『しずくと祈り 「人影の石」の真実』(朽木祥)刊行のお知らせ

このたび「人影の石」をヒストリカルフィクションとしてまとめた作品を上梓しました。『八月の光 失われた声に耳をすませて』所収の「石の記憶」や『かげふみ』で、これまでもモチーフにしてきた「人影の石」。
原爆投下のように空前絶後の事件の輪郭をはっきりと浮かび上がらせるためには、逆説的ですが、ささやかな、しかしかけがえのない人々の生きた姿を丁寧に描いていくしかないのではない
か・・・と私は考えています。
広島平和記念資料館に展示されている「人影の石」。石段に残された人の影。
『しずくと祈り』は、「人影」がどうしてこのような形で残ったのか、いったい誰のものなのか、史実や記録を追って真実を解き明かす、祈りの物語です。
朽木祥