「負の記憶」を伝えること、平和を希求すること 朽木祥
作家の朽木祥です。ファンタジーやリアリズム作品、ヒロシマ関連の物語を書いています。(翻訳もときどき)
国際部に関わる情報としては・・・『光のうつしえ』(講談社)が英訳刊行Soul Lanterns(Penguin Random House)されたことなどから、コロナ禍明けにドイツやアラブ首長国連邦の児童書フェスティバルに招聘されて行って参りました。どちらの国でも、中学や高校、大学などで講演し、現地の生徒や学生たちと交流する機会をいただきました。(このときのあれこれについては八月の学習交流会でご報告する予定です)
Soul Lanternsは、おかげさまで2025年、米国の書評媒体カーカスレビューにおいて「二十一世紀のベストブックス(これまでに刊行された本対象)」の一冊に選ばれました。今春にはドイツ語版Die weisse Laterne(Baobab Books)も刊行されましたので、いずれもヒロシマの「負の記憶」が広く伝わるきっかけになればと心から祈っております。
本年は今月『新版 彼岸花はきつねのかんざし』が佼成出版社から、十月に『しずくと祈り』が小学館から刊行される予定です。どちらもヒロシマの物語です。
戦後八十年、どうしたら子どもたちーーー日本だけでなく世界の子どもたちにもーーー「負の記憶」を伝えられるか、どうしたら平和を希求する心情を育めるか、皆様のお考えやご体験も伺いながら、引き続き考えていきたいと存じます。
八月には国際部の学習交流会で、九月には児童文学学校で、十一月には公開研究会で皆様にお目にかかるのを楽しみにしております。