第3回Zb文芸ミニ選評A(ショートショート・掌編)
皆様ごきげんよう! 会報部の押川です。
さて、先日、紙面およびブログにて、第3回「Zb文芸」の入選結果を発表いたしました。
本日は、一定の評価を得ながら、惜しくも入選には至らなかった作品のミニ選評を掲載いたします。
*作者名なしで、タイトルとミニ選評のみを記載。
🌟Aショートショート・掌編
ミニ選評:会報部
「カッパマンちゃんねる」
よかった点:
発想、設定はおもしろい、エピソードがユーモラス。
ネットに翻弄される父の姿は今時で、世相を反映している。
誰かの気づきによって風向きが変わる様子がよく描かれている。
気になった点:
ラストの締め方がおざなりで残念。
お父さんの考えが変わる説明がなく、とまどう。
せっかくカッパが主人公なので、もう少しカッパらしさがほしい。
「でっかい約束」
よかった点:
少年時代のさわやかさがよく描かれている。
懐中電灯が空に届くシーンが神秘的でいい。
カイとケイの関係がよく分かる。
気になった点:
でっかいタイトルと内容がマッチしてない。
そもそも懐中電灯の光は雲まで届くのだろうか?
人物描写に既視感あり。
「ピンクルちゃん」
よかった点:
いやだと思っていた気持ちが和むところが、よく書けている。
湿度によって、くるん、というのがよくわかる。
小さくとも自分にとっては大問題、という子どもの気持ちが丁寧に描かれている。
気になった点:
ときどき大人の視点が混ざるのが気になる。
二人して、はるちゃんの髪をかまうのは息苦しい。
はるちゃんがなぜ、りむとに優しい言葉をかけるのか疑問。
「ゆらゆらハッチ」
よかった点:
構成も語り口もおもしろい。
物の側から見ているのがおもしろい。
多くを語らないところがいい。
気になった点:
ハッチの実態がつかみにくい。
めったに出ない商品は、流通倉庫に常備されていないのでは?
にいさんの花への興味が書かれていないので、唐突な印象。
――以上4作品です。(順不同)
Aの入選・次点の作品については、125号(9月号)に山本悦子さんによる選評が掲載されていますので、ご覧ください。
次回はB詩・童謡のミニ選評です。お楽しみに!
🌟第4回「Zb文芸」作品募集中!
いまの子どもの心に響く作品を募集します。
募集ジャンル・枚数/
Aショートショート・掌編:縦書・本文25字×80行以内、または400字詰め原稿用紙5枚以内
B詩・童謡:縦書・本文25字×32行以内、または同原稿用紙2枚以内。A・Bどちらか1人1編。未発表の自作品に限る。
応募資格/会員限定。
締切/2026年5月末日
応募方法/1枚目に氏名・住所・電話番号明記。2枚目以降にタイトル・本文。Eメールの場合はWordファイルを添付。
送り先/応募専用Eメール zbbungei3@gmail.com
郵送の場合 日本児童文学者協会会報部「Zb文芸」係宛
選考は会報部。
入選作は会報部ブログ、「Zb通信」に掲載、同誌5部進呈。
こんな方におすすめ!
初めて投稿する方、身近な賞で力試しをしたい方、誰かに読んで貰いたい方…。
過去の入選作品は、会報部ブログに掲載中!
ぜひふるってご応募ください。
(押川理佐)