありますね。たとえばロービジョン、弱視の方ですと視力、全くの全盲ではない、そして点字はまだ読めない、という方に適した読書の方法、情報入手の方法というのがありますし、一方で視覚障害歴が長くて、点字で教育を受けてきて、バリバリ点字が読めますよという方、で、かつ点字で読書をするのが好きだという方には、その方に適した点字の図書をお渡しする必要がありますし、本当に視覚障害というのは多種多様ですので、その方に合った読書方法、読書のメディアをなるべくご案内する、そういう必要があります。
シ:はい。
サ:なので、まあ、そういったことに応じられるまあ色んな図書、点字図書館なので点字図書しかないだろうと思われがちなんですけれど、
シ:あ、そうです、すみません(笑)。
サ:はい、音声の図書もあるし、テキストデータベースの電子書籍のような図書もありますし。ということで、まあ、いろんなニーズに応えられるように用意しているところです。
シ:はい。あの、今ちょっとお話、出たんですけれど、えっと、耳慣れない、例えば「デイジー」って聞いたときに、これはどういうものだろうと思ったんですけれど、そうしますと、例えば「デイジー図書」「マルチメディア・デイジー」とか、「点字図書」「録音図書」っていうのは、それぞれちょっとずつ違いますよね。あの、教えていただけますか。
サ:はい、えっとまず点字図書というのは、ここに持ってきましたけれど。
シ:あ、ありがとうございます!
サ:例えば、まあこれが、原本ですね。
シ:あ、那須正幹さんのご本です。すごい。(『ズッコケ中年三人組age41』那須正幹作 ポプラ社)
サ:で、これをですね、点字にしますと。こういうふうにですね。この大きさで全4巻になってますね。
シ:おお~すごい。だいぶ増えますよね、やっぱりね。
サ:厚みもね、元々こういう単行本だったのが、これだけの分量になる。
シ:うーん。
サ:これは、点字がカナに対応していて、しかも点字というのは一定の大きさで、点字で読みやすい紙の大きさというのも、まあ一定だからこれだけになる。
シ:はい、ああ、そうですね。
サ:はい、もちろんこれで読書したいという方もいらっしゃいますので、点字で作り、で、中身がですね。こういう風にバインダーで閉じてありまして、まあ見た目は無骨なんですけれども、こう、点字って指で読むものですので、180度ベタっと。
シ:はい、あ、開きやすいですね。
サ:開きますね。押さえてなくても開く。
シ:そうですね。普通の本だとちょっと押さえてないと無理ですもんね。
サ:あの、両手がフリーになりますので、指で読むのに適している。しかもこれ、リングで綴じてありますので、指で読んでいて、例えば汚れたり破れたりしても、一枚単位で。
シ:お取り替えが! 修理可能なんですね。
サ:そうですね、メンテナンス性もいい。という色んな利点があって。こういった蔵書についてはこういうふうにしています。
シ:はい。
サ:で、これ両面印刷してあるんですけれども、表の行と行の間に、裏ページの行が打ってある。ちょっと見た目……。
シ:わかりにくい?
サ:かもしれません(笑)
シ:はい(笑)。
サ:まあ、そういった技術によって両面印刷をしています。
はい。で、指で読まれる方は、これをお借りになって読まれる。
シ:これはノンブル(ページ数)も入っているんですか?
サ:ノンブルはですね、奇数ページの。
シ:あ、それ!
