動画第六回目「作家が作家に…ほんまちひろ×加藤純子」全文起こし2/3 いつつめの質問まで

子どもと読書の委員会

みなさん! もう、ほんまちひろさんのお話、きいてくださいましたか?

アーティストってうのは、こういう方のことをいうんだなって、しみじみとしてしまいました。

しかも、加藤純子さんがほんまさんの秘密をがんがん引き出していて、お二人のセンスのぶつかりあいが、楽しいんです!

インタビューの全文を3回にわけて掲載していきます。次回でラストです。

※無断転載やご使用はご遠慮ください。

●ほんまちひろ×加藤純子(聞き手)

●『同声(混声)のための まちの音』(ほんまちひろ・詩 寺嶋陸也・作曲 音楽之友社)

◇動画作成/ほんまちひろ

 

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【よっつめの質問】

カ:すごく「窓」って、短い詩なんですよ。たった8行の詩。でもそこがすごくドラマティックで、あの、ダイナミックな世界というのを表現してるっていう、この世界の大きさっていうのを、こんなたった8行でどうやってつかみとってるのかしら。いかがですか?

 

ホ:ありがとうございます。あのう。私がアトリエにしてるというか、いつもいるこの部屋がですね、あの、景色がいいんですね。

カ:ああ。

 

ホ:で、富士山もほんとうにみえるんですよ。で、夕やけがとてもきれいに見えるお部屋で。で、こう、ここにきた頃は、毎日毎日感動していて。

(加藤さんが自室の窓のカーテンをあけると、夕やけの空が見える)

あ、そうそう。そういう。

カ:こういう感じなのね。

 

ホ:そうそう、そういう。こういう感じで、すごいこう……。

ちょうどこの合唱曲の詩を書いて、依頼があった頃は、あの、世界中で、何ていうんですか、コロナ禍、コロナで大変だった時で。で、あの、この、委嘱っていうんですかね、この作曲の寺嶋陸也さんに依頼を、作品を作りたい、作って欲しいっていう依頼をした方が指揮者の方なんですけど。

ちょうどその頃、みんなこう、合唱もみんなで集まって歌えない時期だったんですね。でも、この今のこの大変な状況が過ぎたら、これをみんなで歌おうって思えるような作品を作って欲しいっていう思いから、依頼をされたんですよ。

で、そのちょうどその寺嶋陸也さんっていう作曲の方から、今度私に、何かこう詩を、何か今まで書いたものでもいいし、新しく書いていただいてもいいし、何かちょっとお願いできませんか? っていうご連絡をいただいて書いた作品なんですね。

だからあの、いろんな音楽をされてる方がこれを読んだときに、「あ、自分がやってるジャンルが入ってる」って思ってもらえたらいいなあっていうのもあって、あの、ブラスバンドとか、オーケストラとか入れてみました。

 

カ:ああ。

 

ホ:でも、その前からもともと、その、星空見ながら、なんかキラキラしてるな、合唱団みたいだな、とか。夕やけを見て、なんかこう、私のイメージだと、シンバルがパーーーンって鳴るような感じに、太陽のその、夕日の光を感じたりとか。もともとその、夕やけを音で表すならシンバル、とか。まあなんか、この風景を音で表すならハープとか。なんかこう風景を見ながら音で表すならどんな楽器かとか、オーケストラだったらどれぐらいの規模のオーケストラか、とかをひとりで妄想するのが好きだったんですよ。

で、その今までずっと妄想してた感覚をこの詩の中にポコンポコンポコンポコンって入れてみたのと。あと、ほんとうにあの、さっき申し上げたように、朝早く起きるのが好きで。で、すごい、あの、朝のなんていうんですか……。たまにですね、こう西側なんですけど、なんか、ヴィーナスベルトっていうのかな? あの……。

 

カ:東の太陽がどっかに当たって見えるでしょ。

ホ:そう、東の太陽の光の加減で西の空が、バアーッとピンクの帯みたいになる。

カ:そうそう、うちも見える。

 

ホ:あ、それがすごく好きで。で、ま、そのことは書いてないんですけど、あの、朝の空が好きで、ちょっと朝の空もいつか詩の中にいれたいなあって思っていたので、こういう詩になりました。

