193、協会創立80周年です(2026,3,5)
・会員、読者の方たちにはまもなく届きますが、『日本児童文学』3・4月号は、二つの特集「協会創立80周年」と「作家の仕事②いとうみく・濱野京子」という組み合わせになっています。今回は、「創立75周年」の特集から間がありませんでしたし、80周年は特に記念事業めいたこともないので、こういう形になりました。
協会は戦後間もない1946年3月に創立されました。去年が「戦後80年」でしたが、ですから、いつも「戦後〇年」を、一年だけ遅れて追いかけるような形になります。
・80周年記念特集の冒頭に、僕が「会創立八〇周年を迎えて」という文章を書いています。あとは、80周年云々というよりも、75周年以降の言わばエポックにちなんで、「コロナ禍、事業部奮闘記(赤羽じゅんこ)」「那須さんと著作権管理委員会(津久井惠)」「資料発掘の記録(佐々木江利子)」という具合で、結果的に、これまでの「〇周年特集」とは違った、とてもユニークな内容になっています。津久井さんの文章は、那須正幹さんの協会への著作権遺贈を受けて、2022年度からの3年間にわたる「那須正幹著作権管理委員会」の活動について、また佐々木さんは、75周年記念資料集を編纂するにあたり、資料探しなどの実務を中心的に担ってもらったので、その“裏話”的な報告になっています。
・さて、僕の「会創立八〇周年を迎えて」ですが、そこにも書いたのですが、僕はまあ立場上というか、『日本児童文学』の50周年、60周年、70周年、そして上記の75周年記念号に、それぞれ協会の歴史のようなことを書いてきました。それで、さすがに今回の80周年記念特集が最後になるだろうという思いもあり、また4ページというコンパクトな長さでもあったので、エッセイ風というか、かなり主観的に80年を俯瞰するような形で書きました。真ん中辺を引用します。
こういう比喩が適当かどうかわからないが、児童文学という建物が、戦後まもなく、ともかく様々な材料をかき集めて急いで建てられ、それから十数年して、新しい設計図を持った人たちが現れて、その建物を新築同様に建て直した、という感じだろうか。言わば、日本児童文学者協会という組織は、関英雄に代表される第一世代と、古田足日に代表される第二世代との合作である、ということになると思う。
繰り返しますが、これはもちろん僕のかなり主観的な見方なわけですが、自分では書いた後、「な
るほど、そうだなあ」と感心してしまいました(笑)。そして、これも書いたのですが、その後に続
く、僕らの世代が、多少の修繕はしたものの、きちんとした改築までには至らなかったなあ、という
ことも、改めて感じてしまいました。
そんな(?)思いの創立80年です。上記のように、特に記念事業的なことはしませんが、「創立
80周年アピール」を、5月の総会で出すことになっています。僕の上記の文章は、「戦前的な様相が
目に見えて拡がっている今、会を創立した人たちの思いが、いま一際身近に感じられてならない」
と締められていますが、これは実感でした。そんな思いを、80周年アピールに託せれば、と思って
います。