編集部だより

2021年4月

5・6月号は『子どもの文学この一年』の特集です☆

機関誌部ブログをご覧のみなさま、こんにちは。

まだまだコロナ終息が見えず、不安な日々が続いています。

毎日のようにニュースで報道される数字の変化に、心も体もストレスでお疲れ気味。こんな時だからこそ季節を味わいたくて、歩いて買い物に出かけました。

“ホー ホケキョ♪”うぐいすの鳴き声! 思わず立ち止まって、通りの木々に声の主を探しました。そんなに簡単には見つからないのは重々承知……諦めて歩き出すと、また美しい鳴き声が! 再びうぐいすを探すべく顔を上げると、視界には空の青と、風に揺れる緑の木々……元気がチャージされていきました! 

もうすぐ5月。こいのぼりもチラホラ目にします。心も体も健康でいきましょう!

 

4月21日(水)に、第十回編集会議をオンラインで行いました。

「幼なじみ」100人アンケートへのご協力、ありがとうございました! のべ120もの回答をいただきました。結果発表は7・8月号に掲載いたします。楽しみにしていてくださいね☆

4月3日(土)の情報ネットワーク部のオンライン茶話会では『日本児童文学3・4月号』について、色々なご意見・ご感想をいただきました。特に好評だったのは「ただいま修行中」です。“作家デビューをめざしている5人を応援したくなる!”と、笑顔が広がりました。5人それぞれの“ムフフ・トホホ・プンプン・モリモリ・ホホウ”な日がデビューに繋がる裏話になるかもしれません! お見逃しなく!!

 

『日本児童文学5・6月号』は、特集「子どもの文学この一年」です。

昨年一年間に出版された子どもの本について、ジャンル別に振り返り検証します。創作、詩・童謡、絵本、翻訳、ノンフィクション、児童文庫、評論……それぞれの分野のスペシャリストによる年度回顧は、資料的な価値も高い号です。

また、荒木せいおさん、繁内理恵さん、西山利佳さんをお招きして、オンラインでの座談会を開催いたしました。

今回、編集委員・東野司さんがご自身の紹介も兼ねて、編集会議の様子&座談会を、ユーモアたっぷりにまとめてくださいました!

 

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どうもです。

東野司です。作家です。SF色強めです。こわいお話も書きます。ときどき、書評も書きます。

そして、機関紙部編集委員です。

 

このたび、『日本児童文学』編集委員として、創作座談会の司会とまとめ執筆を担当しました。

ついては、そのバックヤードについての、あれこれを書かせてもらうべく、この場に参上とあいなりました(というか、書いてネとお頼みされてしまったのですが……)。

 

創作座談会は『日本児童文学』2021年5−6月号に掲載されています。

この一年に発表された創作児童文学のうち、ぜひこれはという作品を持ち寄って、三人の方々(荒木、繁内、西山の各氏)に熱く語り合っていただいたものです。

 

そもそもは……です。

 

新機関紙部となったおり、編集長より、取り上げたいテーマや企画の募集が編集委員にあって、そこに「座談会をしたいです」と私が手を挙げたのが、始まりです。

 

創作時評や「子どもの文学この一年」など、一人の方の書評や評論などを読んでいて、もちろん、ああそうかと膝や手を打ち、蒙を啓かれること多々あるのですが、その一方、「うーんここはこう思うなあ」とか、「いやそれはちょっと……」などということも、これまでに少しばかりありまして……。

 

そんなとき、「いろいろ語り合った方がおもしろいんじゃないかなぁ」と思ったわけです。

一つの作品に対して、何人かがそれぞれの視点で、あーでもない、こーでもないと、侃侃諤諤、喧々囂々、語り合い、論じ合っていくうちに、作品に多様な見方が生まれ、理解が深まり、作品そのものが立体的に立ち上がってくるのではないだろうか。

 