サ:右上に入ります。
シ:なるほど。
サ:はい。裏は入ってないです。奇数ページだけ、奇数さえわかればいいので。
シ:そうですね。
サ:で、もちろん目次ページもありますので、目的のページに飛ぶこともできる。
シ:私なんかは(見ていても)まるで分からない、分からないですけど。
サ:(目次ページを探していて、目次が)ちょっとこの本はないんですけど。
シ:はい。
サ:目次がある本の場合はもちろん目次もあります。(原本を確認して)あ、やっぱり原本が元々目次がない。
シ:あ、なるほど。
サ:なので、付けてませんけれども、原本に目次があれば目次のページもあります。
で、ここ(横書きの本の表紙側の、背のタイトル脇)にですね、点字で表記があるんですね。えっと、点字の本を整理する時は、こう、立てて書架等に置いてありますけれど、じゃあ取り出そうかっていう時に、例えばここ(背)に点字があったらですね、もうちょっとこう。ちょっと読みにくいんですね。ここに貼ってあると。
シ:あ~なるほど。
サ:こうやって手を差し入れても読みやすいように、ここに貼ってあります。巻数なども入っています。
シ:すごい工夫ですね。
サ:そういう工夫もしております。これが点字の本ですね。
シ:はい。ありがとうございます。
シ:(点字の本を手にして)えー、すごーい。
(『せっしゃ、なべぶぎょうでござる!』しめのゆき作 大串 ゆうじ絵 ポプラ社)
サ:で、こちらは、さっきのバインダーの図書とは違うんですけれども、
シ:なんか、色が違いますね。これは、
サ:ハードカバーで製本されている、
シ:ハードカバーなんですか、これ。ほんとだ! なぜ、ハードカバーなんですか?!
サ:これはですね、やはり、児童書、しめのさんの書かれた本で、長く子どもたちにですね、ガンガン読書していただくために、こう、ハードカバーでしっかりした作りに。長く使用に耐えられるようになってますね。これは、日本ライトハウス、大阪にある点字図書館が、製作したものですね。
シ:心なしか、色も似ていて(墨字の本と表紙を比べて)すごい、こじつけてるけ
ど。わー、すごーい。
サ:どうですか、わかりますか? (点字図書をひらいてみせて)
シ:ぜんぜんわからないです。絵がたくさんはいっているところって、どうなってるんですか
サ:絵は、どうなってますかね。
シ:一番最初に扉があって、
サ:扉はですね、枠で囲んだデザインになってまして。
サ:絵はですね、えーと、これが、見出しなんですよ。ちょっと引っ込んで書いてますよね、本文はここなんですけど、ひっこんで書くことによって、見出しだってわかるのです。「鍋田さんちの……」
ちょっと、冒頭、引っ込んでるのが、段落のはじめです。
「……でしょう」ここが、ここに対応しますね。そして……
サ:なんか、裏がすごい、模様になってますね。
シ:模様になってますよね!
サ:両面じゃないですね、これ。片面ずつ。裏は、点字でいうと、コタなんですけど、コタコタコタっていうかたちの模様になっています。大人の本だと、両面、裏もなんですけど。片面ずつ読んでいく作りになってますね。
シ:なるほどです。じゃ、絵はないんですね。
サ:絵はないですね。あの、もちろん、絵を盛り上げている絵本、『ぐりとぐら』(『てんじつき さわるえほん ぐりとぐら』なかがわ りえこ作 おおむら ゆりこ絵 福音館書店)とかはあるんですけれども、そういった、ほんとに特殊なケース、すべての絵本がそういった作りにはなってはいないですね。
おそらく、文章だけでも、楽しめるだろうという判断によって、このしめのさんの本に関しては、文章が点訳されているという作りでした。
シ:そういうことなんですね。ありがとうございます。勉強になります。ていうか、嬉しいです。単純に嬉しいです。
サ:しめのさんにね、点字なっているよ、とか、誰からも連絡は……
シ:ないですね、なかったです。
サ:なかったということで、それがまさに、著作権者の許諾を得ないで作ってますよというね。
シ:お互いね、いろいろと、疎通ができるようになっていくといいですよね。
サ:そうですね、
シ:そういうの、大事だと思います。
サ:はい、なかなか、1冊ごとに、コンタクトとる、というのは、難しいのかもしれませんけれども……。
シ:その辺はもう、ご無理をなさらないで。ありがとうございます。