動画第三回目「作家が作家に…松本聰美×いとうみく」全文起こし3/3 ラストまで

子どもと読書の委員会

数日前に、「作家が作家に」動画、とうとう第六回目の収録がおわりました。企画当初に計画していた、つまりチラシとして配布している分までの収録までが終わったことになるのですが、いえいえ、まだ続きますよ!

さて、今回は第三回目動画の文字起こし、ラストまでとなります。松本さん、おでんの具はなにがお好きだったんでしょう?

動画第三回目は、加藤純子さん×押川理佐さん(聞き手)です。7月中に更新予定ですので、いましばらくお待ちください。

 

●松本聰美×いとうみく(聞き手)

●『金色の約束』(黒須高嶺・絵 国土社)

●引用/『オセロー』(ウィリアム・シェイクスピア 著 小田島 雄志 訳 白水社)

※無断転載やご使用はご遠慮ください。

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3つめの質問

 

イ:それでは3つ目の質問にいきたいと思います。

普段こう執筆してる時って、いつでもこう、ちゃかちゃかちゃかっと、書けるわけでは決してないと思うんですね。

で、そういう時に行き詰まった時とか、こうなかなかこう筆が進まないなあっていう時に、気分を変えたい時にどんな事をしていますか?

 

マ:今回そのね、その質問があって、ちょっと考えたんですね。そしたら私は三段階にわけてそれをやってるなあっていうのが分かって。

 

イ:ふふふ。

 

マ:あのう、ちょこっと気分転換っていうのは食べる、飲むですね。結構私サユラーなので、お白湯を飲んだりもするんです。

 

マ:食べるのはだいたい手でつまめるもの。お豆とかナッツとか金平糖とか、手でつまんですぐこう、キーボード打てるように。

 

イ:じゃあほんとうに仕事しながら、ちょっとつまんで気分転換をするとか。

 

マ:そう、ちょっとここのところAの言い方がいいかな、Bの言い方がいいかな、とか(まようとき)かな。

 

イ:なるほど。

 

マ:で、中ぐらいの気分転換。

 

イ:はい。

 

マ:これは簡単な調理をするんです。あのう。キャベツの千切りとかね。

 

イ:あーいいですね。

 

マ:ごぼうのささがきとかね。人参をこうすりすりするとかね。

 

イ:あーなるほど。

 

マ:千切りのスライサーで。なんか考えなくてもいい調理で、晩御飯の時に楽になるようなことをします。ごぼうのささがきなんかいいですよ。スパッとやりながらね、なんかひらめくような気がして。

 

イ:なんかこう、ご近所だったら、作ってもらったら、いただきにあがりたい感じですね。お料理お上手そう、ほんとうに。

 

マ:で、大きな気分転換ですね。もうどうしようもならない時は外に出ます。外の空気を吸うかな。で、それもちょっとした空気だったら、郵便受けをのぞきに行くとか。

 

イ:そのくらいのことで、大丈夫なんですか?

 

マ:それで、庭の植木鉢をちょっとのぞいてみるとか。もうちょっと、と思ったら、近くへ買い物に行くとか。

 

イ:あの、私、ちょっと聞いた……風のうわさじゃないんですけど、なんか松本さん箱作りをなさってるって聞いて、それもそうなのかなってちょっと思ってたんですけど。

 

マ:あ、そうなんですよ。箱作ってる。

 

イ:もしあれだったら、ちょっと見せていただいても……?

 

マ:えっ、いや、ちょうどね、これ関係の、今回の関係のものね、全部、その、いろんなものをひょっとしてと思って。『オセロー』の本とかもね、全部こう一式にしてこれに入れてるんですが。これもつくって。色んな大きさのを作るんです。

 

イ:なんでしたっけ? 和紙じゃなくて、何かを重ねて?

 

マ:和紙。ダンボールを組み立てて、それにあのうこう、いろんなこう、ここがきれいになるようなものを貼ったりとかして。

一番下は石州っていう紙。薄くて強いんですね。その紙を貼って、いろんな和紙を貼っていきます。例えばAの作品、Bの作品って書いてる時に、Aの作品用のグッズをここへいれとくとか、B用のものをここに入れとくとか、いろんな風に使ってます。

 

イ:そうですよね。なんか校正が来たらそれを入れとくとかね。いっしょにできますもんね。ひとまとめにして。

 

マ:そうですね。それとかなんか、みくさんなんかはもう頭の中にきちんと整理されているだろうから、あれだろうけど。

 

イ:(いやいや)

 

マ:ちょっと、書いて。パソコンあけない、あけるまもなくなんか思いついたことを、ちゅっちゅっとメモしたときに、その箱にポンと入れておけば。そこさえ探せば「あ、こんなこと書こうと思ってたんだ」とか、見つかるんで、そんな風に使ったり…。

 

最後の質問

 

イ:それでは、最後の質問になるんですけれども。松本さん、おでんの具は、何が好きですか?

 

マ:あの。卵も好きですし、それからタコも好きなんですけれど、なんといっても一番大好きなのは、油揚げの中にお餅を入れたのなんです。で、それをほんとうはかんぴょうで結ぶんでしょうけど、私はつまようじでこう結んで煮るんですね。大好きです。

 

イ:あ、なんか意外な感じです。でもおいしいですよね。

 

マ:召し上がったことあります?

 

イ:ありますあります。

 

イ:松本さん、今日はすごいいろんなお話を聞かせていただいて、ほんとうに楽しかったです。ほんとうにどうもありがとうございました。

マ:私もほんとうに上手に聞いてくださってうれしいです。ありがとうございました。

 

イ:ありがとうございました。

 

しめの:いかがでしたか?おしゃべりや本をとおして、松本さんの素顔が見えてきましたよね。次回は加藤純子さんの秘密を、押川理佐さんに迫っていただきます。どうぞお楽しみに。ご視聴ありがとうございました。

 

プロフィール 

松本 聰美(まつもと さとみ)

児童文学作家。

兵庫県に生まれ京都に育つ。主な作品に『声の出ないぼくとマリさんの一週間』『ん ひらがな大へんしん』(ともに、汐文社)『ぼく、ちきゅうかんさつたい』『クルルちゃんとコロロちゃん』(ともに、出版ワークス)『ごいっしょさん』『金色の約束』(ともに、国土社)など。 絵本に『わたしはだあれ』(KADOKAWA)『ぶぶるん ふるふる』(ほるぷ出版)などがある。趣味は箱つくり。

 

いとうみく

フリーライターを経て児童文学作家へ。

『糸子の体重計』でデビューし、日本児童文学者協会新人賞受賞。そのほか『朔と新』で野間児童文芸賞、『あしたの幸福』で河合隼雄物語賞、『ぼくんちのねこのはなし』で坪田譲治文学賞を受賞。『かあちゃん取扱説明書』「車夫」シリーズ、『おねえちゃんって』シリーズなどが人気。近著に童心社から『あおのいえ』、双葉社から『蒼天のほし』など。全国児童文学同人誌連絡会「季節風」同人。

 

しめの:じゃあ、せーの!

みんなで:またねー。ありがとうございまーす!