動画第9回全文起こし3/3「戦後の児童文庫の歴史とこれから  特別ゲスト/元・講談社青い鳥文庫編集長 高島恒雄さん」

子どもと読書の委員会

さて、文字起こし三回目、ラストになります。

今回の話題は

*いとうみくさんの質問「いまの児童文庫の流れをどうみていますか?」

*高島恒雄さんのお話「青い鳥文庫のこと」「『読みたいラジオ』のこと」

です。とても貴重で大切なエッセンスがこのあたりにつまっていますよ!

そして、高島さんの制作している「読みたいラジオ」のリンクです。

ぜひそちらもお聞きください!

◆読みたいラジオ/日本ペンクラブ「子どもの本」委員会

読みたいラジオ | 日本ペンクラブ

 

🌸さて、わたくしが責任者を務めていた期で用意した動画、文字起こし、これですべてアップいたしました。ここまで一緒に活動してくださった子どもと読書の委員会のメンバーにほんとうに感謝しております。そして、動画をご覧くださった視聴者の皆様に最大級の感謝を!

また新しい期は、ほんまちひろさんが委員長になり、新しいメンバーとともに活動してまいります。たまに1~9回の動画をまた見直してみてくださいね!(しめのゆき)

******************

シ:はい。座談会も終盤にさしかかりました。最後はいとうみくさんにお願いしたいと思います。

いとうみく(以下イ):よろしくお願いします。

タ:よろしくお願いします。

イ:あの、わたしは文庫って一度もやったことがないので、今日どんなお話しが聞けるかなと思って、とっても楽しみにして、今までお話しうかがって、色々なんか聞きたいことが出てきちゃったんですけれども。

あの、青い鳥文庫って、やっぱりこう、児童文庫の王道だなっていう風に思っていて、人気シリーズの「黒魔女さん」があったりとか、「若おかみ」があったりとか、書き下ろしのすごく人気シリーズがたくさんあるなと思ってるんですけれども、今の児童文庫の流れってどうなんだろうなって。あの、どうなんだろうなっていうのは、ま、少子化もあったりとかで、子どもたちの興味も、昔ってなんかこう児童書vs漫画ぐらいな感じで、だったと思うんですけれども、今ってSNSがあったりとか、ゲームがあったりとか、子どもたちの楽しみってすごく増えていると思うんですね、身近にあるものでも。で、そうなったときの今の児童文庫って、まあ児童文庫だけじゃなくて児童書そのものもそうなんですけれども、なかなか苦戦しているんじゃないかなって思ったんですが、あの、そのへんを高島さんあの、どんな風にご覧になっているかなっていうのを、ちょっとお聞きしたいんですけれども。

タ:はい。えー今、ご質問の中に、「昔は児童書vs漫画」というお言葉がありましたけれども、今、もう現役離れてずいぶんになりますが、気になってるのは、ノベライズが多いな、コミックのノベライズやゲームのノベライズが多いですよね。で、そうすると、「vs」という構造ではなくて、なんかある種ヒエラルキーみたいな?

イ:ああ。

タ:漫画や、その今、表現されている、映像化されているものの……下流というか……になっている気がするんですよ。それはなんか、あんまり個人的には面白くないんじゃないかなあって思っていて、作家も、編集者も。で、わたくしの頃は、まあ、まさにその、SNSもないような時代でしたから、非常に読まれていたっていうのはありますけれども、ノベライズはやめよう、ということは編集部の中で決めてました。自分たちの作品が上流にあると。で、それからアニメとかコミックが派生商品としてできてくるというのがいいのでは、いいのではないか、ってそういう気持ちでやろうよ、という風に言ってました。

なぜかっていうと、えーその前にわたくしは漫画の編集部にいました。で、漫画の編集部では、やっぱり自分たちの作ったものが一番源流にあるもので、それからゲーム化されたり、海外に版権が移転されたり、アニメ化されたり、っていうことでやっぱりその、元々の物語を作るっていうのが、一番大事なことだった、ですよね。それがあるので、今の日本の漫画から発するアニメ、ゲーム、というものが世界にいってると思うんですけれども。

誰かが作ったものを文字に置き換えるのって、それ以上の広がり、ないだろうなというところが、なんか、もうちょっとがんばればいいんじゃないかな、ま、難しいのはわかります。あの、だからま、これはなんだろな、う~ん、エールといいますか、今の作家や編集部のみなさんにも、物語そのものの、文章だけで成立させる世界というものを信じてやってみてほしいなあとは、OBとしては思っています。

イ:そうですよね。あの、ほんとうにそう思います。あの、やっぱりこう子どもも面白いと思えば絶対本読んでくれると思うんですけれども、やっぱりそれに負けない? ほかのものに負けないような強い作品、面白い作品とか、を書いていかないとダメだなあとは思うんですよね。ほかのものが出てきているからダメとか、そういうこと、泣き言いっててもしょうがないなとは、すごく思うんですけど。でもかなり、正直言って厳しいなっていうのは、誰もがちょっと思っていることかなあっていう感じはあるんですね。

どうもありがとうございました。

タ:ありがとうございました。

 

シ:さて高島さん、ここまでのおこたえを、ほんとうにどうもありがとうございました。で、恒例なんですけれど、わたしたちの。ラストの質問いきたいと思います。

タ:はい、お願いします。

シ:はい、高島さん。おでんの具は何がお好きですか?