 

カ:なんかあの、コロナ禍でこう、書いてたって、やっぱりみんなすごく辛い思いをしている中でね、やっぱりこの、あのほんとうにたった8行のうたなんだけど、その中になんか、いろんなこう、キラキラした希望とか、明るさとか、励ましとか、なんかそういうのが、こう詰め込まれてる。それで、なんか「僕が歌うよ」とかね。「うちの窓から晴れた日は富士山が見えるよ」とかっていう語りになっているところが、なんかまたすごくこう、共感性っていうか、そういうのをこう、感じられてね。すごく良かったなあっていうふうに思いました。

 

ホ:ありがとうございます。でもね、あの、コロナに限らず、歌っていただけるものっていうのをね、考えているので。

カ:そうですね、それはね。

ホ:そこに限ったわけではなくて。ただ、そういうきっかけで依頼がきたものなので。とてもこう、心を込めて書いた作品なので、大事ですね。自分の中でもとても大切な詩です。

 

【いつつめの質問】

カ:それでは真面目な質問はね、これでおしまい。

ホ:え、いいよ、つづけてくださいよ、まじめな質問(笑)。

 

カ:ここからは、いつも元気いっぱいに人生を楽しんでいる、今日はちひろちゃんの中に見つけた、こう、その、ほんとうにこの『まちの音』っていうのは、すごく楽しさとか勇気とか色々入ってるんだけれど、やっぱり叙情性っていうのを、すごく感じるんですよ。でその、この、抒情性とか、その、多様性とかについてちょっと、どういうところをこう、感性っていうか、感度として、ピッと感じる部分なのかな? って。

 

ホ:なんかあれです。あの、夢みる時間を大事にしています。

カ:あ! ん~~ん。

ホ:夢想するとか。だからすごくこう、頑張ってどうこうっていうんじゃなくて、じっとして、どうこう、っていう感じ。

カ:うんうん。

 

ホ:目を閉じて、思い描くとか、いうのを、すごく、大事にしたいな、と思ってます。なので、その感覚があの、自分の中にあれば、こう、物事を見たときに、自分のそういう夢みる触覚っていうか、感性を使ってものを見ることができるので、そのまま書けば詩になります。

 

カ:ああ。なるほどね。

ホ:と、信じてます。はい。

カ:よくわかりました。

 

カ:で、あの、なんか。えっとちょっと、ぬいぐるみを見せていただけます?

 

 

ホ:はい。じゃ~ん!(ぬいぐるみ登場)

カ:もうね、こういう何ていうのかな。これ、腕から動かせるのかしら?

ホ:そうそう、ここに腕を通して。

カ:そうよね。

 

ホ:ほんとうにあの。コロナの、家にずっといる期間がありましたよね。ステイホームの時に。で、今度外に出て、もし絵本をよむとかのイベントが、今後いつになるかわからないけど、もしできることがあっても、マスクをしているだろうな、と思って。で、まあ見慣れちゃえばね、今はね、マスクも見慣れるんですけど。その時はなんかこう、マスクで顔が半分隠れる分、なんかこう、楽しいものを作りたいな、と思って。

 

カ:ああ。

ホ:こういうのを作ったんです。

カ:マスク代わりですか?

ホ:あ、いえいえ。マスクで顔が隠れちゃうので、さみしいというか。今まで見えた顔が見えなくなる分、顔がここにあったらどうだろう、って思って。

 

カ:あ~! なるほど!

 

ホ:で、あの特に私は手話を、手話で絵本をよむという活動をしているので。あ、そんなに手話できないんですけどね、ちょっと手話勉強しながら、手話で絵本をよんでるので。で、やっぱりあのマスクで口が見えなくなって、聞こえない方とても不便だったらしい……不便、今もそうかもしれないけど、不便な思いをされてたという話をきくので、なんか、ほんのちょっとでも、楽しいものが作れないかなと思って、こういうネコちゃんでこう手話を。ネコちゃん、こうなってて(と、腕を入れて動かす)。

 

カ:かわいい!

ホ:手話をできるようなものを作りました。