編集部だより

読書の秋にじっくり読みたい『日本児童文学9・10月号』☆

 機関誌部ブログをご覧のみなさま、こんにちは。山﨑です。

 9月に入ったとたん、すっかり秋ですね。夏があっという間に終わってしまい、ちょっと拍子抜けしています。とはいえ、冷凍庫でキンキンに冷えている“かき氷”を横目に、秋の味覚に舌鼓♪ みずみずしい梨や出始めた栗、さつまいもや柿も楽しみです! 美味しい秋と読書。秋を楽しんでいます☆(タイトルをクリックすると、画像が見られます)

 

 8月18日(水)に、第15回編集会議をオンラインで行いました。編集員9人全員参加で、今後の特集内容などについて話し合いました。

 今回は編集委員・相川美恵子さんが、8/31に行われました「日本児童文学を読む会」の報告をしてくださいました。

 

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 皆さん、こんにちは。相川美恵子と申します。

 編集委員も初めてなら、リモート会議も初めて、緊張と奮闘の日々が続いています。どうぞよろしくお願いします。

 

 さて、編集部では8月31日(火)夜6時半から「「日本児童文学」7-8月号を読む会」をリモートで開きました。

 そこで今回は「読む会」の報告をしたいと思います。

 参加者は編集委員4人をいれて20人弱でしたでしょうか、遠くは、「仮想家族」を連載してくださっている佐藤まどかさんもイタリアから参加してくださいました。

 司会の奥山編集長から雑誌全体の内容の説明があり、その後、創作、ついで今号の特集「幼なじみ」に関する評論とエッセイ、新企画の「ただいま修行中」、そして連載創作に関して感想などを交換しました。

 海外作品を「幼なじみ」の視点から的確に論じてくださった横田さんから直接ご意見をうかがえたのはとてもうれしいことでした。

 また、横田さんはじめ多くの人から、なぜ、今、幼なじみなの、と疑問に感じつつ雑誌を開いて、ああ、なるほどと腑に落ちたという意見をいただきました。

 一方で、雑誌の評価はテーマで決まるといってもよいぐらいテーマ、つまり特集は大切なので、まだまだ、特集の決め方に工夫する余地はあるのではないか、という貴重なご指摘もいただきました。

 佐藤まどかさんからは、最新作『月にトンジル』(あかね書房2021.5)がまさに「ザ・幼なじみ」の物語です、という紹介がありました。

 

 新企画「ただいま修行中」に対してはおおむね好評をもって迎えられました。

 デビューをめざしてがんばっている会員にとって、こういう企画は大切にする必要があるというのが一致した意見でした。

 実際に書いてくださっている方からの声も聴くことができました。

 今後の充実のためには、トホホ、プンプンといった、いかにも一世代前的なオノマトペを最新のものにバージョンアップしては、というもっともな意見をいただき、編集委員もにが笑いでした。

 

 時間はすでに予定の8時を超えていましたが、最後に連載創作の「仮想家族」に移りました。

 ここで私、相川は、以前から作者にお訊きしたかったことをドキドキしながらぶつけてみました。

 こうした設定だと、場面はほとんど動かない、つまりキャラクターは動かない、動かせない、物語はどうしても会話と考察中心になってきます、それは児童文学というジャンルの創作ではかなりリスクがあると思うのですが、そのあたりをどう考えて創作に臨まれましたか……。

 佐藤さんの応答は誠実かつ明確でした。

「こういう時代だから、こういう時代をきちんと書きたい、書いておきたいんです。

 キャラクターが動かないことのリスク、だから物語が退屈になることのリスクもわかったうえで、書きたいと思いました」

 とおっしゃいました。画面越しにその熱っぽさをしっかり受け取りました。

 

 一般の参加者の方からは子どもの状況の今後を憂える発言もいただき、この会の継続を確認して終わりました。

 時間は8時半、ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。

 また、次回、お会いできますように。

 

 相川

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【お知らせ】

Zoomオンライン『日本児童文学』を読む会

【日 時】 10/12(火)18:30~20:30

【テーマ】 2020年9・10月号

【ホスト】 奥山恵(編集長)

【ゲスト】 相川美恵子(評論家・編集委員)

【申し込み方法】 メールにて megumiokuyama18@gmail.com

 

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また、ご報告いたします!

 

山﨑

 

2021/09/09