「今の児童書 私の推し」 第3回 いとうみく
「今の児童書 私の推し」 第3回 いとうみく
こんにちは。今月バトンを受け取ったのは、私、いとうみくです。
第2回目の田部智子さん 「今の児童書 私の推し」第2回 田部智子 の推し本は、『YA! ジェンダーフリーアンソロジー TRUE Colors トゥルー・カラーズ』(講談社)でした。
アンソロジーって玉手箱、いや、メジャーリーグのオールスターのようなわくわく感がありますね。
いま、出版企画部でも偕成社さんとのアンソロジーの企画が進行中です。どうぞお楽しみに!
と、前置きが長くなりましたが、私の推し本をご紹介したいと思います。
濱野京子さんの『シタマチ・レイクサイド・ロード』(ポプラ社)です。
濱野さんというとテーマ性の高い社会派の児童文学作家という印象が強いのですが、この作品はその路線から少し外れた、青春小説として面白く読ませてくれます。
主人公は、人数合わせで入った文芸部に所属している高校二年生の希和子。希和子は本を読むのは好きだし文章を書くのも好きだけど、物語や詩といった創作はできない、というのがひそかなコンプレックスに……。って、すみません。本の紹介って難しいですね。
考えてみたら、「どんな本?」と聞かれて、あらすじを説明するのが、私、めちゃくちゃ苦手なのです。なんなら、出版社が紹介している紹介文を読んでくださいと言いたくなるし、四の五の言わずに読んでみて、と押し付けたくなるのです。
なので、今回も内容については省きます!(え、いいの? はい、いいんです)
とにかく! 面倒なことは抜きにして、書き手(だけじゃないですけれど、とくに!)は読んだ方がいい。「わかるー」「あいたた」と文芸部の面々のやり取りに、共感、同感、共鳴の嵐。そして痛いところを突かれて心がざわつき……。で、いつのまにか、書こう、書きたいと思えてくるのです。
過去には未練のない私ですが、もう一度高校生をやってみたい! と、うっかり思わされた本でもありました。ちくしょー。
次回10月の担当は、かわのむつみさんです。お楽しみに!
『シタマチ・レイクサイド・ロード』(ポプラ社) 濱野京子・作
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