116、「お世話になっています」のことなど(また“合併号”です)(2023,10,10)

理事長ブログ

【10月5日を飛ばしてしまいました】

・5の日に更新のはずの、このブログ。10月5日を飛ばしてしまいました。この日は、10時15分からリモートでの常任理事会があり、お昼頃まで。その後午後4時からポプラ社で会議があったので、2時過ぎに家を出る(帰りに池袋で“一杯”)という一日で、ブログのことが頭から消えてしまいました。

ただ、「これについて書こう」というのは、決めていました。ただ、今日はもう10日。13日に理事会があったりでこの後もバタバタしそうなので、15日付との“合併号”ということにさせていただきます。

それにしても、急に涼しくというより、朝晩などやや寒いという感じになりましたね。僕のところは埼玉のやや奥ですから、都心に比べても寒暖差があり、余計に感じます。昨日(9日)休日でしたが、13日の理事会に向けた文書を作る用事もあり、神楽坂の事務所に出向きましたが、最高気温が16度という“寒さ”で、あわてて秋用の服を重ね着して出かけました。

【さて、本題です】

・さて、書こうと決めていたという話ですが、「本題」というほどの話題でもないのですが、ややずっと気になっていたことで、今回ふっと頭に浮かびました。それは、手紙というか、他の人に送る文書の冒頭の挨拶のことです。

僕が事務局に勤務していた時代、勤務時間の何割かは、文書を作ったり、手紙を書いたり、ということだったように思います。外向けの文書、会員向けの文書、それに会員など個人宛の手紙もありました。これは僕に限らないでしょうが、その際に気を遣うのは、やはり書き出しです。正式な文書なら「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」的な硬い書き出しになりますし、ちょくちょく会っている人なら「この前は、お疲れさま」程度になります。仮に前者をレベル10、後者をレベル1と仮定すれば、つまり2から9まで、いろいろあるわけです。相手によって、というのが基本ですが、同じ相手でも、用件によって3になったり6になったり、ということもあります。その書き出しで、用件の重要度を示すというか、こちらの“表情”を示すということになると思います。

だから、僕は他の人から手紙や文書を受け取った時、その書き出しが、手紙や文書の性格とマッチしているかどうかが、割と気になるし、それがその人への評価にもなります。

・それで、近年気になることなのですが、それは「(大変)お世話になっています」という書き出しが、やけに多くなったように思うことです。なぜ気になるかといえば、いかにも何も考えていない書き出しだな(笑)という感じと、もう一つは「別に、お世話もしてないけど……(苦笑)」という感じでしょうか。例えば、僕が編集者に対して「お世話になっています」というのはいいと思うのです。しかし、編集者が僕に対して「お世話になっています」というのは、どうでしょうか? 編集者が印刷所や校正を頼んでいる人に「お世話になっています」は(実際にお世話をかけているわけですから)いいと思いますが、執筆者である僕になら、もう少し違った挨拶があるのではないでしょうか。

・この書き出しが増えた背景には、もしかしたら、手紙の代わりにメールが主流になったということがあるかもしれません。メールの場合、気を遣う相手だとしても、「時下ますますご清栄のことと……」というわけにもいきません。それで、無難な書き出しとして、「お世話になっています」が増えているのかもしれません。手紙の場合は、前文やら時候の挨拶やら、それで一冊のハウツー本ができるほど、パターンがあるわけですが、メールの場合は、そこまで文法が定まってないということがいえるかもしれません。妙に形式が決まってないことはいいことだともいえるかもしれませんが、相手との距離感、用件の重要度などを勘案して適切な書き出しを考えるということは、やはり手紙であれ、メールであれ、頭を使っていいことのように思います。

まあ、こんなことに文句を言ってるのは、世代が古いということでしょうか。でも、少なくとも僕にとっては、手紙を書く時の書き出しを考えるのは、楽しいことでもあります。できれば、そういう楽しみをこれからの人たちも味わってほしいなと望んでいます。

【最後に】

・10月21日の公開研究会が間近となりました。リアル参加もリモート参加もいま一つ伸び悩んでいます。詳しくはホームページのイベント欄を見ていただき、まだの方は、ぜひぜひご参加ください。メールでの申し込みの場合、書き出しなど、お気になさらないように(笑)。