タ:これは、一番ということですか? 一番好きなもの?

シ:そ。

タ:がんもどき!

シ:あ、がんもどきなんですね! お~~!

(注・動画には入っていませんが、誰一人として、同じ具をこたえた方がいないことに、

しめのは驚いての「お~~!」なのです^^)

 

【全員で】

タ:はい、今日はどうもありがとうございました。色々聞いていただいて、児童書のことを、う~ん、非常にま、思い出した、っていうのも変だけれども、はい、良かったいい仕事だなあというのを改めて思いました。であの、わたくしがですね、編集長をしていたときに、青い鳥文庫はアニメ化とかWEB化とかっていうこともありましたけれども、もうひとつ、海外に展開をしようとしていました。実際、台湾、韓国、タイ、かな? で翻訳出版色いろされています。「黒魔女さん」とか「若おかみ」とか。「若おかみ」は台湾にウーロンっていう温泉街がありますけども、そこに取材に行って、台湾編を書いたりもしているんですね。なぜそういうことをしたかっていうと、先ほどあの、大活字本、大きな文字の青い鳥文庫と同じなんですけれども、ま、日本の子どもが面白いと思っているものは、おそらく、おそらくっていうか必ずや台湾やタイや韓国の子どもたちが面白いと思って読んでくれるに違いないと。で、現地の出版社に「いや、この本ね、子どもたち大好きなんですよ、たくさん読まれますよ。」ひとつには、もちろん商売として成立すると思いますよ、ということで売り込むわけですけども、その裏にあるのは、やっぱり世界平和ですよね。その、同じ本を読んで、「あれ面白いね」って……

一同:そうそう。うん。

タ:言っている子どもたちが話しをすれば。子どもの頃何を読んだのって、留学したりとかですね、商売で会ったりして、あの青い「若おかみがさあ面白くてさあ」っていうような話しをしている同士は、きっと戦争を起こさないだろうと。それをもっとね、全世界に広げることができれば、武器作るより、よっぽどいいのになあと思って、いろんな国に行っていたんです。だからあの非常にね、編集部としてはそういう志をもってやっていましたよ、ということもぜひお伝えしたいなあと思いました。以上です。

シ:ありがとうございます。

 

ホ:あの高島さんのお話し聞いて、たくさん売れるっていうことは、なんか大勢、マスっていうか、大勢の人たちに受けるものっていうと、少数の、少数派のところはなんかこう、あんまり見られてないような、じゃなくて、ちゃんとこう少数の、大きな文字だったりとかも、ちゃんとこう大切にしていらっしゃるのが、すごい、お話しをうかがって良かったです。なるほどなって思います。

タ:ありがとうございます。えっとあの、いきなりこう、大勢にはいかないですよね。だから少数がたくさん束になるから大きくなるので、あの少数も何も、一人ひとりに向けて書いているじゃないですか、ま、みなさんもそうだと思いますけれども。その一人ひとりがたくさん増えて、10万、100万という数になるということなので、最初からその他大勢に受けるようにみたいなことを考えてもいないし、考えたとしてもできるわけがないし。

一同:うんうん。

ホ:ほんとうに大切なことだなあと思いますね。

 

シ:はい、みなさま、ありがとうございました。最後に高島さんに一言お願いして、この座談会をしめたいと思います。お願いします。

タ:「読みたいラジオ」聞いてください。なぜか、なぜやっているのかっていうとですね、例えば、夏目漱石が『坊っちゃん』をどういう風に読んでいたか。原稿を書いている時に、自分のこう、ある種内なるボイスみたいなもので、どう自分の作品を読んでいたかっていうのを聞くと、ものすごく作品の理解、参考になると思うんですよね。で、「読みたいラジオ」というのは作家、画家、翻訳家の方々に実は朗読していただいています。で、この朗読はもちろん一部分ではありますけれども、これはあの、録ることによって、100年後、200年後のその作品の読者、研究者たちにものすごく意味のあることになるだろうと。またその作家たちがまあ、どういう環境、どういう意図でその作品を書いたのか、ということもうかがっておりますので、今だけではなくてですね、未来の日本文学、日本の児童文学の愛好する人たちにも意味のあるものになっている。そういう意義深いものですので、ぜひ聞いてみてください。よろしくお願いします。

シ:はい、高島さん、今日はほんとうにありがとうございました。

タ:ありがとうございました。

シ:またぜひとも、動画に遊びにきていただきたいと思います。

 

シ:せ~の!

一同:まったね~バイバイ~!