『日本児童文学』9・10月号 おまけの情報①

『日本児童文学』編集部

 

 

編集部ブログ担当の荒木です。
ここでは、掲載作品、記事等についてのちょっとしたおまけの情報を載せていきます。
さて、今号の特集は<子どもの権利 よく休み、よく遊ぶ>で、これは、10月21日の公開研究会<児童文学と子どもの権利 ~子どもにとって「いちばんいいこと」ってなんだ~>とタイアップしたものとなっています。研究会の企画運営をしている研究部長の西山利佳さんもエッセイを寄せていて、その中にこんな一文がありました。<増山氏は子どもの「イキイキ(ウキウキ・ワクワク・ハラハラ・ドキドキ)する魂の躍動」を「アニマシオン」という言葉で説いています。>
増山均氏は、今度の公開研究会で講演をしてくださる方ですが、不勉強ながらわたしは「アニマシオン」という言葉を知らなかったので、さっそく調べてみました。すると読書指導メソッドとして使われることもあります(これも興味深い!)が、増山氏はそれよりもっと広い社会文化理論としてその言葉を使われているようです。
増山氏の著書『アニマシオンが子どもを育てる』を読んでみるとスペインのバルセロナでは、<学校などにおける教育(エデュカシオン)は、文化遺産や技術を教えこむことを主としますが、それに対し、自分たちで自由にやってみること、イキイキ、ワクワク、ハラハラ、ドキドキする楽しい生活や文化の創造を、限りなく励ましていく取り組みをアニマシオンと呼び、子どもたちの人間形成にとってなくてはならないものとして重視している>とあります。子どもに限らずわたしたち一人ひとりの生活でどれだけアニマシオンを経験できているのかと考えながら、今号を読んでみるのも面白いかもしれません。(荒木)

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《お詫びと訂正》

編集部ブログの〈『日本児童文学』(3・4月号と5・6月号)を読む会の報告〉の本文中、発言者の方の要旨のまとめに、誤記がありました。ご指摘を受け、訂正したものを掲載いたしました。
発言者の方、また、読者の皆様にご迷惑をおかけしましたことをお詫びいたします。申し訳ありません。記録係 小川英子

訂正箇所はつぎの部分です。

2019年の年度回顧で、児童文庫を担当したというSさんは、「その頃児童文庫のレーベルを持っていた出版社は20社以上あり、児童文庫の書き下ろし作品が始まった頃よりも相当数増加して、多かったです。新規参入の出版社も増えていました。今回取りあげられているのも物語だけだが、児童文庫のジャンルは多岐にわたっている」と、もっと児童文庫に目を向ける必要を話しました。