そう思って、会議に提案したところ、編集委員の皆さんの賛意を得て、企画が通ってしまい、参加者も荒木さん、繁内さん、西山さんと決まったうえで、「あ、では、司会とまとめ執筆はお願いね」とお鉢が回ってきたという次第です。

 

内心は『うわ、たいへん』と思いつつも、自分が出した企画です。「わかりました」とひきつった笑顔で受けたというのが顛末です。

 

そして、迎えた座談会当日。

 

いやあ、おもしろかった。楽しかった。スリリングだった。

 

『三人よれば文殊の知恵』と言いますが、『三人よれば曼荼羅世界』(ナンノコッチャ)というくらい、一つの作品に対して、それぞれの視点が提示され、論じられ、それを踏まえて、さらに理解を深める言葉が紡ぎだされ、そこから類推されるイメージが飛び出てきたり……と。

こちらの予想以上に、広がり深められる作品世界。そして、何度か、一同「おおっ」と驚くような展開もありつつ……。

終わりにするのが惜しいような座談会でした。

(詳細はぜひ、5−6月号をご覧あれ)

 

でも、まあ。

おもしろく楽しくスリリングな後には、真面目に地道にコツコツとまとめる作業が待っているわけですが、いや、その実、これが大変。

改めて、録音データで時間を確認してみれば、なんとこれが、2時間54分40秒。3時間弱!

 

これをお三方の論旨を損なうことなく、熱気もふくめて、10ページにおさめなくてはならない。

 

まずは、一言も落とすことなく、すべての発言を文字起こしして、プリントアウトし、慎重の上に慎重をかさねて短くまとめていく。まとめたものをプリントアウトして、もっともっとまとめて……。またまたそれをプリントアウトして、もっともっとまとめて……。その繰り返し。なんせ元データが巨大なので、無間地獄かと思いました。

 

でも、久々の文字起こし(何十年ぶりだろう)では、ずいぶんとスマホに助けられました。

昔、パソコン黎明期にテクニカルライターをやっていたとき、開発者インタビューの文字起こしにはウォークマンを使っていて、テープを巻き戻したり、早送りにしたりしてましたけど、目的のシーンにうまく止められなくて、イライラしていたものです。それが今は15秒単位で戻しも送りもできて、イライラも軽減。改めて技術の進歩を実感しました。

 

でもって、

なんとか10ページにおさまったものを、お三方それぞれにチェックしていただき、やっと「創作座談会」の記事がまとまりました。

 

まとまってみると、いやこんな座談会、また、できたらいいなと思ってしまいます。年に一度だと作品数が多くてたいへんだから、半期に一度、いや毎月でも……。

あ、でも、次は、まとめだけはパスしたいなぁ、とか。

 

とにもかくにも。

 

あのおもしろさ、楽しさ、スリリングさが、お届けできていればと思います。

『日本児童文学』2021年5−6月号「創作座談会」

ぜひ、お読みください!

と強くお勧めして、お開きといたします。

 

ではでは。

 

どんとはらい。

 

東野司

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今月の編集会議も熱論が交わされました。会議のたびに自分の視野の狭さを実感。しかし、心をぐらっと揺さぶる意見や考え方に触れると、日常何気なくスルーしていることも、ふと引っかかったり疑問に感じたり、私の興味・関心は確実に広がっています! 

 

**《奥山編集長のひとこと》************************

味戸ケイコさんの表紙は,5・6月号で最後ですが、巻頭の短編の岩瀬成子さんと,味戸さんは、これまでもいっしょに絵本なども作られているので、お互いに、同じ号に掲載となることを、とても喜んでくださっていました。ひそかな響き合いになるかなと思ったりしています。

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【お知らせ】

★11-12月号 特集「ファンタジーの猫」掌編募集★

【応募資格】 児文協会員限定

・6月末しめきり メール、郵送どちらもOK

 

次回の部会は5月19日です。

また、ご報告いたします!

 

山﨑

 

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2021/04/27