委員長コラム このやりきれない世界情勢の中でどのように考え、どのように生きるか。  

子どもと平和の委員会

来月から「子どもと平和の委員会」の委員が今期のまとめとして、このやりきれない世界情勢について今考えていることを発信していきます。どうぞ皆さんもご一緒に考えていただければ。

なお以下、本年の311の日本ペンクラブイベントに寄せた言葉の一部をここでもアップさせていただきます。世界各地で戦争が勃発し、核兵器使用の可能性まで取り沙汰されている現在、私たちに何ができるのか。大江氏の言葉を改めて心に刻みたいと考えます。

 

「核の時代に人間らしく生きる」ということ

フクシマの原発事故を知ったとき、深い悔いにさいなまれたのを覚えています。私たちがヒロシマを十分に伝えてこなかったから、また、またこんなことが起きてしまったと。
311の事故ではっきりしたのは、原発が核兵器同様、広く長きにわたる被害をもたらす恐れがあるということでした。現在、日本には、廃炉や建設中を含めると60基もの原発があります。たった一発のミサイル攻撃でこの国が終わる可能性さえあるわけです。
かつて大江健三郎氏は「核の時代に人間らしく生きる事は、核兵器とそれがにもたらしている、すべての狂気について、可能な限り確実な想像力を備えて生きることであろうと思います」と述べました。一九七〇年のことです。
あれから半世紀以上が過ぎた今、第三次世界大戦勃発や核兵器使用の可能性がますます憂慮される時代となりました。核兵器と核にまつわる全てについて「確実な想像力」を、私たち一人一人が持たねばなりません。
原爆や原発被害の犠牲者たちは、未来のあなたでも私でもあります。
フクシマ原発事故やヒロシマの記憶を共感共苦をもって心に刻むことで、私たちがこの「核の時代」に、いかに人間らしく生きることができるか、いかに希望ある未来を迎えられるか、皆様とともに考え続けていきたいと思います。

朽木祥