「公開研」(11/29)「プレ読書会」第3回報告

研究部

11月29日(土)に開催される公開研究会に向けて、Zoomミーティングによる第3回「プレ読書会」を8月7日(木)18時30分~20時30分に行いました。

今回は、公開研のパネリストのおひとり、長江優子さんの作品を読み合いました。参加者は研究部員6名を含む13名でした。

長江作品を読みこんでいる方や、長江さんの創作教室の受講生さん、そして長江さんご本人も参加してくださり、たっぷり2時間、作品を読み返しつつ楽しく語り合いました。

まずレポーターの奥山から、作品の一覧を出しました。そのなかで、公開研のテーマである「「伝える」を考える」にかかわる作品として、以下の4作品をとりあげました。

1『ハンナの記憶』(講談社、2012年)

2『ハングリーゴーストとぼくらの夏』(講談社、2014年)

3『百年後、ぼくらはここにいないけど』(講談社、2016年)

4『サンドイッチクラブ』(岩波書店、2020年)

それぞれに複雑な構造をもつ作品ですが、物語の中で、いつ、どこで、どのようにして、何が伝えられ、伝えられることで主人公はどうしたのかなどについて報告しました。

その後、研究部員の宮田航平さんの司会で、とりあげた作品や作品の時代背景について、さまざまな意見が出されました。とくに「伝える」「伝えられる」ことで主人公がどう変わるのか、また、変らなければならないものなのか、あるいは、単純化(「成長」とか「人生に迷ったら知覧へ行け(知覧詣で)」とか……)してはいけないのではないか、などの意見については、公開研究会でも深めていくことができたらと思いました。

そのほか、長江さんの作品からは、「記憶はそれぞれちがう」こと、「言えなかった言葉」が掘り起こされる意味、「今」の現実を「複層化して見せてくれる」こと、などが感じられるとの意見も出され、作品のおもしろさをより深く感じることができました。

また、長江さんご本人からの創作秘話も、興味深いものがありました。

公開研究会にむけて、ぜひ、今回とりあげた作品を読んでみてください。当日の長江さんのお話がますます楽しみになると思います。

(研究部 奥山恵)

次回のプレ読書会(Zoomミーティング)は、10月17日(金)18:30~20:30です。

公開研究会のパネリストの翻訳家原田勝さんの翻訳作品を読み合います。

参加申し込みは→https://forms.gle/s2wV8zWyEADDKdVu5

なお、公開研究会「戦後80年、”伝える”を考える」は、

11月29日(土)、14:00~16:30日本出版クラブ会館で。

リモート参加もできます。

申込等の詳細は本ホームページその他で9月上旬に開示します。今しばらくお待ちください。