第18回「絵本テキスト大賞」入選発表
日本児童文学者協会と童心社は、昨年に引き続き「第18回絵本テキスト大賞」の作品募集をいたしました。応募総数は1004編(Aグレード462編、Bグレード542編)でした。たくさんのご応募をありがとうございました。
応募作品は7月から8月末にかけて1次選考を行いました。
1次選考通過作品としてAグレード25編、Bグレード27編を選びました。
9月22日、童心社にて2次通過作品を選び、そこから最終選考に向けて議論いたしました。最終選考に残った作品は、
Aグレードは、「おとあつめ」(四月猫あらし)、「しんごうきのおじさん」(クリボラ シロー)、「かにかえる」(せんかい)、「わすれんぼめんどりさんいっぽにほさんぽ」(佐藤みほ)、「さきちゃんのあまやどり」(いとう美香)の5編でした。
Bグレードは、「ドーナツのあなはふしぎのいりぐち」(みしろりん)、「はらぺこのこぶ」(黒田志保子)、「ゆきのひはコロッケパン」(あさひなけい)、「まんげつオーケストラ」(ささきゆか)の4編でした。
グレード問題は、若干ありましたが、特にAグレードは発想の面白さが印象に残りました。しかしその後のストーリーの展開が弱いと議論された作品が多かったです。今回は、BグレードよりAグレードの方が評価の高い作品が多かったです。白熱した議論の中、今回は誠に残念ではありますが、今一つ決め手になる作品がなく、大賞は見送られました。
優秀賞
Aグレード「おとあつめ」(四月猫あらし)
Aグレード「かにかえる」(せんかい)
優秀賞にAグレードから2点が選ばれました。
「おとあつめ」は発想の独自性と文章の上手さに注目が集まりました。けれど音を言葉にする難しさについても語られました。「かにかえる」は言葉遊びとしての面白さが評価されつつ、全体をつなげる弱さが指摘されました。
最後になりましたが、ご報告です。18年にわたりご応募いただいた「絵本テキスト大賞」の公募が、今回をもちまして終了となります。絵本テキストの賞として愛され、たくさんの皆さまに、長い間、ご応募いただきましたことを厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
皆さまの益々のご健筆をお祈り申し上げます。
◆主催 日本児童文学者協会/童心社
第18回「絵本テキスト大賞」選考委員
内田麟太郎、加藤純子、浜田桂子、橋口英二郎(童心社取締役 編集長)